いま、一冊の本を読み終わった。
本を読み終わったので、便所に立つ。
ついでに居間に寄ると親父が血圧を測りながらテレビを観ていた。
テレビから『台風情報』が流れる。台風は今、静岡あたりまで来ているらしい。この台風は関東へも来るのだろうか?
窓から外を眺めると、お向かいの木造アパートの屋根に激しく雨が打ちつけているのが見えた。早朝より降りが強くなったようだ。
半月ぐらい前になる。
その本を、本棚で見つけたのは。
かなり古い装釘の文庫本。
もう読んだ本だか、まだ読んでない本だか、覚えていない。気になって手に取りパラパラめくると、すぐ内容に引き込まれた。読み進めたいが、労働者には時間が少ない。ゆっくりと読書に時間をさくゆとりはあまりない。
ヒマになったら一番に読もうと、パソコンのモニターを乗せているちゃぶ台の下に放り込んでおいた。
今朝、起きるとだるかった。
なにをする気にもなれない。
長いこと続く梅雨空に今日の雨で気力はすっかり停滞気味だ。
雨は苦手だ。
もうなんか朝から飲んじゃいたい心境。
半年前の俺なら確実に飲んでいただろう。
だが、自己戒律で『朝の5時から夕方の3時までの禁酒』を定めたので飲むわけにもいかない。
目は覚めたが、この雨の中を散歩に行く気にもなれないし、寝直すほど眠くもない。天気だけでなく、気も晴れない。やる気もない。
敷きっぱなしの布団の上でダラダラしていたら、ちゃぶ台の下にずっと置きっぱなしにしていた本が目についた。
よし、この本でも読むかな。
本を手に取る。『人狼地獄篇』平井和正(ハヤカワ文庫 SF )。
30年ぐらい前に書かれた小説で、その内容は『地獄篇』と題名にあるとおり、冒頭から終わりまで、拷問と虐殺の描写が執拗に繰り返される血みどろの地獄絵巻。
読んでいるうちに、人間とはなんと愚かで残虐な生き物なのだろうと思う。
暴力を行使する人間は、他人を傷つける事、いや人体を破壊する事になんの躊躇もない。また、暴力の前で人体はこんなにも脆い物なのかと思い知らされる。
もちろん小説であるから、作り話であるけれども、現実でも似たような事が今もどこかで繰り返されているに違いないと確信させるほどの筆力がある。
ただ、どこにも救いのない内容でありながら、一人称で語られる文章は軽妙で余裕があり、最後には不思議な爽快感さえ与えられる。
やっぱり、平井和正って『天才』だよなと再確認した。
平井和正の作品は、中学生の頃に大好きで読みあさっていた。
そういや、授業中とかにも読んでいた。マンガだとすぐ先生にばれるけど、小説は不思議と堂々と読んでいるとぜんぜんばれない。先生達は、参考書に目を通しているとでも思われたのか、あるいは黙認されていたのか。
自室の本棚にはまだ読んでない本が多い。
さらに、すでに読んだ本と、まだ読んでない本の区別がつかなくなっている。『人狼地獄篇』も、読んだか読んでないか全く記憶に無い。もし、読んだのだとしても内容をすっかり忘れ去るくらいの大昔に読んだのだろう。はじめて読んだような気がするから。
ところで、読んでいて気がついたが、俺の書く作文は、平井和正の文章にけっこう似ているような気がする。
どこがどう似ているのと聞かれるとすごく困るのだが、なんとなくほんの少しだけ、どこか似ている。
とにかく、似ていると言ったら似ているのだ。
疑うな。
本を読み終わったので、便所に立つ。
ついでに居間に寄ると親父が血圧を測りながらテレビを観ていた。
テレビから『台風情報』が流れる。台風は今、静岡あたりまで来ているらしい。この台風は関東へも来るのだろうか?
窓から外を眺めると、お向かいの木造アパートの屋根に激しく雨が打ちつけているのが見えた。早朝より降りが強くなったようだ。
半月ぐらい前になる。
その本を、本棚で見つけたのは。
かなり古い装釘の文庫本。
もう読んだ本だか、まだ読んでない本だか、覚えていない。気になって手に取りパラパラめくると、すぐ内容に引き込まれた。読み進めたいが、労働者には時間が少ない。ゆっくりと読書に時間をさくゆとりはあまりない。
ヒマになったら一番に読もうと、パソコンのモニターを乗せているちゃぶ台の下に放り込んでおいた。
今朝、起きるとだるかった。
なにをする気にもなれない。
長いこと続く梅雨空に今日の雨で気力はすっかり停滞気味だ。
雨は苦手だ。
もうなんか朝から飲んじゃいたい心境。
半年前の俺なら確実に飲んでいただろう。
だが、自己戒律で『朝の5時から夕方の3時までの禁酒』を定めたので飲むわけにもいかない。
目は覚めたが、この雨の中を散歩に行く気にもなれないし、寝直すほど眠くもない。天気だけでなく、気も晴れない。やる気もない。
敷きっぱなしの布団の上でダラダラしていたら、ちゃぶ台の下にずっと置きっぱなしにしていた本が目についた。
よし、この本でも読むかな。
本を手に取る。『人狼地獄篇』平井和正(ハヤカワ文庫 SF )。
30年ぐらい前に書かれた小説で、その内容は『地獄篇』と題名にあるとおり、冒頭から終わりまで、拷問と虐殺の描写が執拗に繰り返される血みどろの地獄絵巻。
読んでいるうちに、人間とはなんと愚かで残虐な生き物なのだろうと思う。
暴力を行使する人間は、他人を傷つける事、いや人体を破壊する事になんの躊躇もない。また、暴力の前で人体はこんなにも脆い物なのかと思い知らされる。
もちろん小説であるから、作り話であるけれども、現実でも似たような事が今もどこかで繰り返されているに違いないと確信させるほどの筆力がある。
ただ、どこにも救いのない内容でありながら、一人称で語られる文章は軽妙で余裕があり、最後には不思議な爽快感さえ与えられる。
やっぱり、平井和正って『天才』だよなと再確認した。
平井和正の作品は、中学生の頃に大好きで読みあさっていた。
そういや、授業中とかにも読んでいた。マンガだとすぐ先生にばれるけど、小説は不思議と堂々と読んでいるとぜんぜんばれない。先生達は、参考書に目を通しているとでも思われたのか、あるいは黙認されていたのか。
自室の本棚にはまだ読んでない本が多い。
さらに、すでに読んだ本と、まだ読んでない本の区別がつかなくなっている。『人狼地獄篇』も、読んだか読んでないか全く記憶に無い。もし、読んだのだとしても内容をすっかり忘れ去るくらいの大昔に読んだのだろう。はじめて読んだような気がするから。
ところで、読んでいて気がついたが、俺の書く作文は、平井和正の文章にけっこう似ているような気がする。
どこがどう似ているのと聞かれるとすごく困るのだが、なんとなくほんの少しだけ、どこか似ている。
とにかく、似ていると言ったら似ているのだ。
疑うな。
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