かなりやシリーズの中でも俗に言う「レア物」の機種がある。今回ご紹介するかなりやGSは、発売された昭和35年当時の消費者から見ると先進的すぎる?デザインだったのか、ヤフオクに出品されることも稀な、まさにレア物の機種である。
▲東芝かなりやシリーズの中でも超レアな、かなりやGS
写真のように2段重ねキャビネット上段にスピーカー、下段に電源スイッチ付音量調整ツマミ、選局ツマミを左右対称に配置したシンメトリックな意匠は、’5~60年代のアメリカ車のダッシュボードとカーラジオや現代建築を連想する。もしかするとエリミネーター時代の受信機を意識したデザインなのかもしれません。(誰だ~?墓石を連想する・・・って言ってる口の悪い人は!? 笑)
真空管ラジオ、とりわけ 東芝かなりやシリーズのコレクションを始めて3年目になるが、この かなりやGSが出品されているのを見たのは3回目。過去2回は自主規制予算の4~5倍以上という高値がつき、やむなく撤退した。
今回もどれだけ高騰するのか心配だったが、何と!予算内で無事に落札できた。オークションでラジオを落札する際は、決して “熱く”ならず、予算を超過したら、次回の出品を待つ余裕が必要だろう。このところ以前に捕り逃がした かなりやを予算内で相次ぎ数台捕獲している。
メーカー:東京芝浦電気(TOSHIBA)かなりやGS 5YC-426
サイズ : 高さ(約15cm)×幅(約27cm)×奥行き(約11.5cm)
受信周波数 : 中波 530KC~1605KC/短波 3.9MC~12MC
使用真空管 :12BE6(周波数変換)、12BA6(中間周波数増幅)
12AV6(検波&低周波増幅)、30A5(電力増幅)、35W4(整流)
宅急便で届いた かなりやGSは、旧家の蔵にでも保管されていたのだろうか、プラスチック製キャビネットは、50年近くの間に付着した埃と汚れ、黄ばみ、軽い擦り傷があるものの、パーツの欠品も無く、外観はかなり程度の良い部類である。
▲埃や汚れは付着して汚いが、パーツの欠品はない
以前ヤフオクで見たかなりやGSはブルーグレー系の塗装だったが、今回出品されているモノは、ライトベージュ系のカラーだ。
下段キャビネット上部の左右には、オレンジと緑色の凸状の部品が配置されているが、何だろう・・・? 今までの かなりやシリーズには無いパーツだ。
▲バンド切替表示用凸状パーツとバンド切替/選局用同軸二重ツマミ
周波数表示インジケータをよく見ると、中波/赤、短波/緑で色分けされている。たぶん中波/短波を切替えると、左右のランプが点灯する仕組みになっているようだ。またシンメトリックに配置された左右のツマミのうち、右側のツマミは同軸二重となっており、外側はバンド切替スイッチ、内側が選局ツマミの機能になっている。
この50年近く放置されていた かなりやGSのやつれた姿に「アメリカンドリームを夢見て破れた女」の姿が重なり、高校生から大学1年まで付き合っていた同級生の彼女のことを思い出す。ボクは県外の大学へ、彼女は県庁所在地の短大へ進学し、お互いに連絡も途絶えがちになっていた。(今のように携帯電話もありませんでしたし・・・)
ジーンズとTシャツの似合う彼女が岩国駐留の海兵隊員と恋に落ち、青い目の彼氏とアメリカに渡ったが数年後離婚したことを風の便りに聞いた。
浜田省吾のアルバムに、「いつかもうすぐ」というナンバーがある。
原曲「Someday Soon」は、カナダのカントリー・フォークデュオであるイアン&シルビアの1965年に発表され、多くのシンガーがカバーしている。
いつかもうすぐ 作詞 浜田省吾 作曲 Ian Tyson
♪あの娘は米軍キャンプのそばにある 小さな店で働いてた
僕らは約束した この街出ようねと いつか いつかもうすぐ
あの頃僕はまだ18で 望めば全てが叶うと信じてた
どうして僕を待ってくれなかったの こうして今 迎えに来たのに
