しこたまらいふ

大谷翔平と大滝詠一の生まれた岩手県奥州市で、スローライフを実践中♪ 田舎暮しや食べ物の話題。

け く かね?【方言】

2020-06-23 | 岩手県奥州市の方言

よく東北弁の短い会話っていうので「け」「く」ってのがありますが、さすがに日常会話では、使いません。

「こいずけや」(これを食べなさい)

「んで、くがな」(それじゃ、たべよかな)

ぐらいですかね(^^;

前出の「け」「く」は、どちらも「食う」の活用なんですが、岩手では、語幹まで変化してしまいます。このためなんだか変な印象を与えているのかもしれません。

「け」は、「食え」が短縮されたものですから、命令形です。

「く」は、「食う」の短縮です。

否定形・疑問になると「かんね」又は「かね」です。疑問の場合には、語尾を上げますが、明確に「かんねが?」と尋ねる場合もあります。

むかしは、兄弟や従兄が集まると食べ物の取り合いでした。そのため年下の者がもたもたしていると年長者に食べられてしまいます。

「こいず、くのがかねのが?」(これ、食べるの食べないの?)

「かんねんだべ」(食べないでしょ)

「かんねおな」(食べないよね)

「んで、くぞ」(それじゃ、食べるよ)

ってな感じで、とっけされで(取られて)しまいました。

そのため早食いになってしまいました(^^;

ちなみに、さっさと食べなさいは、「わらわらど け」です。

また、蚊に刺されることを「蚊にかれる」といいます。冷蔵庫に入れてある蟹を誰かに食われる事も「蟹かれる」です。まあ、蚊に刺されることは、よくありますが、蟹を食べられることって、めったにないですよね(^◇^;)


 
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たねる 【方言】

2020-06-23 | 岩手県奥州市の方言

家のバーさん、いろいろ物忘れをするようになりました。毎日毎日探し物です。そんな時に言う言葉が、

「とげー どごさおいだが 忘れだや。しゃねが?たねでけろや?」です。

(時計をどこに置いたか忘れてしまいました。知りませんか?探して下さい?)

奥州市では、探すことを「たねる」といいます。語源はもちろん「尋ねる」で、「たずねる」の「ず」が省略されて「たねる」となったものです。

「尋ねる」を古語辞典で引くと

「ありかを捜し求める。追い求める。」が一番先にでてきて、探すことが本来の意味であることが分かります。

「たねる」は、動詞なので活用しますが、そのへんは訛っているので、ちと微妙に活用します。また名詞では、ものがついて「たねもの」(さがしもの)となります。

用例

①「あいず たねっとぎ オラのも一緒に たねでけろや」

(あれを探すときは、私のも一緒に探して下さい。)

②「なんぼたねでも たねもの ではってこねどは まんつごしょっぱらげるおな」

(いくら探しても探し物が出てこないときには、ほんとにおもしろくないです)

探し物をしなければならないときには、「たねねね」(探さなければならない)で、「ねねね」(寝なければならない)や「ででで」(建物の外に出ていて下さい)と同様に同じ音が続きます。

やはりこれもネイティブ以外には、理解できないでしょうねー(^^;


 
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