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湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

※旧ブログの一部コラム・記事、全画像は移植していません。こちらのコンテンツとして残します。

チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」

2011年01月23日 | チャイコフスキー
○ミュンシュ指揮ボストン交響楽団(DA:CD-R)1961/9/29live

こってりしたフレージングで遅めに揺れるテンポ、バンスタもかくやというような異質な悲愴だが、盛り上がりどころでは聴かせてくれる。二楽章がかなり重厚な揺れ具合でやりすぎのようにも思う。確かめるようなテンポでありながらも力付くで盛り上げた三楽章後、やはり拍手が入ってしまうが構わずアタッカ気味で辛辣な四楽章へ。一楽章でもそうだったが結構演奏が荒くミスも散見される。個人的には余り惹かれなかったが好きな人は好きだろう、○。
Comments (4)
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チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」

2010年10月01日 | チャイコフスキー
○セル指揮クリーヴランド管弦楽団(FKM:CD-R)1969/8/16live

落ち着いたテンポで響かせる演奏でカタルシスは得られないが満足感はそこそこに得ることが出来る。とくに二楽章の最初などいちいちチューニングしたわりに遅すぎてワルツの動きが出ない、三楽章後拍手が鳴り止まなくなっても制することをしないため完全に曲が分断されている、など、得意曲ではあるのだろうがライブならではの臨機応変さに欠けている。一部ノイズがあるがおおむねエアチェックレベルのステレオで安定している。○。響や精度のわりに小粒。
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チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」

2010年05月24日 | チャイコフスキー
○マルケヴィッチ指揮ORTF(aulide:CD-R)1958/9/25

ターリッヒ張りの意志力にくわえ感情の起伏の大きなロマン性のバランスのとれた演奏。ロシア的なブラス表現と中欧的な弦の表現(RIASみたいな音)に、当時のORTFの底力も感じる。マルケヴィッチの演奏としては別に特徴的なものではないけれども、ムラヴィンスキーやコンドラシンに近いところにあるような演奏で、ムラヴィンスキーよりブカブカと緩いところがありコンドラシンよりウェットな変化をつけた表現が目立つ。なよっとした感傷は無いがトスカニーニよりも柔軟。4楽章はいささか尻切れの感じがしたが、意外と2楽章あたりも聴きやすかった。
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チャイコフスキー:幻想序曲「ロメオとジュリエット」

2010年03月05日 | チャイコフスキー
○ラインスドルフ指揮シルヴァーストーン交響楽団(Silvertone Record Club/Mercury)1940~50年代・LP

マーキュリーではエネスコのドビュッシー他とカップリングされていたもの。WEB上でも流通している模様。メンデルスゾーンとモーツァルトが併録。そこそこ時代なりの感情的な演奏表現がみられるものの解釈的にはトスカニーニを更に直線化したような演奏。軽いオケの音がからっと揚がったチャイコを提示するが、アメリカ的な軽やかさとリズムが売りか。僅かに奇妙な解釈がまざる他、スマートで聞きやすい演奏としか言い様がないが、各主題の強さに流されずまとまった楽曲として愉しむのが好きな向きにはいいだろう。私は聴き易かった。
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チャイコフスキー:弦楽四重奏曲第1番

2010年01月26日 | チャイコフスキー
○ハンガリー四重奏団(COLUMBIA)LP

M&Aセット収録のconcert hall society盤とはメンバー違いの別物で、同ライナーに1956年EMI録音の抜粋として記載されているもの(ヴィオラがコロムザイ)がこれと同一と思われる。とくに珍しいものではないがフランス盤なのでデータ記載がぶれたのだろう。演奏はしなやかでメリハリもある、求道的な謹厳さのあるもの。しかしそれにしてはファーストの音程が不安定だ。年齢のせいもあるのかもしれないが、強奏部で指が甘くうわずった音になる。この団体にしては珍しくファーストに問題のある演奏と感じられる。テンポも遅く生硬で、音を切りまくり整えて行く独特の方法が、じつは問題解決のための手段だったのかとすら思われる。しかしこんな不思議な音量変化、アーティキュレーション付けのなされたSQ1は他に聴けない独特さ。それだけに面白く、新鮮でもある。○。
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チャイコフスキー:交響曲第5番

2010年01月22日 | チャイコフスキー
○モントゥ指揮ボストン交響楽団(WHRA)1957/4/12live・CD

これがなかなかミュンシュ張りの求心力の強い演奏で一気呵成に聴かせる。ヨーロッパ風の音、という世評に納得の弦楽器のひびき、弾き方にちょっと感動すらおぼえる(ドイツ的だ)。終楽章マエストーソでポルタメントばりばりで高らかに歌い上げるヴァイオリンに、モントゥの「心理的ドライヴ」の巧さを改めてかんじる。このひとのチャイコは余り好きではないのだが、ライヴとスタジオの違いをしっかり認識させる好演。
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チャイコフスキー:弦楽四重奏曲第1番

2010年01月21日 | チャイコフスキー
○ヴィルトゥオーゾ四重奏団(HMV)1924/2/26,3/28,5/2,4/2・SP

史上初の全曲録音と思われる。戦前の室内楽における需給がどのあたりで最も幸福だったのか、既にラヴェルを超える前衛音楽が現れていた時代に、相変わらず国民楽派が受けていたことを推測させるに十分な、とてもこなれた演奏。きわめて古い音にもかかわらず、安定したテンポと快活なリズム感に裏付けられた表現はイギリスの団体らしい解釈の無難さも感じさせつつ、美しい音色とフレージングで旋律の魅力を引き出し、一方伴奏方の当意即妙の対応によりチャイコフスキーの天才的な書法を味わうことも十分できる。聴き所は1楽章のスピード感か、この時代にしては奇矯な民族音楽的表現に対し、ソロヴァイオリンと伴奏ということではなく、あくまでアンサンブルとして解れのない緊密さをもち最後まで突き通している。さすがにアンダンテ・カンタービレや終楽章は他にいい録音がたくさんあるから飛びぬけたものは感じないが、同曲けっこう難しくて一貫してスピーディさを保つのは難しいながらも、毛ほども崩壊することはなく、綿密な準備をもって録音されたことが伺える完成度の高さがある。とにかく古い時代のSPなので音はしょうがない、◎になどできないが、国民楽派が室内楽、カルテットに占める位置がいまだに高いのは、既にこの頃から築かれてきた伝統なのだな、と思わせる記録である。○。
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チャイコフスキー:イタリア奇想曲

