アウトランダーと過ごす休日は、彼女と行きつけの、海を望むカフェから始まる。
青空と潮風が心地よいテラスでコーヒーの香りを楽しみ、視線の先にたたずむアウトランダーを眺めると、“シンプルだけど飽きのこない”というありふれた言葉を思い出す。
アウトランダーを真横から見たときの躍動感溢れるフォルム、ボンネットからルーフにかけて流れる魅惑的なラインと肉感的な表情・・・ シンプルな面構成のエクステリアに、余計なキャラクターラインや特別な造形はない。メタリックシルバーのボディからは、削り出した金属のような “やさしい緊張感” が漂う。
全長4640×全幅1800×全高1680mmのボディサイズは、エクストレイルやフォレスターより一回り大きく、アメリカ市場を強く意識して企画されたレクサスRX/ハリアーやムラーノよりも少しコンパクト・・・日本ではちょうどいいサイズだ。
2005年、新しいプラットフォームに新しいエンジンを搭載し、29ヶ月ぶりに正真正銘のニューモデルとして発売されてから4年が経過したが、今なお古めかしさを感じさせないつくりである。
'09年秋のマイナーチェンジにより、225/55R18タイヤを履くホイールも従来のSUVらしい力強く太めのスポークから、オンロードを意識した7本スポークに変わり、洗練されたイメージへと進化した。
そのエクステリアは一見、「素直でプレーンなスタイル」としか感じないかもしれない。
しかし街中で見かけるアウトランダーのフォルムは、SUVに求められる“野性味”とライトクロカンが持つべき“都会的な洗練”のエッセンスを理想的なバランスで醸し出している。クロムメッキパーツの使用を最小限に抑えている点も好感を持てるが、ユーザーの嗜好で意見は分かれるところだろう。
無駄なプレスラインやガーニッシュを排し、ブラックアウトされたリアグラスとLEDをアクセントにした単一面のリアゲート周りが、引き締まった表情を見せる。
アウトランダーの丁寧に磨かれたフォルムは、“骨太”と“洗練”が同居した、末長く付き合えるパートナーのたたずまいだと言えよう。
一方、インテリアはスポーティなブラックとラグジュアリーなベージュの2種類のベースカラーから選べる。
今回選んだベージュを基調としたシート、ブラックとシルバーに抑えられたインテリアは、スポーティな大人の雰囲気を演出している。アウトランダーのデザイナーは、造形に余計な色や飾りを用いず、機能に裏打ちされた “機能”と“居心地”をたくみに融合させている。
アウトランダーは5人乗りとほぼ同程度の価格で7人乗りを選ぶこともできる。とはいえ3列目シートのスペースはミニマムで、エマージェンシー用簡易シートとなり、いざとなったときしか使わないほうが無難。7人乗りを選んでも基本的には5人乗りと考えたほうがいい。
ニ分割のリアゲート、巧妙に隠されたサードシート、広い荷室といった積載性の高さも、このクルマのよくできている点だ。SUVとしての使い勝手はとてもいい。
このところ、押し出しや派手さを売りにしてきた都会志向のオンロードSUVが各社から発売されている。
しかし三菱アウトランダーを使っていると、じっくり向かい合って対話をしたくなるような、そんな『本物の魅力』のあるクルマ作りを求められる時代が来ているのかも知れない。
「私が運転しよっか?」
エスプレッソ コーヒーと潮風のコロンを満喫した彼女は、シートに座り、イグニッションキーを回す。
2.4リッター エンジンの静かな鼓動とともに、車内にNara Leão の歌うクリアで臨場感あふれる軽快なボサノバが流れ始めた。
AVナビのボリュームを上げると、連続可変バルブタイミング機構 (MIVEC)を採用したエンジン音を包み込むように、ボーカルの息遣いや楽器の操作音までがリアルに再現される。
この数年、カーオーディオのヘッドユニットはカーナビとデジタル音源を融合したAVナビが主流になりつつある。アウトランダー純正オプションの米国ロックフォードフォズゲート社(三菱電機ライセンス生産)のプレミアムサウンドシステムは評判も上々だ。
しかし標準装備の純正システムではカーナビが対応していないため、別途購入し、ダッシュボードの上へ取り付けることになってしまう。
