今回は、先輩&友人である“音響の匠”氏が入手されたZENITH社製mt管ラジオ、ZENITH RADIO MODEL A513-R と氏ご自身の手による修復工程を突撃レポートします。
商業放送とともに発達したアメリカ製ラジオは、'40~’50年代にかけて有名なインダストリアルデザイナーを迎え、ミッドセンチュリーを代表する多くの斬新な優れたデザインの真空管ラジオを発表した。オークションに出品されるZENITH(ゼニス)、CROSLEY(クロスレイ)、PHILCO(フィリコ)、STRONBERG-CARLSON(ストロンバーグカールソン)などのアメリカ製ラジオは、日本製ラジオにはない魅力的な造形美を持つ反面、日本国内には流通していないGT管やメタル管が使用されていることも多く、 修復・レストアするには難易度が高い。
このA513-R、オークションでは代行業者を通じて出品されていた方からは次のようなコメントが掲載されていた。
☆☆レトロ感抜群!! 50's ロカビリービンテージ !! 【ゼニス(ZENITH)ラジオ】(USA)☆☆
・ラジオ動作確認済み、ちゃんと聞こえます♪
・天板の一部に5cm程のヒビがあり、補修が見られます。
・コードの付け根部分に接着剤のようなものが付着していますが、問題ありません。
・サイズ:約260mm×145mm×180mm。 重さ:約1,970g シリアルナンバー付き。
☆お部屋に飾られても良し♪ レア品のため、コレクションにも最適ですね~☆。
ベークライト製のキャビネット(約260mm×145mm×180mm)中央に位置する金メッキモールで装飾された大型スピーカーグリルと、その中央に輝くZENITHのエンブレムがお洒落です。詳細な状況説明にも好感が持てます。
そして・・・・
『ラジオ動作確認済み、ちゃんと聞こえます♪』
のコメント・・・ ちゃんと聞こえるんだ~♪
確かにこのラジオ、50's ロカビリーを聞くには、いい雰囲気のデザインです。
メーカー:ZENITH RADIO Co. (Chicago) Model A513-R
サイズ : 高さ(約18cm)×幅(約26cm)×奥行き(約14.5cm)
受信周波数 : 中波 530KC~1650KC
使用真空管 :12BE6(周波数変換)、12BD6(中間周波数増幅)、12AT6(検波&低周波増幅)、50C5(電力増幅)、35W4(整流)
電 源 : AC 115V/60Hz
【“音響の匠”氏のA513修復レポート】
落札後、届いた段ボールを開梱し、まず外観からチェックを開始しました。キャビネットは綺麗に磨いてあり、アンティークの飾り物にはいいかもしれない。大きな傷、エンブレムや装飾部品等の欠損は見られません。
ただ何となく嫌な予感がします(・・・経験上、嫌な予感は何故か当たってしまうのです)。
裏蓋の電源コードの接続部を接着剤で固めてあります。交換するにも一体形成電源コードの根元部分のため困りました・・・。とりあえず結束バンドで負荷のかからない状態に処置しておきます。
アメリカ製ラジオは裏蓋を外すと電源コードが抜けるUL規格準拠の安全構造となっており、バーアンテナの代わりにループアンテナを貼り付けたタイプが多いようです。
裏蓋を外して見ると中も掃除をしてあり綺麗ですが、真空管がゼニス製は1本しかなく、他の真空管もバラバラ・・・平滑コンデンサーも改造されている。電源を入れると悪い予感は的中、数百メ-トルしか離れていないkWの放送局がボリューム最大にして、かろうじて聞こえるだけです。これだと100円ショップのラジオの方が断然いい (;´д` )トホホ
まずは昔の修理方法?(笑) キャビネットを叩いてショックを与えてみると音が出なくなり、チューニングダイヤルを回すとまた復活・・・
ツマミ、シャシーの留めネジを外し、基板を取り出して絶句!!
今までオークションに出品されたラジオを何台か見ましたが、こんなに酷いラジオはありませんでした。自然故障だと此処まではならないのでは?!
ベーク板のプリントパターンは何箇所も剥離、出力管付近は焼損の為か真っ黒!
真空管ソケットも同様に真っ黒!!
