昭和三丁目の真空管ラジオ カフェ

昭和30年代の真空管ラジオを紹介。
アンティークなラジオを中心とした、自由でお洒落な、なんちゃってワールド♪

“ メガネは内面を表現する ” ファッションアイティムだ~

2008-07-26 | 三流オトコの二流品図鑑
近年、フレームのデザインや素材も豊富になってきているメガネは、“アイウェア”と呼ばれ、美男美女のファッション・アイティムとして定着している。男女問わず、メガネを外す仕草に色気を感じてしまう人も多いのでは? └◎◎┘ 
 さて今回は、某ショップから依頼され、フランスの著名アイウェアデザイナー "アラン・ミクリ" や "クロムハーツ" 、日本の "マサキ・マツシマ" 他各種ブランドのアイウェアを着用するモデルになった。
        
撮影の終了後、スタイリストのおネーさんから
 「店長さんって、メガネをつけ替えるときの表情が素敵ですよね~♪ 」 と持ち上げられ、
また撮影に立ち会ってくれた深田恭子に似たメガネ姿の店員さんからも
 「本当に普段はフツーの会社員なんですよね・・・何だか業界人っぽいんですけど」
といったサービストークにのせられ、撮影に使った中から Masaki Matsushima MF-1081(定価¥33,600 税込)のメガネフレームをいただいて帰った。(レンズは有料っす・・・セコっ! 笑)
        
        ▲Masaki Matsushima MF-1081(定価¥33,600 税込)
 日本の若手デザイナーのなかでも人気急上昇の松島正樹は、DCブランド "MASAKI MATSUSHIMA(マサキ・マツシマ)" を’92年に設立し、作曲家の坂本龍一氏やシンガー  レニークラヴィッツなど著名人のステージ衣装を手掛けるなど、日本屈指の実力派デザイナーだ。
 彼のデザインによって産まれたJALエ○スプ○スのスカイキャ○ト(キャビンアテンダント)の制服は、「安心」「カジュアル」「フレッシュ」が基本コンセプト。親しみやすさを感じてもらうために、よりカジュアルなジャケットを導入している。鮮やかな赤いジャケットや、可憐な七分袖のシャツを取り入れ若々しさを表現しているが、知人のスカイキャ○トによると、当のご本人たちからは賛否両論あるようです。
        
        ▲当ブログの読者にはJALエ○スプ○スのスカイキャ○トも・・・
 Masaki Matsushima MF-1081は、最新モードと伝統的な精神の融合を図った、芸術的なアーティスティックなモデルではあるが、ビジネス・シーンでも見る人に『変わったデザインだね』と気付かれないギリギリの違和感が魅力といえる。
        
 チタン製のフロントのリムは太いので、セルフレームのようなボリューム感があり、フロント部分に付いているセル素材の大きなサイドカバーと幅の広いテンプルに一体感を生み出している。
        
またサイドカバーに隠れて見えにくいフロントとテンプルをつなぐ部分には、弾力性があり、掛け心地はとても滑らか。造形美と機能性のマッチしたバランスの良いフレームだ。メガネフレームはその時、その時の自分の内面を表現し、年代を超えたお洒落をさりげなく演出する数少ないメンズファッション・アイティムです。
        
        ▲MF-1081にはグレー20%のカラーレンズを入れてます
このメガネをかけてオフィスに休日出勤した日の帰り道、同じ部署の女性スタッフ(26才)から
 「暑いっすよね~。ど~して今日はこんなに早く帰るんですか?」 と、尋ねられた。

  「いや、今日は友達と集まって、飲み会なんだ」
  「いいなぁ~・・・ じゃあ駅前まで車で送りますよ」
  「サンキュ~、助かるよ。時間あったら、カフェでお茶してくか?」
  「やったー! ラッキ~♪」
路地裏にある、隠れ家にしているカフェは、彼女も知らなかった店で、初めて来たそうだ。
この店の存在は誰にも内緒にする約束をして、クーラーの効いた店内のソファーに座った。
        
新しいメガネに変えたことを、彼女はちゃんとチェックしており、
 「実はワタシも・・・ 」 と、カバンの中からメガネを取り出し、かけて見せてくれた。
加藤あい に似ている彼女が、メガネをかけた姿を初めて見たが、雰囲気変わっていい感じ。

 ブラッド・ピット、エルトン・ジョン、マライア・キャリー、シャーリーズ・セロンらが使用し、ロサンゼルスを中心に盛り上がっている人気ブランド Oliver Peoples(オリバー・ピープルズ)をはじめ、キラー・ループ、アラン・ミクリといったブランドが人気上昇中だ。
        
        ▲店長のデスクと愛用の某ブランド└□-□┘メガネ
 二次元的な眼でしか見られないファッションを、内面的にもスタイリッシュに表現 した “個性を追求するデザイン” を身に着けて、
『おっ、俺(ワタシ)って、まぁまぁイケてるんじゃない♪』
と、まず心の変身にチャレンジしてください!  日常の何かが、変わって見えますよ♪

ハリクラフターズ ( Hallicrafters ) S-38 受信機 (1)