そこで今回はMcIntoshカーオーディオのOEMを手がける国産メーカーの2DIN・HDD(ハードディスク)タイプのAVナビと、ロックフォードフォズゲートのスピーカーを組合わせ、ネットワークを構築。スピーカー周りの不要な振動を抑え、低音と中高音域をクリアに分離した音質が確保されるよう、クルマ全体でのサウンドづくりを行なってみた。
HDD搭載により機能は格段にスペックアップし、DVDビデオ再生、CDをMP3に変換するHDDミュージックボックス、iPod接続、地デジTV受信などのマルチメディア機能も充実している。
特にCDを聴きながらハードディスクへ最大4,000曲、アルバム数 最大500枚という膨大な楽曲をスピーディに自動収録するHDDミュージックボックスは非常に重宝する。
だが機能が向上した反面、CDドライブ/AM・FMチューナーとパワーアンプのみのシンプルな構造だった昔に比べて、音がよくなったとは考えにくいのが現実だろう。
ご機嫌な彼女は、持参した音楽CDファイリングケースをフェラガモのバックから取り出し、お気に入りのレーベルをヘッドユニットへ挿し込む。
今回はLarry Cartonの奏でる癒し系フュージョン・・・軽快なギターの音色が、車内にやさしく広がる。
アルバム『Discovery』は全編アコギの演奏なのだが、ギターソロだけではなくベースのうねるようなフレーズが心地よく身体に響く。
ステアリングに手を添えたまま、6速CVTマニュアル用のマグネシウム製パドルシフトを指先で操作しながら、彼女は独り言をつぶやくように尋ねる。
「アウトランダーって“未知の土地へ向かう冒険者”って意味でしょ?
このアルバム聴きながら運転すると、今日の発見は何かな・・・って、ワクワクするよね♪」
新開発の2.4リッター直4エンジンと最新型CVTと組み合わされたことで、胸のすく走りを見せる。特に低中回転のトルク感は印象的で、3000回転も回せば実用上はこと足りる。一世代前のCVTにあった滑り感や、回転を上げてから加速を待つ感覚は無い。
ロックフォードフォズゲートと国産メーカーのコラボから奏でる響きは、運転する喜びと、上質なサウンドに身をゆだねる快感で全身を包み込んでくれる。
北米トップオーディオブランドの進化型サウンドと、自分たちだけの移動空間を操る愉しみを手に入れた休日が動き始める。
※この文章には、一部フィクションが折り込まれています(笑)
青空と潮風が心地よいテラスでコーヒーの香りを楽しみ、視線の先にたたずむアウトランダーを眺めると、“シンプルだけど飽きのこない”というありふれた言葉を思い出す。
アウトランダーを真横から見たときの躍動感溢れるフォルム、ボンネットからルーフにかけて流れる魅惑的なラインと肉感的な表情・・・ シンプルな面構成のエクステリアに、余計なキャラクターラインや特別な造形はない。メタリックシルバーのボディからは、削り出した金属のような “やさしい緊張感” が漂う。
全長4640×全幅1800×全高1680mmのボディサイズは、エクストレイルやフォレスターより一回り大きく、アメリカ市場を強く意識して企画されたレクサスRX/ハリアーやムラーノよりも少しコンパクト・・・日本ではちょうどいいサイズだ。
2005年、新しいプラットフォームに新しいエンジンを搭載し、29ヶ月ぶりに正真正銘のニューモデルとして発売されてから4年が経過したが、今なお古めかしさを感じさせないつくりである。
'09年秋のマイナーチェンジにより、225/55R18タイヤを履くホイールも従来のSUVらしい力強く太めのスポークから、オンロードを意識した7本スポークに変わり、洗練されたイメージへと進化した。
そのエクステリアは一見、「素直でプレーンなスタイル」としか感じないかもしれない。
しかし街中で見かけるアウトランダーのフォルムは、SUVに求められる“野性味”とライトクロカンが持つべき“都会的な洗練”のエッセンスを理想的なバランスで醸し出している。クロムメッキパーツの使用を最小限に抑えている点も好感を持てるが、ユーザーの嗜好で意見は分かれるところだろう。
無駄なプレスラインやガーニッシュを排し、ブラックアウトされたリアグラスとLEDをアクセントにした単一面のリアゲート周りが、引き締まった表情を見せる。
アウトランダーの丁寧に磨かれたフォルムは、“骨太”と“洗練”が同居した、末長く付き合えるパートナーのたたずまいだと言えよう。
一方、インテリアはスポーティなブラックとラグジュアリーなベージュの2種類のベースカラーから選べる。