調整用のビス等は全て回してあるし、先が思いやられそうです。
基板上のコンデンサーも4個程交換されているので、オリジナルの配線図が見たかったのですが、インターネット検索では見つかりません。そんなに変わった回路ではないので、本体基板のパターを辿れば、何とかなるでしょう・・・。
いったん基板を取外し、スピーカ、電源等接続してみました。
ほんの少し振動を与えたり、基板を曲げると音が出なくなります。どこかの半田不良かと思い、よく点検すると、いたる所でパターンの剥離やクラックが発生しています。また半田付けも怪しいところだらけです。
外国製ラジオは真空管を代用するのか、フューズが付いていません。修理箇所が複合しているようなので、修理に掛かる前に、ショート等の危険回避の為、直ぐに溶断するよう0.5Aの簡易フューズを100Vラインのパターンに追加しておきます。
50年以上も経過しているためか、ベークライトの基板は部品の重みで持っただけで変形する代物です。
電源のON/OFFを繰り返してみると突然スピーカーからハム音が発生したため、急いで電源を切り、しばらくして再度をONにすると今度は正常に戻ります。テスターで出力管の電圧を点検するとB電圧が通常の半分位しかありません。
基板を裏にしていたので真空管は見えなかったのですが、50C5と12AV6のヒーターは、ほんの少ししか点灯していません。その代わりに35W4が異様に明るく点灯するので、国産の35W4に交換して電源入れてみました。最初はすべての真空管のヒーターが同じ明るさで点灯しますが、途中から35W4のみが異様に明るくなり、パチッと音がして35W4はあえなく昇天。
(´Д`)トホホ
オリジナルの整流管に差し替えて、基板を点検していくうちに50C5のヒーターパターンの3番ピンと7番ピンのB電源パターンに、髪の毛より細い線材が、基板の曲がり具合で微妙にタッチしています。これが真空管破損またハム音の原因でした。
振動で鳴ったり鳴らなかったりの症状は、基板を触っても、ケースに仮収納しても改善されません。 ん~ どうしたんだろう・・・
基板ばかりに気を取られていましたが、なんと原因は出力トランスの二次側の接触不良と分かりました。
内部から銅線が出ているタイプなので交換しかないようです。
たまたま手持ちのジャンクが無いため、“なんちゃって修理人”の店長さん(笑)に 東芝かなりやのジャンクから外した出力トランスを頂き、交換することにしました。
ベーク板なので穴を開けネジ止めすれば、簡単に済むとタカをくくっていましたが、穴の位置には電源ラインが走っているため断念。
それならば、取付部の金具を切ってオリジナルと同じ形に細工をして、取付けと配線行って完了。
『我ながら、してやったり!』と思いきや、一難去ってまたもや.........災難が(T_T)
なんと交換前にオリジナルの物と高さ等は同じだったことを確認して交換したつもりですが、ケースに入れようと思っても入りません。
よく見るとトランスの上部に配線タップがある為、これがスピーカーのマグネット部に当たり入りません。高電圧がかかっているので、無理は禁物です。
さてさて弱りました・・・そこはアマチュア精神を発揮。
立てて入らないのなら、写真のように横にすればと接着剤とタイルアップで無理やり取り付けました。これでバッチリ!?
