墨汁日記

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エンタラーメン

2005-05-06 20:40:48 | 食・レシピ
 頑張った自分へのご褒美に一杯のラーメン。現代の美談であり、俺は美男だ。

 そんな事はマジでどうでもいい。

 夕刊終了後、中ぶりぐらいの雨が大降りで本格派の本降りとなる。
 あー。一生に一度の本気を今日使っておいて良かったよ。がんばって走ったかいがあった。

 そんなで。ラーメンだ。
 雨の小平の街を目当ての店を目指してテクテク歩く。途中にパチンコ屋があったので、そこによって放尿。さらに歩く。

 着きました。お目当ての店。「大正軒(仮名)」
 うちの店長がこの店うまいって言ってたんだよ。店の存在は知ってたよ。でもさ、店の前を通る度にただようダシのニオイが強烈で俺は敬遠してたんだ。
 
 「食わず嫌いはいけない。」フランスパンの伝道者、ビゴさんもそう言っておられる。とりあえず食うべし。中に入ると人の良さそうな店主。カウンター席のみの細長い店内。そして、ただよう強烈なダシ臭。

 煮干しだろうな。このニオイは。駄目。体が受け付けない。俺は嫌い、このニオイ。
 見ると、中国人のカップルがおいしそうにラーメンをすすっている。あー、さすが中国人。なんでも食う。いや、中国四千年の舌が認めているのだ。きっとうまいに違いない。

 そんなで、ラーメン注文。

 店内で、ぼーっと楽天対巨人の試合をながめているうちにラーメンを差し出される。
 少量のメンマにナルトとチャーシュー。
 見た目はまるきりいけてない。量が多すぎる気もする。

 とにかく食おう。

 熱い。第一印象。
 フーフーして必死ですすりこむ。

 ウマイ!うまいじゃないか。

 スープもダシがきいててうまい。必死でラーメンをすすりこんでいるうちに、例の嫌なニオイが消え失せ、うまいラーメンの匂いとなる。
 やはり、食わず嫌いはいかんな。

 だが。

 最初の感想もつかの間。スープを飲み干す頃にはその味に飽きてしまった。
 麺もスープも量が微妙に多いのだ。だから、熱いし、いつまでも冷めない。猫舌や子供には食いやすい熱さというのが意外に重要だ。

 ラーメンは一杯700円のエンターティメントだ。
 最初の見た目からはじまり。最後の一汁まで飽きさせない造りが現代のラーメンには求められている。一杯の懐石料理と言い換えてもいい。

 もはや、うまいだけじゃラーメンは駄目なのだ。最後まで客を飽きさせない旨さが求められているのだ。単にうまいだけのラーメンなんぞ、田舎ラーメンだ。
 はじめの見た目。具の味、スープと麺の旨さ。そして、最後の一滴まで飽きさせない工夫。すべてをかねそろえなければ、一杯が700円である価値はない。

 ダシがきいてて、麺がうまい。それだけじゃ田舎料理だ。

 「大正軒」の最大の間違いは、麺とスープが微妙に多すぎるという事だ。近くに大学があり、学生街だから大盛りが標準。という発想なのかもしれないが、一般的な大人の腹八分目を超えた量は、客を飽きさせるだけだ。
 むしろ、麺とスープを減らし、その分、具にこるのが勝利の鍵であると思われる。具にこれば、見栄えも良くなり、冷めやすく食いやすくなる。いつまでも熱々のラーメンは女子供と猫舌に嫌われる。


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