小林真 ブログ―カロンタンのいない部屋から since 2006

2006年開設の雑記ブログを2022年1月に市議当選でタイトル更新しました。カロンタンは40歳の時に飼い始めたねこです

"Any Time At All~Dream Tales"(07/27~08/09)

2009-08-10 23:27:36 | 週間日記
ゲリラの下のゆず F9・1/2秒、トリミング済み 08/07 17:03


 またも更新できず。2週間の週間日記です。

●7月
27日(月)昼はいろいろ、母屋の片付けも~夜は同級生Mト君と雷文へ。もやしチヂミ、噂のもつ煮丼も
28日(火)午過ぎに電話打合せ~塾は昼と晩の2本立て。晩の休みには中2にAKB48について学ぶ~ヤオコーでエイシェントクラン1080円→ベルクではキリンラガーとともに初めて見たイオン100円第3のビールも
29日(水)自宅映画、成瀬+川島『夜の流れ』(1960)は、共同監督というかたちで二人の特質がよく出ておもしろかった
30日(木)昼は新企画の打合せで仲町・伊勢屋ダンゴ店のラーメン、巻きをごちそうさまでした~ササイでフォアローゼス898円とキリンラガー、菊泉からくち~同級生Mト君宅で絵本担当Kさんとお好み焼きを食べながら『モダンタイムス』をみる会。『星の王子様』や吉本ばななについても話す
31日(金)塾は中1~同級生Mト君と雷文へ~帰って朝読み始めた小川洋子『物語の役割』読了
●8月
1日(土)競馬は小倉最終1万9390円的中~深谷シネマで『アラビアのロレンス』
2日(日)仕事してる馬券の鬼の関係の会で府中へ~大宮駅あじさい茶屋*でラーメン~久しぶりに現金で競馬。当たらず~総勢13名のやる気茶屋ほかで朝まで飲む

3日(月)朝帰り、午後は市の健康診断~帰り、気持ち悪いのでこんな時こそ山田冷やしたぬきと思って寄ると、うま辛カレーというのが目につき冷やしたぬきとのセット~細かい仕事こなしていると同級生Mト君から連絡あり、近所の後輩Sウ君とそのお連れがいる雷文に
4日(火)塾2本立て~中2では、休みにニュースで見た「国民的美少女コンテスト」出場者の年齢当て~翌日出かけるので原稿に追われる
5日(水)朝から出撃~Mト君、妻子と話題の港区フランス料理店へ~妻子は帰り、五反田で業界紙のMワさんに会う~丸の内へ。時間あったのでFカさんの勤務先を探したがお休みでした~深谷から日本橋へ引っ越したMダさん、その後合流の日本橋勤務のYコさんを加え最終まで飲む
6日(木)ずっと原稿
7日(金)朝から、健康診断の大腸がん検査用検便はしばらくぶりでテクノロジーの進歩にびっくり~衛生センターに提出~引落にならなかった携帯代金を払いに行くが、筆頭者の父親の委任状とやらは勝手に書くつもりだったが、身分証が必要と抜かすのでしかたなくいったん帰宅。なんで金払うのにそんなのが必要なんだ~ササイでフォアローズゼス1000円+ベル8年980円~晩は塾~弟が来る~Mト君に誘われ雷文に。この日もホテル関係のSキさんに会う
8日(土)BOS:NYY延長15回を途中から最後まで~競馬は当たらず~自宅でハワード・ホークス『コンドル』(1939)は予想通りにすごい。しかしやはり途中で寝て翌朝観了
9日(日)1週間遠ざかっていたのでラーメンを食べに、利根川を渡りラーメンDBで調べた大泉・札幌で手打ワンタンメン~競馬だめ~気を取り直してすべて畑出身メンバー;じゃがいも・ナス・ピーマン・白ナス、シソは直前に採ろうと企むもゲリラのため断念:の天ぷら作成。父親と1月の叔父の独唱コンサートの録画みる~酔っ払って早寝

【カウンター09】まとめて
ラーメン3/90 他外食2/28 外飲み6/55 アウェイ飲み1/ 読了書1/13 劇場映画1/29 自宅映画2/19 購入ウィスキー4/48 万馬券1/11