ひとまず、低周波回路と電源回路の修復は終了し、次は高周波、中間周波回路の調整修理にとりかかります。
調整用のネジ等を回した形跡があり、調整ネジはこれ以上回したら外れる位の位置まで緩めてあります。
シグナルジェネレータ等の測定器を用いてIFT(中間周波数トランス)の455kHzの調整を行いました。また1500kHzより上の周波数は入感しなかったので、トラッキング調整も必要です。
発売当時?のスペックまで調整値を追っかけて、昼間でも県外の放送局まで受信できるようになりました。夜間は東京、大阪など大都市圏の放送が協力に入感します。基盤をキャビネットに入れて、これでやっとOLDIESが流れて来るのを待つだけです♪ と言いたいところだが、これで万事OKと言う訳にはいきませんでした。(T_T)
修理完了したラジオをいい気持ちで聴いていると、長時間経過するうちに突然感度が落ちます。
この症状はほんの一瞬なので、聴くのには問題はないのですが、今迄散々手こずったラジオなので・・・・最後まで付き合うことにします。
またもや、ケースから取り出し考えられそうな場所を点検しましたが、この患者・ゼニス君は、医者の前では症状を再発しません。
「鳴くまで待とう」の心境、もうこうなったら辛抱比べです!いくら好きなヴィンテージラジオでも非常に疲れます。不燃物の日に出せば気は楽になるのですが・・・(苦笑)
2~3日後にやっと症状が再現され、中間周波トランスが原因だと判明しました。デジタルテスターをトランスの2次側に当てていると、ほんの一瞬ですが電圧が数ボルト落ちて直ぐに復帰します。コイルの半田付け不良でしたので、半田手直しを即実行。分かれば簡単なのですが、これには疲労困憊でした。
後は、基板の半田屑フラッグを丁寧に全て取り除きプリントパターンを半田補修。
悪くなっているパターンを直接線材で結び内部はすべて完了です♪
裏蓋の100V電源コードに負荷がかかりショートしないよう、結束バンドで細工を施し、レストアはやっと終了です。 気分爽快♪ V(^-°)
このラジオは現在、駄々をこねずに快調に働いています。
最後に、技術屋さんやラジオ愛好家からみた『鳴ります』と、そうでない人からみた『鳴ります』では見解に大きな差があるように思えてなりません。技術屋さんや愛好家の言うところの『動作品』 『鳴ります』とは当然発売当時に近いスペックに達しているとみてしまいます。
誰とはいいませんが、『鳴ります』とのコメントを信じ落札したラジオからハム音しか出なくて、出品者にその旨を伝えたところ、「ちゃんと鳴ってます!ハム音が出ているでしょう!!」と返答された話には驚きました。(今では笑い話ですが・・・ね、店長さん!)
以上、音響の匠氏のゼニスA513修復レポートでした。
実際に修復されたゼニスA513を見せていただきました。
大型楕円スピーカーから大音量で流れるコニー・フランシスの躍動感ある歌声を期待していたのですが、スピーカー自体の効率が低下してしまっており、『割れるような大音量』になりません。テスト用の10cm径スピーカーでは、十二分な音量を得られるのですが・・・しかし、まぁ普通にラジオ番組を聴くのには十分な音量&音質です。伸びやかな音を聴いていると、国産真空管ラジオとは一味違う「何か」を感じさせてくれます。
大音量で'50s アメリカン・ポップスを聴くより、日曜日の22:00からAFN(American Forces Network-米軍放送)810kHzにダイヤルをあわせ、『Oldies Radio』をゆったりした気持ちで聴きたくなってくる雰囲気のラジオだ。
日曜の深夜、このラジオからシェリー・フェブレーの歌う「ジョニー・エンジェル」が流れてくると、切なくなって誰かの声を聞きたくて電話をかけてしまう・・・
そんなシーンを思い浮かべてしまう『男のロマン』を感じさせるラジオである。
商業放送とともに発達したアメリカ製ラジオは、'40~’50年代にかけて有名なインダストリアルデザイナーを迎え、ミッドセンチュリーを代表する多くの斬新な優れたデザインの真空管ラジオを発表した。オークションに出品されるZENITH(ゼニス)、CROSLEY(クロスレイ)、PHILCO(フィリコ)、STRONBERG-CARLSON(ストロンバーグカールソン)などのアメリカ製ラジオは、日本製ラジオにはない魅力的な造形美を持つ反面、日本国内には流通していないGT管やメタル管が使用されていることも多く、 修復・レストアするには難易度が高い。
このA513-R、オークションでは代行業者を通じて出品されていた方からは次のようなコメントが掲載されていた。