あの娘は青い目の若い兵隊と 5月に行っちまった California
今でもこの街で独り呟いてる いつか いつかもうすぐ
ラジオから流れるこの歌を初めて聴いたとき、当時のボク自身の体験とシンクロし、身震いした。この作品に描かれた、将来を誓ったはずの彼女を米兵に横取りされ、アメリカの圧倒的な強さ・魅力の誘惑に負けてしまう彼女を通して、自分が無力だと分かっていても、それを認めたくない、という少年の心が切ない。また失恋した痛手に凹みながらも、自分たちのちっぽけな世界から飛び出していった彼女の行動力を心のどこかで羨ましく思っている少年の複雑な心情にもググッときてしまう。
あれからずいぶん経ち、時が流れ 彼女の居場所ももう知らない。風の便りも途切れてしまったけれど、あの頃の日々を胸の中に、このラジオを修復することを決意した。(←店長、また自分の思い出回想&妄想モードになってるし・・・)
▲裏蓋左下にバリコン止用ビス穴が・・・設計の不具合対策だろう(笑)
裏蓋をよく見ると、左下に丸い穴が開けられ、バリコン止具(ビスとスペーサ)が飛び出している。生産ラインに乗った時点で、裏蓋が閉まらないことが判明し、こんな対策を施したのだろう。
裏蓋を取外すと、清掃された様子はなく、キャビネット底部やシャーシ上の真空管、IFT、バリコンには多くの埃が堆積しているが、こんなラジオの方が、意外と簡単に修理できたりする。
長年放置され、シャーシの一部に錆が浮いた かなりやGSに、つい感情移入してしまう。
▲真空管は一部NEC製に交換され、ケミコンも暴発寸前の危険な状態
▲東芝かなりやシリーズの中でも超レアな、かなりやGS
写真のように2段重ねキャビネット上段にスピーカー、下段に電源スイッチ付音量調整ツマミ、選局ツマミを左右対称に配置したシンメトリックな意匠は、’5~60年代のアメリカ車のダッシュボードとカーラジオや現代建築を連想する。もしかするとエリミネーター時代の受信機を意識したデザインなのかもしれません。(誰だ~?墓石を連想する・・・って言ってる口の悪い人は!? 笑)
真空管ラジオ、とりわけ 東芝かなりやシリーズのコレクションを始めて3年目になるが、この かなりやGSが出品されているのを見たのは3回目。過去2回は自主規制予算の4~5倍以上という高値がつき、やむなく撤退した。
今回もどれだけ高騰するのか心配だったが、何と!予算内で無事に落札できた。オークションでラジオを落札する際は、決して “熱く”ならず、予算を超過したら、次回の出品を待つ余裕が必要だろう。このところ以前に捕り逃がした かなりやを予算内で相次ぎ数台捕獲している。
メーカー:東京芝浦電気(TOSHIBA)かなりやGS 5YC-426
サイズ : 高さ(約15cm)×幅(約27cm)×奥行き(約11.5cm)
受信周波数 : 中波 530KC~1605KC/短波 3.9MC~12MC
使用真空管 :12BE6(周波数変換)、12BA6(中間周波数増幅)
12AV6(検波&低周波増幅)、30A5(電力増幅)、35W4(整流)
宅急便で届いた かなりやGSは、旧家の蔵にでも保管されていたのだろうか、プラスチック製キャビネットは、50年近くの間に付着した埃と汚れ、黄ばみ、軽い擦り傷があるものの、パーツの欠品も無く、外観はかなり程度の良い部類である。
▲埃や汚れは付着して汚いが、パーツの欠品はない
以前ヤフオクで見たかなりやGSはブルーグレー系の塗装だったが、今回出品されているモノは、ライトベージュ系のカラーだ。
下段キャビネット上部の左右には、オレンジと緑色の凸状の部品が配置されているが、何だろう・・・? 今までの かなりやシリーズには無いパーツだ。
▲バンド切替表示用凸状パーツとバンド切替/選局用同軸二重ツマミ
周波数表示インジケータをよく見ると、中波/赤、短波/緑で色分けされている。たぶん中波/短波を切替えると、左右のランプが点灯する仕組みになっているようだ。またシンメトリックに配置された左右のツマミのうち、右側のツマミは同軸二重となっており、外側はバンド切替スイッチ、内側が選局ツマミの機能になっている。
