墨汁日記

墨汁Aイッテキ!公式ブログ

フレンチトースト

2005-03-20 10:53:42 | パン
 職探しをかねてのパン屋めぐりの日々にあちこちで買い求めたフランスパンのバケットが、ガチガチガッチンコ。
 仕方ないので、フレンチトーストにする事を思いついた。
 高校生の時にロイヤルホストでバイトしていた。その時にオムレツとフレンチトーストの作り方を覚えたんだけど、情けない事に20年近くも前の事なのでレシピを忘れてしまった。まったくなにも覚えてない。西暦にして1987年だもんな。忘れてて当然だ。
 
 ネットで調べてみる。「フレンチトースト 作り方」
 なになに、たまご二個に牛乳200ccと砂糖50g。そいつにパンを浸してから焼きます。OK!たまご一個で牛乳100ccと砂糖25gて覚えときゃいいな。作り方はやりゃ思い出すはず。

 パン切り包丁でバケットを25mm程に切る。用意したバケットはビゴの店と徳多郎に稲田堤のグリュースゴットの三本。どれも食いかけ。
 金曜日に買ったビゴの店のバケットが以外に中はしっとり。ラップをして保存していたせいもあるのだろうが、さすが、フランス職人からのれんわけされたことだけはあると感心。気泡も他店より大きく、目の細かい日本のバケットとは違うとか思った。ま、フレンチトーストにしてしまえば、どの店のバケットもおいしいんだけどね。味にさほど差はない。
 どんぶりにたまごを二個割り込み、計量カップで牛乳を200cc計って入れる。砂糖は適当。味見しながら入れる。それをさいばしで混ぜ合わせた後、パンをそいつに浸しフライパンで焼いて完成。半分はオーブントースターで焼いてみた。フライパンで焼いた方がしっとりしてうまいかも。残ったフレンチトーストの浸し汁は、もう一個たまごを追加してから卵焼きにした。さすがに、オムレツは作り方すら忘れてた。仕方ないので卵焼き。

 朝飯かわりにうちの親に試食させる。普段、ヤマザキの食パンしか食べない人達だから喜んで食べた。

 しかし、パンの食い過ぎで胃の調子が悪い。朝食のあと無性に野菜が食いたくなり、冷蔵庫に残ってたほうれん草のおひたしに醤油をかけて食べた。腹が出てきた、太りそうだ。それよりなにより、失業者にしちゃ優雅な朝だ。皆さんに申し訳ない。


武蔵小杉

2005-03-20 02:31:43 | パン
 ネットでチェーン店舗のパン屋が社員募集をしている。だが一度も名前を聞いた事も無いお店だ。チェーン店は神奈川県をはじめ、東京近県に集中している。他県に飛ばされる事を怖れなければ応募してみても良かろう。
 だが、その前に偵察である。どんな店だか見ておかないとだ。
 
 調べてみると、立川から一番行きやすいのは武蔵小杉の店舗のようだ。武蔵小杉は南武線で一本だし、そこに行ってみる事にする。
 
 お店の雰囲気は、普通のパン屋さん。女の子がカワイーと騒ぐタイプの店ではない。粉からパンを造るお店なので、チラリと覗いた厨房の設備は充実している。パン造りを学ばせていただくには申し分無いが、なんとなく店に活気がない。
 メロンパンを買って食べてみたが、メロン皮になにか香料が使われており、あまり感心できない。雇って頂けるならいい、職場としては悪くなさそうだ。でも、あまり客になりたいとは思えないお店だ。
 うーん。もう少し他を探してみてから応募することにしよう。採用の年齢制限が四十才という、ありがたい職場なんだけどな。

 お店に活気が無いと感じたのは武蔵小杉という街のせいかもしれない。ずらっと商店街が続いてんだけど、どの店もあせって商売しているという感じがしない。ダラーとやってるかんじ。悪くない。俺は好きだ。
 武蔵小杉の商店街には独特のレゲェ感がある。それだけ、この商店街には歴史があるってことだろう。

 商店街で横浜サンドという、サンドイッチ屋さんを発見。田舎のほか弁屋さんという風情の店舗だ。ポテトサラダのサンドイッチをひとつ買う。
 店主の方の一個一個、丁寧に売るぞという姿勢がうかがえる接客に感動。チラリと中を見ると、店の奥には第一パンのパン箱がつみかさなっていた。

 近所のコンビニでビールを買い、公園でおやつタイム。ふつうにうまい。でも、このポテトサラダは本当になんの変哲も無い、ただのポテトサラダだ。パンのソフトなうまさにかなり助けられている。
 サンドイッチのパンは普通に売られている食パンのはずだ。しばらく食べてなかったが、工場生産の食パンは十分にうまい。添加物がどうのとか、もっとおいしいパンとか言い出さなければ、工場生産の食パンで十分だ。腹に入れば一緒だ。パンはインスタントラーメンとラーメン屋のラーメンほどには手作りも工場生産も味にそれほど違いは無い。消費者としての俺はコンビニのパンでも別に文句は無い。