☆☆レトロ感抜群!! 50's ロカビリービンテージ !! 【ゼニス(ZENITH)ラジオ】(USA)☆☆
・ラジオ動作確認済み、ちゃんと聞こえます♪
・天板の一部に5cm程のヒビがあり、補修が見られます。
・コードの付け根部分に接着剤のようなものが付着していますが、問題ありません。
・サイズ:約260mm×145mm×180mm。 重さ:約1,970g シリアルナンバー付き。
☆お部屋に飾られても良し♪ レア品のため、コレクションにも最適ですね~☆。
ベークライト製のキャビネット(約260mm×145mm×180mm)中央に位置する金メッキモールで装飾された大型スピーカーグリルと、その中央に輝くZENITHのエンブレムがお洒落です。詳細な状況説明にも好感が持てます。
そして・・・・
『ラジオ動作確認済み、ちゃんと聞こえます♪』
のコメント・・・ ちゃんと聞こえるんだ~♪
確かにこのラジオ、50's ロカビリーを聞くには、いい雰囲気のデザインです。
メーカー:ZENITH RADIO Co. (Chicago) Model A513-R
サイズ : 高さ(約18cm)×幅(約26cm)×奥行き(約14.5cm)
受信周波数 : 中波 530KC~1650KC
使用真空管 :12BE6(周波数変換)、12BD6(中間周波数増幅)、12AT6(検波&低周波増幅)、50C5(電力増幅)、35W4(整流)
電 源 : AC 115V/60Hz
【“音響の匠”氏のA513修復レポート】
落札後、届いた段ボールを開梱し、まず外観からチェックを開始しました。キャビネットは綺麗に磨いてあり、アンティークの飾り物にはいいかもしれない。大きな傷、エンブレムや装飾部品等の欠損は見られません。
ただ何となく嫌な予感がします(・・・経験上、嫌な予感は何故か当たってしまうのです)。
裏蓋の電源コードの接続部を接着剤で固めてあります。交換するにも一体形成電源コードの根元部分のため困りました・・・。とりあえず結束バンドで負荷のかからない状態に処置しておきます。
アメリカ製ラジオは裏蓋を外すと電源コードが抜けるUL規格準拠の安全構造となっており、バーアンテナの代わりにループアンテナを貼り付けたタイプが多いようです。
裏蓋を外して見ると中も掃除をしてあり綺麗ですが、真空管がゼニス製は1本しかなく、他の真空管もバラバラ・・・平滑コンデンサーも改造されている。電源を入れると悪い予感は的中、数百メ-トルしか離れていないkWの放送局がボリューム最大にして、かろうじて聞こえるだけです。これだと100円ショップのラジオの方が断然いい (;´д` )トホホ
まずは昔の修理方法?(笑) キャビネットを叩いてショックを与えてみると音が出なくなり、チューニングダイヤルを回すとまた復活・・・
ツマミ、シャシーの留めネジを外し、基板を取り出して絶句!!
今までオークションに出品されたラジオを何台か見ましたが、こんなに酷いラジオはありませんでした。自然故障だと此処まではならないのでは?!
ベーク板のプリントパターンは何箇所も剥離、出力管付近は焼損の為か真っ黒!
真空管ソケットも同様に真っ黒!!
調整用のビス等は全て回してあるし、先が思いやられそうです。
基板上のコンデンサーも4個程交換されているので、オリジナルの配線図が見たかったのですが、インターネット検索では見つかりません。そんなに変わった回路ではないので、本体基板のパターを辿れば、何とかなるでしょう・・・。
いったん基板を取外し、スピーカ、電源等接続してみました。
ほんの少し振動を与えたり、基板を曲げると音が出なくなります。どこかの半田不良かと思い、よく点検すると、いたる所でパターンの剥離やクラックが発生しています。また半田付けも怪しいところだらけです。
外国製ラジオは真空管を代用するのか、フューズが付いていません。修理箇所が複合しているようなので、修理に掛かる前に、ショート等の危険回避の為、直ぐに溶断するよう0.5Aの簡易フューズを100Vラインのパターンに追加しておきます。
50年以上も経過しているためか、ベークライトの基板は部品の重みで持っただけで変形する代物です。
電源のON/OFFを繰り返してみると突然スピーカーからハム音が発生したため、急いで電源を切り、しばらくして再度をONにすると今度は正常に戻ります。テスターで出力管の電圧を点検するとB電圧が通常の半分位しかありません。