 二週間に思ったことをいくつか。

◆『アラビアのロレンス 完全版ニュープリント』
http://www.lawrenceofarabia.jp/
 深谷シネマでやっていたので劇場では高2、1980年以来だから29年ぶりにみる。
http://blog.goo.ne.jp/quarante_ans/e/d2a9a65d680a8dec929ac1dc620dcee3
 その間、録画もしているからみたことはあるが、後半はだるいのでみなかったろう。何しろ4時間近い大作。ビール持参を受付で宣言しての観賞だったが、この後半が思いのほかおもしろかった。
 わかったのは高2、1980年には、世界について何もわかっていなかったということ。本作最高のスペクタクルの一つであるアカバ進攻にしても、「アカバ」という地名だけはわかっていたが、どこにあってどういうところだかまったくわからないままみていた。これ知らないと何もわからんだろうというロレンスの時代のトルコについてさえ、おそらく現在は固形洗剤の名で呼ばれる入浴施設とか、アラン・パーカー『ミッドナイト・エクスプレス』はトルコ大使館の干渉でテレビ放送できないという噂とか、そういうことしか知らなかったのだ。
 それが馬齢を重ねた今では、「シナイ半島横断」「ダマスカス」などという地名もわかるし、トルコ軍将校の憂いも、途中から出てきて物語を加速させるアメリカ人従軍記者の英語が、ものすごくアメリカンイングリッシュだなどというものよくわかる。
 みながら思い出した。最初に商業用書籍に載った原稿はトルコにいるらしいねこのことを書いた旅行ガイドのコラムだった。ちょうど先週ほかの本を探していたら出てきた。
「幻のヴァン猫」(1993/01/01)
http://runjuku.yu-yake.com/simpleVC_20090810152722.html
 当時、インターネットは普及していない。仕事をもらった高校の同級生Iに、「おめえ、これ書いてくれよ」とトルコ観光局から来た英文資料を読んで大塚の事務所にあったOASISかなんかで一時間くらいで書いたと思うが、一読しておわかりのように、そして当時の商業書はそういう輩が多かったように、これはまだ『ねじまき鳥』発表前だった村上春樹の文体をまねている。そして今回「ヴァン猫 泳ぐ」を検索すると村上春樹『雨天炎天』が出てきた。そう、あの時Iが「村上春樹のトルコの紀行文に出てくんだよ」といったような気もするが、だとすれば村上文体をまねるような愚はおかさないはずだ。
 と、そんなことはどうでもいい。何も知らなかった十七歳でみた『ロレンス』以上に、多少の知識がついた四十五歳でみる『ロレンス』はおもしろかった。そして何といっても変わらないのは、砂漠の大活劇の美しさ。「インターミッション」の間にみたパンフレットでは、1980年には名前しか知らなかった村上龍が「映画史上もっとも贅沢で、かつ緻密な作品」と書いていたが、まったくその通りだ。
「運命は自分で切り開く」。
 ガシムを拾い上げて帰って来る、あの爆発的で、感動などという陳腐な言葉は使いたくないシーン。キャメラは大胆に引いてパンの構図を取り、迎えに近づいていったアラブ少年のラクダは勢い余ってロレンスとガシムを追い越していく。そして、三人と二頭のラクダを見つめる砂漠の静寂。
 これを贅沢、緻密といわずして何をそう形容するのか。

◆「戦争もの」(毎日夕刊8月3日)
http://mainichi.jp/select/opinion/yuraku/news/20090803k0000e070056000c.html(期間内)

・・・(全文コピー)
憂楽帳:戦争もの
「戦争ものはもういりません。読む人がいないので」。横浜市のある図書館で告げられた言葉に憤慨したお年寄りの女性(81)から電話をもらった。原爆で多くの犠牲者を出した広島県立広島第一高等女学校の同窓生が出した追悼文集「原爆・八月六日 平和への祈り」。同校卒業生のお年寄りが置いてもらおうと区立図書館を巡った時のことだという。

 前にいただいた文集のページを改めてめくった。64年前の8月6日。娘を家から送り出したことを悔やみ泣く母、がれきの街を娘の無事を祈り探し歩いた父の嘆き、生き残ったことに幸運よりも負い目を感じ生きた同級生たち。悲しみがいっぱいに詰まった文集に何度も涙があふれた。

 一昨年夏に出版した文集はすぐに増刷され、今年も1300部を増刷したという。「若い人たちに読んでほしいから」。お年寄りはこの夏も、各地の学校や図書館に配り続けている。

 門前払いした図書館の人にせめて手にとってページをめくってほしかった。心に響いたはずだ。
【早坂文宏】
・・・

 いつも思う、「愚か」さは「ふた」をしがちだ。でも、ある程度は「みないように」しなければ時間がいくらあっても足りない。「戦争もの」はもういい、と思う自分もいないわけではない。
 ならば何より、「択ぶ」力。「知らなくていいこと」と「知らなくてはいけないこと」。

