墨汁日記

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徒然草 第十七段

2005-08-12 20:04:15 | 徒然草
 山寺にかきこもりて、仏に仕うまつるこそ、つれづれもなく、心の濁りも清まる心地すれ。

<口語訳>
 山寺にかきこもって、仏に御仕え申し上げる事こそ、つれづれもなく、心のにごりも清まる心地がする。

<解説>

 『山寺にかきこもりて』 
 「かき」は現代でも残る「かき消す」「かき集める」の「かき」。動詞の頭につく接頭語である。

 『つれづれもなく』 
 有名な「つれづれなるままに」の「つれづれ」。ヒマだとか、所在ないとかの意味。正しい現代語に訳すのは無理。

<意訳>
 山寺にこもって修行するのもいいかも、つれづれも消えてなくなり、心の迷いもなくなるような気がする。

<感想>
 この段も出家以前の卜部兼好が書いた文章ではなかろうか。普通に読むと兼好の経験を語っているようにも読めるが、旅に行きたいと書いていた第十五段と同じく、こうなりたいという希望を書いた文章だと思う。
 要するに兼好は旅に出たい、山寺にこもりたいと言っている。どうやら、実家や京都を離れて一人になりたいらしい。



原作 兼好法師

現代語訳 protozoa

参考図書
「徒然草」吉澤貞人  中道館
「絵本徒然草」橋本治  河出書房新書
「新訂 徒然草」西尾 実・安良岡康作校注 岩波文庫
「徒然草 全訳注」三木紀人 講談社学術文庫


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