 左手のビールを見る。サッポロ黒ラベルだ。下手な地ビールよりよほどうまい。

 パンばかり食ってるせいか、腹の調子が悪い。飲み過ぎのせいだろうか?とにかく、仕事をみつけなきゃ。食い終わった俺は家に帰る事にする。


有名店

2005-03-19 18:01:05 | パン
 昨日、神奈川にある某有名パン屋に行ってきた。個人経営の店ではあるがパンマニアの間じゃ知らぬ人の無い超有名店。
 俺の勤めてた八王子のパン屋のバイトの子もおすすめ。すごくおいしいらしい。ぜひ一度は行ってみて下さいと言ってた。
 八王子から電車でその店に行くと以外に遠い。暇ができたら行こうと思ってたんだが、超がつくほどの暇人になったので行ってみる事にした。

 立川から南武線に乗り、武蔵溝の口で私鉄に乗り換え、これまた一度は行ってみたいと思ってた、鷺宮のビゴの店鷺沼店によってから、有名店の最寄り駅に到着。その駅から歩いて15分でやっと有名店に到着。着いたのは夕方の4時過ぎだった。
 話に聞くと、その店はいつも行列という事だったが、近づいてみても誰も客がいない。あれ、休みだったかと思いながら店の前まで行くと、「売り切れ閉店」の張り紙。

 ありゃ、せっかくこんな遠くまで来たのに。残念、切腹。介錯を頼む。いや、あんたもうクビ切られてんじゃん。こりゃまた失礼しました。状態である。

 しかし、俺は転んでも起きない男。転んだらそこに泊まる。店の張り紙は一枚じゃなかったんだよ。
 「従業員募集」キラーン!俺は無職だ。はいよろこんで。早速、店から数メートルの電柱の陰から電話。

「すいません。働きたいんですけど。」

 履歴書を持って何時でも来いとの事。よし、履歴書を持ってまた明日来ようと決意し俺は店を後にする。


パンの味 3

2005-03-18 23:00:37 | パン
 昨日訪れた西武立川の天然酵母のパンはおいしかった。特にバナナのパンは絶品。
 さりげないおいしさ。おしつけがましくないおいしさだ。

 今まで勤めてきた八王子のパン屋のパンも確かにうまかった。くせになるうまさだ。特にデニッシュとメロンパンは絶品。すざましいうまさだった。だから、ついてこうと思ったんだよ。
 でも、西武立川の農家が造ったパンでやっとわかった。

 パンはその人をあらわす。その人がパンなのだ。漫画と一緒だ。八王子の店長のパンはうまい。でも、どうだ俺のパンはうまいだろというおしつけがましいうまさだ。くせにはなるがいつか飽きる。
 立川の彼らのパンは見てくれも味も謙虚だ。でも、食べるとじんわりうまい。こんなうまさもあるんだ、とつい目が潤んでくる。俺も辛いんだ。いろいろあるからさ。癒されちゃうよ本当に。
 
 従業員が無理なら、せめて常連になりたい。
立川のパン屋


パンの味 2

2005-03-18 12:06:01 | パン
 昨日の夕方、小雨のふる中。モノレールと西武線を乗り継ぎ、前から一度行ってみたいと思っていた立川のパン屋を訪れた。

 パン屋の名前は書かない。パンマニアの間の有名店なので検索で来られるとやっかいだからだ。今はパンファンの方々とたわむれている余裕が俺にはない。

 農家を改造し、畑で採れた無農薬野菜を素材に石釜でパンを焼いている。不便な場所にあるのにパンマニアの間では有名な店で遠く八王子の俺の勤めていた店でも噂は聞いていた。
 西武立川の駅をおりて、五日市街道を350mlのビール片手に歩いて行く。飲み終わり、公園で小便してやっと着くぐらいの距離だ。

 もろ、普通の五日市街道沿いの農家だ。普通の顔してケヤキも生えてる。看板のみがパンを販売している事を伝えている。俺はこういう農家の近所で育ったもんで、なんだか、ひとんちに勝手に入るようで中に入るのに気が引ける。商売臭さがあまりに希薄だ。
 中の親父に怒鳴られたり、犬に吠えられたりはしないかとビクビクしながら奥に進む。こういう勝手知らない他人の家に案内も無く侵入すると、つい「朝日新聞の集金に来ました!」と言いたくなる。でも、今日は集金ではない。客だ。偉いのだ。

 ちょっとした庭。そこを抜けて、奥の喫茶もある店内に侵入する。中に入るとレジの奥に若い眼鏡の女性。試食をすすめてくれる。
 養蚕に使っていたという倉を改造した、店内の内装はかなり良い。やはり古い建物は良い。時間だけは金をかけても買えない。とりあえずトレーを取りパンを選ぶ。パン達は素朴で優しい表情をしている。
 
 バナナのパンとバケット。すぐ食べられるグリッシーニというチーズのパンを選び、レジに行く。落ち着いた店内。優しそうなパン。

 あぁ、こんな店で働けたら幸せだよな。

 今日は偵察だけのつもりが、つい言葉が口を出てしまう。

「あの、失礼ですが、従業員の募集などはなさってはいないでしょうか?」
 
 仕事中にアポもなく、不躾な俺に親切に対応して頂いた。今はいっぱいだが、空きがでしだい連絡していただけるそうだ。

 帰り道、グリッシーニをほおばる。おしつけがましくないおいしさ。造る人の性格が伺えるような優しいパンだ。
 晴れた日に今度は純粋に客としてお茶でも飲みに来よう。そう思った。

 ところで、ビールを飲み、公園で小便をたれた後、手を洗わずにパンを食う俺はエンガチョである。