◆ブイヨンクレール<ムッシュ・イイヅカ>
 闘うもやし業者同級生Mト君から、小3の長女に誕生日も近いしそろそろきちんとしたフランス料理を食べさせたい、うちのもやしを使ったスープの店だ、ちょっと高いが食べてみないか、スープも頼んでおく、と誘われたので、8月5日、港区にあるその店に行く。
「言葉にできないくらい美味しい」
 という小学3年の、夏の日の邂逅についての記述は親であるMト君が書いている。ここでは「透き通ったブイヨン、飯塚氏」と名づけられた100ccちょっとの奇蹟的な液体について書いておく。
 それは一見では、何のスープだかわからない。Mト君のブラックマッペを使っているという予備知識があって、初めてそれがもやしをつかったものだとわかる。
 においをかぐ。これも、初めて食べた野菜ソムリエの方が見学に行った飯塚商店のもやし育成場、「ムロ」のにおいがしたときいていたからわかってはいたが、目にはみえないその小豆の数々は小さな白いカップの中で、思いのほか強いにおいをたてている。そう、Mト君はいつも「味のない野菜」と呼ばれることにいらだっているが、白くてかさが多いだけの緑豆太もやしではこういうにおいは出ない。しかもこれは、手洗いでもやしにとって重要とMト君がいう長い根をそのままに運んで来られたものだ。
 仕事の結婚披露宴撮影ですばやく写真を撮ることには慣れてはいるが、この一杯だけは少し時間をかけて、光の向きを変えたり、表面を揺らしたりして撮っておいた。そうしなければならないものがこの一杯には感じられるのだ。
 そうした後でゆっくりと口をつける。「湛えている」という動詞がぴったりな、悪いたとえでいえば最近の亜熱帯化した内陸の雷前の夕方のような粒子自体の重さを感じるスプーン触りで掬う黄金色の数グラム。ゆっくりと口をつけてみると、ああ、肉の味がする、もやしはどこなんだろう、と思ったやや長めのディレイタイムの後、圧倒的に短いアタックタイムでMト君のもやし工場でざくっと吐き出されるように、そこには見えてはいないブラックマッペの長い根っこを頬張ったような味があった。

 ……以下、少し経ってから話したことを書いておこう。
 肉ともやしが溶け合っているというものではない。肉は肉、もやしはもやしとして一杯の中にいて、スープというのはそういうものだったのだなと、初めて気づいた。なんというかその感じは、初期ビートルズの簡易ステレオ盤のように、ギターは左、ボーカルは右のように、ひどくおおざっぱに分けられた定位のようだが、それはそれでマルチチャンネル録音とは違った味がある。
 そう、これはその時には話さなかったが、肉ともやしが時間差で出てくる感じで思い出すのは、アナログ盤をきく時、曲が始まる一瞬前にきこえる、ゴーストというのかあの音声。たとえば『ハードデイズナイト』のB面をかけて、チリチリという音からジョンのシャウトが炸裂する直前に左の上のほうから一瞬だけきこえる空耳のような "Any Time At All" が肉の味としたら、それから2分14秒の4人のサウンドがもやしとでもいうような、そんなタイム感で味が吐き出される。
 わざわざ深谷の工場までもやしをみに来てこのスープを完成させた、まだ三十過ぎと若いシェフがあいさつに来たので気になる点をきいてみた。
 ―この4人分をつくるのにどのくらいもやしを使ってるんですか
 「400gです。最初に200gで味を出して、それからまた次の日に200gで味を出すんです。いろいろやってそれが一番よかったんです」
 ―はあ、スコッチなんかの二段階蒸留みたいですね。もやしのブイヨンっていうアイディアをどうやって思いついたんですか。
 「Uさん(野菜ソムリエ)からすごく味の濃いもやしがあるときいたんで、それならいい出汁が出ると思ったんです」
 ―肉以外ではどんな素材を考えてますか。
 「冬になったらアンコウなんかおもしろいんじゃないかと思ってるんですけど」
(録音してたわけでないので引用不正確)

 ……ビールやワインも飲んで過ごした昼の時間は3時間少し。Mト君が求めた金額は1万1千円だった。高くないよな、でも、あれだけいろいろ考えてれば、店やってるって楽しいだろうな、と妻子を深谷に帰し次の目的地に向かう地下鉄でMト君と話した。

 大事なのは、緻密さ、考え続けること、そして愚かさに陥らないこと。

Any Time At All http://www.youtube.com/watch?v=w9as8K8SktY

(BGMはおもに夏の夜にマッチする、40年前のビートルズよりアダルトでクールな "Dream Tales" Claudia Villela; Kenny Werner。未だ Mixiミュージックで再生メンバー1人。表題曲Imeemにアップしました http://www.imeem.com/people/FwgvvZ_/music/ms7NwqC9/claudia-villela-dream-tales/

"Menu Marche"
スライドショーは:http://picasaweb.google.co.jp/quaranteans293/090805#slideshow/


晴れの日昼寝 07/27 14:42


曇りの日のしっぽ 07/30 16:38


健康診断 08/02 11:50


愚かさに陥らないこと 08/07 07:13
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