基板を裏にしていたので真空管は見えなかったのですが、50C5と12AV6のヒーターは、ほんの少ししか点灯していません。その代わりに35W4が異様に明るく点灯するので、国産の35W4に交換して電源入れてみました。最初はすべての真空管のヒーターが同じ明るさで点灯しますが、途中から35W4のみが異様に明るくなり、パチッと音がして35W4はあえなく昇天。
(´Д`)トホホ
オリジナルの整流管に差し替えて、基板を点検していくうちに50C5のヒーターパターンの3番ピンと7番ピンのB電源パターンに、髪の毛より細い線材が、基板の曲がり具合で微妙にタッチしています。これが真空管破損またハム音の原因でした。
振動で鳴ったり鳴らなかったりの症状は、基板を触っても、ケースに仮収納しても改善されません。 ん~ どうしたんだろう・・・
基板ばかりに気を取られていましたが、なんと原因は出力トランスの二次側の接触不良と分かりました。
内部から銅線が出ているタイプなので交換しかないようです。
たまたま手持ちのジャンクが無いため、“なんちゃって修理人”の店長さん(笑)に 東芝かなりやのジャンクから外した出力トランスを頂き、交換することにしました。
ベーク板なので穴を開けネジ止めすれば、簡単に済むとタカをくくっていましたが、穴の位置には電源ラインが走っているため断念。
それならば、取付部の金具を切ってオリジナルと同じ形に細工をして、取付けと配線行って完了。
『我ながら、してやったり!』と思いきや、一難去ってまたもや.........災難が(T_T)
なんと交換前にオリジナルの物と高さ等は同じだったことを確認して交換したつもりですが、ケースに入れようと思っても入りません。
よく見るとトランスの上部に配線タップがある為、これがスピーカーのマグネット部に当たり入りません。高電圧がかかっているので、無理は禁物です。
さてさて弱りました・・・そこはアマチュア精神を発揮。
立てて入らないのなら、写真のように横にすればと接着剤とタイルアップで無理やり取り付けました。これでバッチリ!?
ひとまず、低周波回路と電源回路の修復は終了し、次は高周波、中間周波回路の調整修理にとりかかります。
調整用のネジ等を回した形跡があり、調整ネジはこれ以上回したら外れる位の位置まで緩めてあります。
シグナルジェネレータ等の測定器を用いてIFT(中間周波数トランス)の455kHzの調整を行いました。また1500kHzより上の周波数は入感しなかったので、トラッキング調整も必要です。
発売当時?のスペックまで調整値を追っかけて、昼間でも県外の放送局まで受信できるようになりました。夜間は東京、大阪など大都市圏の放送が協力に入感します。基盤をキャビネットに入れて、これでやっとOLDIESが流れて来るのを待つだけです♪ と言いたいところだが、これで万事OKと言う訳にはいきませんでした。(T_T)
修理完了したラジオをいい気持ちで聴いていると、長時間経過するうちに突然感度が落ちます。
この症状はほんの一瞬なので、聴くのには問題はないのですが、今迄散々手こずったラジオなので・・・・最後まで付き合うことにします。
またもや、ケースから取り出し考えられそうな場所を点検しましたが、この患者・ゼニス君は、医者の前では症状を再発しません。
「鳴くまで待とう」の心境、もうこうなったら辛抱比べです!いくら好きなヴィンテージラジオでも非常に疲れます。不燃物の日に出せば気は楽になるのですが・・・(苦笑)
2~3日後にやっと症状が再現され、中間周波トランスが原因だと判明しました。デジタルテスターをトランスの2次側に当てていると、ほんの一瞬ですが電圧が数ボルト落ちて直ぐに復帰します。コイルの半田付け不良でしたので、半田手直しを即実行。分かれば簡単なのですが、これには疲労困憊でした。
後は、基板の半田屑フラッグを丁寧に全て取り除きプリントパターンを半田補修。
悪くなっているパターンを直接線材で結び内部はすべて完了です♪
裏蓋の100V電源コードに負荷がかかりショートしないよう、結束バンドで細工を施し、レストアはやっと終了です。 気分爽快♪ V(^-°)
このラジオは現在、駄々をこねずに快調に働いています。
最後に、技術屋さんやラジオ愛好家からみた『鳴ります』と、そうでない人からみた『鳴ります』では見解に大きな差があるように思えてなりません。技術屋さんや愛好家の言うところの『動作品』 『鳴ります』とは当然発売当時に近いスペックに達しているとみてしまいます。
誰とはいいませんが、『鳴ります』とのコメントを信じ落札したラジオからハム音しか出なくて、出品者にその旨を伝えたところ、「ちゃんと鳴ってます!ハム音が出ているでしょう!!」と返答された話には驚きました。(今では笑い話ですが・・・ね、店長さん!)
