「せやみ、かばねやみ」は、「怠け者」「怠ける」という意味です。
「なんたらはだげ草だらげにしてなー、せやみして」
(なんとまあ、畑を雑草だらけにして、怠けてるなー)
田舎では、庭や畑が草だらけになっているとすんげー非難されます。虫が湧くし、いろんな動物がやってくるからです。
「あのおんちゃん、酒っこばり飲んで、寝びだりだもな。せやみたがりだな。」
(あのおじさんは、お酒ばかり飲んで寝てばかりいるよね。怠け者だな。)
なんとも耳が痛いところです(^_^;
同じ意味の方言で「せっこぎ」というのもあります。これは主に盛岡で聞いたことがあります。南部藩の訛かな?
「せやみ」の語源は、(背病み)だと思います。体が疲れて働けないってことですね。「かばねやみ」は、(体病み)です。同じ意味ですね。
このほか東北地方には、同じ意味で「骨病み」等の方言があります。
ところで、「かばね」で思い出したのが、軍歌?の「海ゆかば」です。この歌の最初の方に「海行かば 水漬く屍 山行かば 草生す屍」と出てきます。この場合は、「しかばね」の意味ですが、東北地方では「死かばね」と思い「かばね」を「体」と解したのかもしれませんね。
「海ゆかば」の歌詞は、大伴家持の「 陸奥国に金を出す詔書を賀す歌一首、并せて短歌」(陸奥国で金が出たという詔書を寿いだ歌 )が基になっています。なんだか私の住んでいるところの近くから金が出たということなので、縁を感じて面白いです。