この50年近く放置されていた かなりやGSのやつれた姿に「アメリカンドリームを夢見て破れた女」の姿が重なり、高校生から大学1年まで付き合っていた同級生の彼女のことを思い出す。ボクは県外の大学へ、彼女は県庁所在地の短大へ進学し、お互いに連絡も途絶えがちになっていた。(今のように携帯電話もありませんでしたし・・・)
ジーンズとTシャツの似合う彼女が岩国駐留の海兵隊員と恋に落ち、青い目の彼氏とアメリカに渡ったが数年後離婚したことを風の便りに聞いた。
浜田省吾のアルバムに、「いつかもうすぐ」というナンバーがある。
原曲「Someday Soon」は、カナダのカントリー・フォークデュオであるイアン&シルビアの1965年に発表され、多くのシンガーがカバーしている。
いつかもうすぐ 作詞 浜田省吾 作曲 Ian Tyson
♪あの娘は米軍キャンプのそばにある 小さな店で働いてた
僕らは約束した この街出ようねと いつか いつかもうすぐ
あの頃僕はまだ18で 望めば全てが叶うと信じてた
どうして僕を待ってくれなかったの こうして今 迎えに来たのに
あの娘は青い目の若い兵隊と 5月に行っちまった California
今でもこの街で独り呟いてる いつか いつかもうすぐ
ラジオから流れるこの歌を初めて聴いたとき、当時のボク自身の体験とシンクロし、身震いした。この作品に描かれた、将来を誓ったはずの彼女を米兵に横取りされ、アメリカの圧倒的な強さ・魅力の誘惑に負けてしまう彼女を通して、自分が無力だと分かっていても、それを認めたくない、という少年の心が切ない。また失恋した痛手に凹みながらも、自分たちのちっぽけな世界から飛び出していった彼女の行動力を心のどこかで羨ましく思っている少年の複雑な心情にもググッときてしまう。
あれからずいぶん経ち、時が流れ 彼女の居場所ももう知らない。風の便りも途切れてしまったけれど、あの頃の日々を胸の中に、このラジオを修復することを決意した。(←店長、また自分の思い出回想&妄想モードになってるし・・・)
▲裏蓋左下にバリコン止用ビス穴が・・・設計の不具合対策だろう(笑)
裏蓋をよく見ると、左下に丸い穴が開けられ、バリコン止具(ビスとスペーサ)が飛び出している。生産ラインに乗った時点で、裏蓋が閉まらないことが判明し、こんな対策を施したのだろう。
裏蓋を取外すと、清掃された様子はなく、キャビネット底部やシャーシ上の真空管、IFT、バリコンには多くの埃が堆積しているが、こんなラジオの方が、意外と簡単に修理できたりする。
長年放置され、シャーシの一部に錆が浮いた かなりやGSに、つい感情移入してしまう。
▲真空管は一部NEC製に交換され、ケミコンも暴発寸前の危険な状態
私はケンウッドのミニコンポを使っています。
このラジオはかわいくておもしろい形ですね。
子供のころ、父の車についてたラジオに似ています。
ちゃんと音が出るといいですね。
店長さんの青春の1ページは、苦くて甘くて素敵なお話。アニキ、がんばって!
また、新種を捕獲しましたね!。こんなのは見たことが無いです。なんだか不思議なデザインです。途中をくびれさせる必要があったのでしょうか?後ろから見た写真では、普通の長方形のラジオより、シャーシーの幅が少し大きいようです。安定感があって良いデザインのように思います。
うちのカナリアは、掃除してACコードを取り付けて、鳴くのがわかってそのまま寝ています。
赤いコルトプラス様
東芝かなりやシリーズは30種類以上のデザインをもつ真空管ラジオです。左のカテゴリ欄の「東芝かなりやシリーズ」を押していただくと、多種多様な同社のラジオを見ていただけます。
赤いコルトプラス様は、もしかして真空管ラジオの修復を絶賛してくださった働きマン@菅野美穂にちょい似さんですか?