以上、音響の匠氏のゼニスA513修復レポートでした。
実際に修復されたゼニスA513を見せていただきました。
大型楕円スピーカーから大音量で流れるコニー・フランシスの躍動感ある歌声を期待していたのですが、スピーカー自体の効率が低下してしまっており、『割れるような大音量』になりません。テスト用の10cm径スピーカーでは、十二分な音量を得られるのですが・・・しかし、まぁ普通にラジオ番組を聴くのには十分な音量&音質です。伸びやかな音を聴いていると、国産真空管ラジオとは一味違う「何か」を感じさせてくれます。
大音量で'50s アメリカン・ポップスを聴くより、日曜日の22:00からAFN(American Forces Network-米軍放送)810kHzにダイヤルをあわせ、『Oldies Radio』をゆったりした気持ちで聴きたくなってくる雰囲気のラジオだ。
日曜の深夜、このラジオからシェリー・フェブレーの歌う「ジョニー・エンジェル」が流れてくると、切なくなって誰かの声を聞きたくて電話をかけてしまう・・・
そんなシーンを思い浮かべてしまう『男のロマン』を感じさせるラジオである。
かめ様のSTRONBERG-CARLSONをはじめ、アメリカ製真空管ラジオってホント、カッコいいですよね!日本でも東芝かなりやシリーズが一時期、プリント基板を採用していましたが、真空管の熱によるプリントパターン剥離の故障が多発したのか、金属製シャーシに戻りました。
このオールディーズ・ラジオは音響の匠さんの手により、どう修復されるか、楽しみにしていてください。
しかしユウユウ君の行動録、読んでるだけでその新発見に和みますね。
豆乳ワッフル(店員yu-)様
真空管ラジオの音は、音響心理学でも「癒し効果」があるそうです。
>ビシバシ☆鍛えてあげてくださいね
今度は自分で真空管ラジオを修理してみる?俺がビシバシ☆鍛えてあげるから!・・・やっぱ逆ギレされるので止めときましょう。
yu-さまは店員さんでしたかね?
うちのユウユウは、昨日から夏休みになりました。でも週に一度ぐらいは、休み中の保育があるので行くようです。先週の土曜日には、幼稚園の夏祭りがあり、父さんは、カキ氷の担当をしました。
ユウユウはどんどん大きくなっています。6月からは公文へ算数を習いに行っています。ダンボールの箱で自動車を作ったり、先日はお菓子の空き箱(ピッカラの円筒形)の底に穴を空けて、フタを外した後にセロテープを貼り、のぞき穴から小さく切った色紙を入れ、セロテープに貼りついたら、「万華鏡が出来た」と言ってのぞいていました。廻しても変化は無いですが、言われてみると万華鏡のようです。
英語で1から12月と曜日も覚えました。数字のカウントダウンも出来ます。20から11までは考えながら言っていますが、10から0は早いです。なぜか?ゼロの後に「発射ー」が付きます。
店長がいつもお世話になり、ありがとうございます。
私もシャープの真空管ラジオのやさしい音色を聞きながら眠りにつきます。
このラジオで50's のロカビリーを聞くと、雰囲気でそうですね。店長をビシバシ☆鍛えてあげてくださいね★
>かめ様
ゆう君は夏休みですか?
アメリカのラジオはかっこいいですよねー★
久しぶりのカキコでした。by yu-
この時代のものは金属のシャーシで、出来ているのかと思ったら、プリント基板だったのですね。
トランジスターやICにプリント基盤は良いですが、真空管は熱が出るので、劣化してしまうのは仕方ないでしょう。今ならもっと耐熱性があるのでしょうが、当時のものはベークライトだから、劣化が激しいと炭化してしまうと思います。
外観のデザインは良いのに、ちょっと残念ですね!