2008-07-25 | アメリカ製真空管ラジオ

アメリカの高級通信機メーカHallicrafters社から第二次世界大戦終戦の翌年1946年に発売されたS-38は、高名なデザイナーRaymond Loewyがデザインしたと言われる普及型の中・短波受信機である。このたび自分へのご褒美に、この憧れの名機を入手した。
 今回ヤフオクで入手した S-38は、20世紀を代表するデザイナーと言われ、「アメリカを形作った男」の異名を持つレイモンド・ローウィ(Raymond Loewy)がオリジナルデザインを手がけ、1946年から15年間にわたって、製造・販売されたHallicrafters社の民生用受信機のプロトタイプモデルである。
        
        ▲自分へのボーナス♪ Hallicrafters社 S-38 初期型('46年製)
 レイモンド・ローウィは、1935年、シアーズ・ローバック社の依頼を受け、冷却装置がむき出しであった冷蔵庫を、「白いホウロウ引きされた鋼鉄製のケース」でカバーし、さらにボディと同一平面状を形成する扉をつけた。この結果、冷蔵庫の機能性を変化させずに、年間の販売量は20倍近くに跳ね上がり、デザインが販売に大きな影響を及ぼすことを実証した。
彼は著書『口紅から機関車まで』の題名でもわかるように日用品から機関車まで広範囲な工業製品を手がけ、そこで彼は工業製品の機能と美的感覚の一致を提唱し、優れたデザインが商品の販売促進に大いに貢献することを実践し、ペンシルヴァニア鉄道の電気機関車GG1や、自動車メーカー スチュードベーカー社のコマンダークーペなど傑出した多くの作品を生み出している。
        
 S-38の前身は、1940年にHallicrafters社が買収したEchophone社のブランドで発売していた極めて安価な民生用短波受信機 Echophone EC-1 に遡る。第二次大戦勃発と参戦に伴い、短波受信機や短波ラジオの生産は制限されたが、 Echophone EC-1 だけは例外的に終戦まで供給され続けた。
大戦終了後、Echophone EC-1A、BをベースにしたHallicraftersブランドの S-41G SkyRider Jr. をごく短い期間だけ発売したが、高級通信機メーカHallicrafters社は、その名に恥じない商品としてレイモンド・ローウィに外観の意匠設計を依頼する。
        
        ▲Echophone EC-1シリーズ('40年~)の最終モデル EC-1B('46年製)
 1946年、レイモンド・ローウィのデザインとHallicrafters社の再設計により S-38 は、中波で放送される通常のラジオ番組に加え、短波帯で放送される外国のニュースや音楽番組、さらにはアマチュア無線・船舶・航空無線のモールス信号も受信可能な、6球構成の初心者向けの民生用受信機として生まれ変わった。
        
        
        ▲1946年当時のHallicrafters社 S-38 と 上級機種 S-40 の雑誌広告
 その基本設計は、トランスレス5球スーパにBFO回路を加えた6球構成のシンプルな回路だったにもかかわらず、中波~32MHzを4バンドに分割・連続カバーし、短波帯のデリケートな選局微調整を容易にするスプレッド・ダイヤル機構、雑音を低減するANL(オートマチック・ノイズ・リミッター)やモールス信号を受信するピッチコントロール付BFO回路、送信機を組合わせて使用するためのスタンバイ機能をリメイクすることにより、通常のラジオでは聞けない世界中の電波をキャッチする手頃な価格の受信機として、爆発的な人気を集めた。
        
 戦後のメーカー製民生用受信機の原点といえるHallicrafters社の S-38 だが、翌'47年に発売された S-38A では、BFOとANL回路を構成していた12SQ7が取除かれ、中間周波数増幅管12SK7で兼用することになり、BFOピッチコントロールとANLを削除した5球構成へとスペックはダウンされた。
続く S-38B も回路スペックはほぼ同等だが、底板および裏蓋は厚紙になり、S-38C ではケースの塗装が黒からシルバーグレイのハンマートーン塗装に改められ、 中間周波数増幅とBFO兼用の真空管も12SK7から12SG7に変わり、コストダウンと生産効率の追求へと向かう。
        
 通常の製品は、後期の方が改良・改善されるものだが、本機の場合は、'46年に発売された最初の S-38 から徐々に機能の省略化が行われ退化していった点が興味深い。
いずれにしても '46年にリリースされた S-38 は、S-38A,B,C,D,E,F と数年ごとにモデルチェンジを重ねながら15年間にわたり生産され続けられる大ヒット商品となり、戦後日本のアマチュア用受信機にも大きな影響を与えた。
        
        ▲S-38の型番・バージョンの変遷と年代、外観の塗装仕上げの分類
 当時はまだ知的所有権の概念も希薄な時代であり、S-38のデザインをコピー(リスペクト? 笑)した受信機が、'53年頃に春日無線(後のトリオ、現ケンウッド)からは6R4S、三田無線からはDELICA CS-6として販売され、そのレプリカのケースまでが秋葉原や日本橋で売られていたそうです。その後、両メーカーはS-38をリスペクトしたモデルに改良・機能を加え、6R4Sは9R4、9R42J、CS-6はCS-7、DX-CS-7へと発展する。
        
        ▲春日無線(現ケンウッド) 6R4S(左)と三田無線 DELICA CS-6(右)

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