かめ様
ホントこんなラジオは見たことがありませんし、デザイナーもよっぽど手詰まりだったんでしょうかね?(笑)確かに安定感はありますが、裏蓋にバリコン止金具が干渉し閉まらないことに後から気付き、穴を開けてまったところに、時代を感じさせてくれます。
ラジオは常用しなくても持ってるだけで、ウキウキしますよね~
ラジオ修復から、懐かしいエピソードをも思い起こさせてしまうんですからラジオって店長様には歴史ですね。
最近はゆっくりとラジオを聴く時間も少ないようですが、このラジオのようにどっしりと構えてゆったりとした時間が過ごせたらいいですね^^;
なかなかラジオと遊べず、HPもくもの巣状態です。
しかしながら、店長様のような「ご同士?」がおられる事にとても嬉しく思います。私の現役復活はまだまだ
先の事となりそうですで、是非とも「かなりや達」の存在を世界にアピールして頂けますよう御願い致します。GS入手されましたか!実は私も狙っていたのですよ。確か土曜日の夜9時過ぎの入札期限でしたよね。
実はあの日は久々に部下&取引先合同の「キャバレー
宴会」の日で、ラジオよりもお姉さま達(キャバクラじゃなくキャバレーなので熟女が多い)を落札するのに
一生懸命になってしまいましてチュウ( *^)^*)チュウ
でも、貴重品が店長様のお手元に行ったことを知って
安心致しました。最近、神奈川の方が倉庫手狭と言う事で「かなりや」放鳥しまくってますよね?よくあれだけ飼っていたなと感心しています。GS&DSは私も実は
捕獲済みなのですが手入れ&UPする暇が無く、そのままで放置されております(/_;。) もっとゆっくり書き込みたいのですが横で家内が怖い顔しているので
また夜にでも訪問させて頂きます。
メールを数度送ってみましたがフィルターのせいか
連絡が出来ませんでした。
dadama_dadama_dadama@ybb.ne.jpが当方のアドレスに
なります。ただ迷惑メールの嵐で殆どが迷惑フィルターにかかる(1日300件程)ので万一迷惑フィルターに
かかると見逃すかも知れませんので件名に「かなりや」の文字を入れて頂くと発見しやすいと思います。
真空管ラジオのコレクション&修復の楽しみの一つとして、デザインを楽しむとともに、当時の時代背景に思いを馳せながら、時代は違っても「自分史」にシンクロさせる時間を過ごせることにあります。
今の状況がどうであれ、過去の自分がいるから、今の自分がいるんですよね~。
>このラジオのようにどっしりと構えてゆったりとした時間が過ごせたらいいですね^^;
仰るとおり、自虐的なほどに「仕事」を抱え込み、七転八倒している自分に気付き、虚無感に囲まれることがあります。白い恋人さんの心温かいお言葉に、勇気付けられます。
やはりリフレッシュって必要ですね。
かなりや佐藤様
お久しぶりです♪お元気そうで何よりです。
佐藤様が現役復帰されるまでの間、微力ながら「東芝かなりや」の存在を継承してまいりたいと思います。
念願の「かなりやGS」が手に入り、昭和30年代末期以外では、かなりやBとCなど数機種を残すのみとなります。
しかしキャバレーでお姉さま方を落札とは、ゴージャスな!(ただし熟女は若輩の私では役不足かと・・・笑)
こちらは仕事に疲れ果てて、休日は爆睡する日々が続いています。月に1回程度、プライベートでゴルフに出かけても、ヘロヘロ状態です。
先ほどメールをお送りしましたので、ご確認ください。
迷惑メールホルダーも調べましたが・・・URL欄に再度
メルアド貼っておきました。宜しければ
dadama-dadama-dadama@c.vodafone.ne.jpもお試し下さい。ややこしいですが携帯アドレスのdadama区切り(-)がハイフンです。PC用はアンダーバー(_)です。宜しく
御願い致します。
イヤ~、実に斬新なデザインの「かなりや」ですね
米国製の電池管ラジオで、似たデザインを見たことがありますよ
店長若かりし頃(失礼)の回想、いいですね~
遠い昔ですが、親父にもそんな青春がありましたよ(笑)
アキバの通り魔事件見ました?
私の徘徊ルートでの出来事なので、心底震えました
真空管を眺めに駅よりのANDIXに寄ってから、事件のあった交差点を渡ってキョードー等に行くのがお決まりのコースです
アキバは自分も含めラジオ・オタクの多い土地柄ですが、近年はオタクの種族が多様化しており女性や外国人が目立ちます
しばらくは、足が遠のきそうです(笑)
届いていませんか・・・ 再度携帯にも試してみました。下記のメルアドにお送りいただければと思います。
radiota@mail.goo.ne.jp
ラジオ親父様
かなりやGSには、Raymond Loewyを意識しつつ、似て非なるプロダクトになってしまったのではないかと悔しがる当時のデザイナーの姿を思い浮かべます(笑)
アメリカへの憧れと失意、敵意が混沌とし、屈折した二十歳前後、そして留年を機に東南アジアからヨーロッパを目指して旅に出ました。(若かったというか、バカかったんですね・・・)
アキバの事件報道を見ると、今の「与えられた豊かさ溢れる世の中」は決して人を幸福にしない!と、あらためて感じた次第です。
しかしアキバ名物のメイドカフェも閑散とするのでしょうか?(笑)
かなりや佐藤様
了解しました!これで連絡とれますね♪