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徒然草 第百六十九段

2005-12-19 19:57:22 | 徒然草
「何事の式といふ事は、後嵯峨の御代までは言はざりけるを、近きほどより言ふ詞なり」と人の申し侍りしに、建礼門院の右京大夫、後鳥羽院の御位の後、また内裏住みしたる事を言ふに、「世の式も変りたる事はなきにも」と書きたり。

<口語訳>
「何事の式という事は、後嵯峨の御代までは言わなかったのを、近き程より言うことばだ」と人の申しましたのに、建礼門院の右京大夫、後鳥羽院の御位の後、また内裏住みました事を言うに、「世の式にも変った事はないのに」と書いた。

<意訳>
 「なんとか式とかゆー言い方はつい最近の言い方だろ。後嵯峨天皇の時代までは使われなかった言葉だ」
 なんてことを誰かが言ってましたが、平清盛の娘に仕えた右京大夫という女房が、平家滅亡後に改めて宮中に仕えました時にその感想を書いたものには、こう書かれております。
 「世の式になにも変わりはないのに」

<感想>
 現代でも使われている「結婚式」とか「入学式」「卒業式」の「式」は鎌倉時代になってから使われだした言葉であろうと誰かが言った。それに対して兼行が昔から使われていた言葉だと反論している。
 ただし、この段は歴史考証的にはなんだか怪しい段であるそうである。
 ハッキリとテキストには「兼行の記憶の誤りか」と書かれている。
 悲しいかな素人の俺には真偽は良くわからん。

原作 兼好法師


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