今回選んだベージュを基調としたシート、ブラックとシルバーに抑えられたインテリアは、スポーティな大人の雰囲気を演出している。アウトランダーのデザイナーは、造形に余計な色や飾りを用いず、機能に裏打ちされた “機能”と“居心地”をたくみに融合させている。
アウトランダーは5人乗りとほぼ同程度の価格で7人乗りを選ぶこともできる。とはいえ3列目シートのスペースはミニマムで、エマージェンシー用簡易シートとなり、いざとなったときしか使わないほうが無難。7人乗りを選んでも基本的には5人乗りと考えたほうがいい。
ニ分割のリアゲート、巧妙に隠されたサードシート、広い荷室といった積載性の高さも、このクルマのよくできている点だ。SUVとしての使い勝手はとてもいい。
このところ、押し出しや派手さを売りにしてきた都会志向のオンロードSUVが各社から発売されている。
しかし三菱アウトランダーを使っていると、じっくり向かい合って対話をしたくなるような、そんな『本物の魅力』のあるクルマ作りを求められる時代が来ているのかも知れない。
「私が運転しよっか?」
エスプレッソ コーヒーと潮風のコロンを満喫した彼女は、シートに座り、イグニッションキーを回す。
2.4リッター エンジンの静かな鼓動とともに、車内にNara Leão の歌うクリアで臨場感あふれる軽快なボサノバが流れ始めた。
AVナビのボリュームを上げると、連続可変バルブタイミング機構 (MIVEC)を採用したエンジン音を包み込むように、ボーカルの息遣いや楽器の操作音までがリアルに再現される。
この数年、カーオーディオのヘッドユニットはカーナビとデジタル音源を融合したAVナビが主流になりつつある。アウトランダー純正オプションの米国ロックフォードフォズゲート社(三菱電機ライセンス生産)のプレミアムサウンドシステムは評判も上々だ。
しかし標準装備の純正システムではカーナビが対応していないため、別途購入し、ダッシュボードの上へ取り付けることになってしまう。
そこで今回はMcIntoshカーオーディオのOEMを手がける国産メーカーの2DIN・HDD(ハードディスク)タイプのAVナビと、ロックフォードフォズゲートのスピーカーを組合わせ、ネットワークを構築。スピーカー周りの不要な振動を抑え、低音と中高音域をクリアに分離した音質が確保されるよう、クルマ全体でのサウンドづくりを行なってみた。
HDD搭載により機能は格段にスペックアップし、DVDビデオ再生、CDをMP3に変換するHDDミュージックボックス、iPod接続、地デジTV受信などのマルチメディア機能も充実している。
特にCDを聴きながらハードディスクへ最大4,000曲、アルバム数 最大500枚という膨大な楽曲をスピーディに自動収録するHDDミュージックボックスは非常に重宝する。
だが機能が向上した反面、CDドライブ/AM・FMチューナーとパワーアンプのみのシンプルな構造だった昔に比べて、音がよくなったとは考えにくいのが現実だろう。
ご機嫌な彼女は、持参した音楽CDファイリングケースをフェラガモのバックから取り出し、お気に入りのレーベルをヘッドユニットへ挿し込む。
今回はLarry Cartonの奏でる癒し系フュージョン・・・軽快なギターの音色が、車内にやさしく広がる。
アルバム『Discovery』は全編アコギの演奏なのだが、ギターソロだけではなくベースのうねるようなフレーズが心地よく身体に響く。
ステアリングに手を添えたまま、6速CVTマニュアル用のマグネシウム製パドルシフトを指先で操作しながら、彼女は独り言をつぶやくように尋ねる。
「アウトランダーって“未知の土地へ向かう冒険者”って意味でしょ?
このアルバム聴きながら運転すると、今日の発見は何かな・・・って、ワクワクするよね♪」
新開発の2.4リッター直4エンジンと最新型CVTと組み合わされたことで、胸のすく走りを見せる。特に低中回転のトルク感は印象的で、3000回転も回せば実用上はこと足りる。一世代前のCVTにあった滑り感や、回転を上げてから加速を待つ感覚は無い。
ロックフォードフォズゲートと国産メーカーのコラボから奏でる響きは、運転する喜びと、上質なサウンドに身をゆだねる快感で全身を包み込んでくれる。
北米トップオーディオブランドの進化型サウンドと、自分たちだけの移動空間を操る愉しみを手に入れた休日が動き始める。
※この文章には、一部フィクションが折り込まれています(笑)