墨汁日記

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夕立見物

2005-09-04 18:29:40 | まち歩き
 朝は涼しいとはいえ、やはりまだまだ昼間は蒸すな。暑い部屋の中で、蒸しまんじゅうのようになりながら布団の上でゴロゴロと一日を過ごす。タバコが切れたが金がない。銀行まで行っておろしてこないと金がない。
 夕方になり、そろそろ出かけようかなと思っていたら夕立が降り始めた。けっこう激しく降っている。
 こりゃいいや。夕立見物がてら、銀行に行く事にしよう。夕立見物とは、激しい夕立の中、傘も持たずに逃げ惑いあわてふためく人達の様子を見物して楽しもうという意地悪な趣味だ。

 チノパンのすそをスネまでまくり上げ、便サンをはき傘をさして装備オーケー。さっそく家を出るてみると、ママチャリの若奥様たち三人衆が夕立の中を疾走しているのを発見する。みんなずぶ濡れで、Tシャツは濡れてすっかり透け、身体にはり付いている。ブラの線から、たるんだお肉までピッタリとシャツがはり付いていて、なかなかの風情である。満足。こういうのを俺は見たかったのだ。最後の一人のママさんが信号でつかまりチャリを停めた。彼女は、俺の視線に気がついたのか、いきなり振り返り俺を見た。雨に濡れて乱れた髪の毛に上気した頬。色っぽい、驚くほどの美人だ。
 少し申し訳ないような気分になり目をそらす。

 しばらく歩いて立川通りに出る。新築マンションのモデルルームを案内するのぼり広告を持った人達が、この豪雨の中で、何人も、道端にたたずんでいるのを見つけた。
 ある者は、傘の範囲内から体がでないようにとキヲツケの姿勢のまま立ち尽くし。またある者はパイプイスに座り込んで身体を小さく丸めて、のぼりと傘のかげに隠れて雨をさけている。
 立川は現在、マンションの建設ラッシュ。どこの会社もマンションを売ろうと必死だ。道端に、広告を持った営業マンを配し客引きさながらにしてモデルルームに客を呼び込む。その、たぶんバイトで、臨時の、各社の営業マンたちは道すがらに何人も居り、みんな傘に隠れるようにして夕立をしのいでいた。ズボンもワイシャツもすでにずぶ濡れだ。

 銀行で金をおろした後、ビールを買おうとスーパーおおたに向かう途中で雨は一段と激しくなる。屋根の雨水を吐き出すトイはぶるぶると震えながら、ものすごい量の雨水を吐き出し今にも壊れそうだ。舗装された道路は水浸しで、小川のようになっている。すでに俺もずぶ濡れで、夕立見物などと他人を面白がっていられるようなナリではない。
 一日中ふりつづける雨は嫌いだが、夕立は好きだ。


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