昭和三丁目の真空管ラジオ カフェ

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東京芝浦電気(マツダラジオ) かなりやF 5LC-74

2008-01-24 | 東芝 かなりやシリーズ
  某日、何気にYahooオークションを見ていると、黒いエッジの効いた直方体のプラスチック・キャビネット正面に走る金色のライン、右側には透明円盤状の周波数表示を兼ねた選局ダイヤル・・・「これ、かなりやFじゃん!」 思わず叫んでしまった。
 かなりやシリーズのコレクションを始め約2年、コレクターに人気の高い同シリーズ初期のモデルは相場が高く、入札価格も居酒屋1軒 or キャバクラ1セットを上限と自己規制してオークションに参加している。ところが2万円前後に落札価格が高騰したために何度も悔し涙を流した (T_T) かなりやFを自主規制予算内にて入手した。
        
 かなりやFは、直方体のボクシーなキャビネット側面を楔形に加工、ブラックボディーにゴールドのラインと装飾を施した透明円盤状の大型選局ダイヤルをレイアウトしたシンプルで精悍なフォルムが魅力的である。かなりや初期モデルに付く「マツダ」エンブレム、カナリヤをイメージしたシンボルが、小粋なアクセントだ。
        
 今回は、熱心なコレクターの方はすでにこの機種を所有されているのか、オークションのタイトル・説明文に「かなりや」の記述がなかったためなのか、熾烈な入札競争も無く、従来からの自主規制予算内で落札できた。気づくと中波専用機である かなりやA~Hの8機種中、かなりやB、Cの2機種以外はすべて手に入れたことになる。我ながら、もうこれは『病気』としか言いようがありません。
        
 シリーズの中で唯一トランス式の かなりやA以外の中波専用機 かなりやB~Eの真空管は、12BE6(周波数変換)・12BD6(中間周波数増幅)・12AV6(検波&低周波増幅)・35C5(電力増幅)・25M-K15(整流)を使われているが、今回ご紹介する かなりやFでは、シャーシも従来のボックス・スタイルから鉄板を垂直に立てたスタイルに変更。また整流管を25MK15から35W4に変更したが、出力管は従来の35C5のままであった。

メーカー:東京芝浦電気(マツダ)『かなりやF 5LC-74』

 サイズ : 高さ(約16.5cm)×幅(約30cm)×奥行き(約12cm)

 受信周波数 : 中波 530KC~1605KC

 使用真空管 :12BE6(周波数変換)、12BD6(中間周波数増幅)、12AV6(検波&低周波増幅)、35C5(電力増幅)、35W4(整流)

しかし12BE6-12BA6-12AV6-35C5-35W4の真空管構成だとヒーター電圧の合計は108V近くになるため、日本の100V電源規格では都合が悪かったのだろうか、翌年発売された かなりやHからは出力管を電力増幅用5極管30A5に変更し、以後のトランスレス真空管ラジオでは 12BE6-12BA6-12AV6-30A5-35W4の構成が標準的なスタイルとして確立した。
        
 宅配便で届いた かなりやFの一体形成型プラスチック製キャビネットは、ブラック・ボディのため分りにくいが、50年の間に付着した汚れがあるものの、パーツ類の欠品は無く、程度はかなりよい。裏蓋には当時流行したパッシブ・タイプの短波受信用コンバーター(エヂソン無線研究所製)が取り付けられている。短波受信用コンバーターも今となっては、大変な貴重品である。
        
 裏蓋を取外すと、清掃された様子はなく、キャビネット底部や真空管には数十年分の埃が堆積している。
        
 イヤホンジャック、パイロットランプ、スピーカー、板状のシャーシを順次取外し、目視点検したところ修理された痕跡はなく、真空管はマツダ製のオリジナルだ。(初期の かなりやシリーズは、イヤホンジャックまで、ドライバー1本で簡単に分解できる)またシャーシの錆び、バリコンの汚れも少なく、電気部品や配線の状態も至って程度はよい。

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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
カナリア動物園 (かめ)
2008-01-24 11:54:21
店長様
また、新種を捕獲しましたね!そろそろ、カナリヤ鳥類動物園が開園できるのではないですか?
今日は仕事が終わってから、友達と模型屋へオートジャイロの部品を買いに行くことにしています。今までは、ニッカド電池でしたが、最近はリチュウム・ポリマー電池に変わっており、浦島太郎状態です。リチュウム・ポリマー電池と専用充電器、ブラシレス・モーターとそのコントローラーなど少し投資が必要になりました。ブラシレス・モーターも、最近ではずいぶん安くなり性能も良くなりました。以前は、モータに整流子があったので、慣らし運転だとか、ブラシの交換などが必要でしたが、ブラシレスはベアリングを除けばメンテナンスフリーです。 ではまた
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