2009年12月06日 | チャイコフスキー
○ラフリン指揮モスクワ・フィル交響楽団(vista vera)1958・CD

これはリムスキーの録音より20年近く下るにもかかわらず音量が不安定で弱く、演奏的にも印象が薄い。ソロで剥き出しになる管楽器、とくに木管の色が非常に艶めいて美しいのだが、楽器間の受け渡しに音色的断裂がはっきり聴き取れてしまうのはロシアらしいとはいえちょっといただけない。弦楽器がぱっとしないのはラフリンにはよくあることで、スヴェトラなどにも時折聴かれたところだが、これはロシアのセンスというか流儀なので(ムラヴィンなんかは全然違うけど)仕方ない。いずれ無印にしてもいいくらいだが、管楽器を評価して○。
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チャイコフスキー:弦楽四重奏曲第1番~Ⅲ.

2009年12月06日 | チャイコフスキー
○ロンドン四重奏団(COLUMBIA)SP

ロンドンQは巧い、ファースト一本でもソリスト級の説得力があり、かといってケレン味は少しも無い、テンポの揺れも音色の無駄な艶も無い表現で、他の団体とはやっぱり違うと思わせる。このチャイコらしい大げさな曲はそういう節度ある表現にはけして似合わないのだが、しかしこの団体ではそれができてしまっている。ライヴを聴きに行きたくなる演奏。もういないけど。○。
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チャイコフスキー:ユーモレスクop.10-2

2009年11月20日 | チャイコフスキー
○ラフマニノフ(P)(RCA)1923・CD

取り立ててチャイコフスキーらしさはなくロシア国民楽派が皆書いていたような無邪気な小品で、不思議な諧謔にあからさまな感傷性がつぎはぎされたところを、うまく描いた演奏。録音はよい。
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チャイコフスキー:ワルツop.40-8

2009年11月20日 | チャイコフスキー
○ラフマニノフ(P)(RCA)1923・CD

チャイコフスキーらしいというより、後期ロマン派そのもの、帝政ロシアをつかの間思い出したような曲で演奏も余り取り立てたものはない。もう少しショパン的なエッジを立たせてほしかったが録音が悪くて伝わらなかっただけか。
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チャイコフスキー:四季~11月「トロイカ」

2009年11月20日 | チャイコフスキー
○ラフマニノフ(P)(RCA)1923・CD

録音はノイズが酷く悪いが、演奏はドビュッシーと何が違うんだろうというくらい洗練され、細部まで行き届いた素晴らしい解釈表現で、臭さもなく微塵の不足もない完璧さ、やはり師チャイコフスキーの曲だけに、しかも望郷の念を感じさせざるを得ない有名な民謡旋律を孕む小品においては、じつに楽しげに、懐かしげに、演じ上げてみせている。
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チャイコフスキー:四季~Ⅵ.舟歌(ワイナー編曲)

2009年10月05日 | チャイコフスキー
レナー四重奏団(COLUMBIA)SP

さすがにこの音だと、ただ暗く地味なチャイコフスキー世界、という印象しか残らない。悪くは無いが、暗闇チャイコが好きな向きでないとどうにもやりきれない編曲に演奏だろう。ぱっとしない。
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チャイコフスキー:ピアノ三重奏曲「偉大な芸術家の思い出」~Ⅱ.抜粋

2009年09月28日 | チャイコフスキー
○ハンブルグ(P)ヘイワード(Vn)エヴァンス(Vc)(HMV)SP

同曲第二部前半の主題と変奏抜粋。SP両面1枚なのでかなりはしょられており、かんじんの終曲が無かったり、取り上げた変奏もカットが多々あるためこちらは不完全燃焼気味。しかし、これは恐らくピアノを前面に押し出した録音であり、実際緩急極端な唖然とする超絶技巧が強い民族性と共に発揮されており、とくに「急」の物凄いテンポや、おのおのの変奏の原曲を思わせる民族的な「揺らし」が、オールドスタイルのロマンティックな解釈としてではなく、厳しい「表現主義」にたった演奏のように聴こえる凄いものとなっている。悪い録音なのとピアノの伴奏的扱いゆえ弦二本はかなり聴こえづらいが、ヴァイオリンはよくつけており、ただチェロだけが時代柄仕方無いのかもしれないがメロメロになっている。テンションの高く、胡麻を撒くようなピアノの素晴らしい指回しだけでも聴く価値はある。○。
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チャイコフスキー:弦楽四重奏曲第1番~Ⅱ.

2009年09月28日 | チャイコフスキー
○レナー四重奏団(COLUMBIA)SP

最後まで落ち着いた表現で、ただファーストの音だけは纏綿として綴られていく「アンダンテ・カンタービレ」。実直とすら思えるテンポ運びは第二主題でも決して変化しない音色と共に、やや平板で時代なりのケレン味を期待したら裏切られるが、「トルストイも泣いた!」というような看板文句をこのさい取り外して、ゆっくり聴けば悪い録音の奥から、何かしら静かに訴えるものを感じ取ることができるだろう。○。
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