墨汁日記

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徒然草 第五十七段

2005-09-19 11:32:04 | 徒然草
 人の語り出でたる歌物語の、歌のわろきこそ、本意なけれ。少しその道知らん人は、いみじと思ひては語らじ。
 すべて、いとも知らぬ道の物語したる、かたはらいたく、聞きにくし。

<口語訳>
 人の語り出した歌物語の、歌が悪いのこそ、本意ないな(不本意だ)。少しはその道知る人なら、いみじ(すごい)と思っては語らない。
 すべて(において)、それほど知らない道の物語するのは、かたはらいたく(あえて口出し出来ない気の毒な気持ちを意味する。ここではハラハラして)、聞きにくい。

<意訳>
 悪い和歌を例に出して歌の話題を持ち出されても困る。少しでも和歌を知っている人なら、すごいとは思わないだろう。
 なんであれ、良く知らない事を語る人ってのは、なんかお気の毒で聞いていられない。

<感想>
 特殊技能をもつ職業に就く人なら、素人に語りかけられて、こういう気持ちになった事があるのではないだろうか。
 兼好は「和歌」の専門家、歌人である。あんまり和歌を良く知らない人に和歌の話しを持ちかけられて閉口したという話しである。

原作 兼好法師


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