下を向いて歩こう

　俺は劣等感の固まりで、最近じゃ精子も煮こごり気味だ。こんな俺じゃ人様の前じゃ下しか向けない。地面LOVEだ。ほんとに生きてて申し訳ありません。
　でも、なんでと思うのさ。声に出さずとも吠え続けなきゃ。人は泣いて産まれる。そして吠えなきゃならない。生きたいなら自分で生きたいと願わなきゃと思う。生きたいと思うからこそ俺は、今まで生き続けてんだなと思ってた。でも、どうやら違うらしい。俺の生き死になんか関係ない。俺はヒトという種を超えては生きられない。
　正直、今日はそう思い知らされた。俺の生き様なんか関係ない。

フナ

　俺は愛だの恋だのフナなぞなんか信じない。釣り堀にでも行きやがれと正直思う。でも、女性にその事を告白するとフーゾクの話以上に引かれる。その理由はわかる。自分の気持ちすら女の子はいい子ちゃんにしたいのだ。女性のいい子ちゃん願望の根の深さには呆れる事すらある。
　だが、悪いのは環境だ。彼女らをいい子ちゃんにしようとおさえこんでいるのは俺たち私たちである。男という凶暴な性が共同体の中で抑え込まれているのと同様に彼女らの性も抑え込まれている。
　彼女らを抑え込むのは共同体の伝統と俺たち私たちだ。俺は他人を抑え込む漬物石であり、あなたが俺を抑え込む漬物石なのだ。共同体の中にいるかぎり誰一人解放されることなんぞないのだ。
　
　なのに、なんで人は共同体にこびりつくのか。それは、そこにしか行き場所がないとガキの頃から洗脳されちまってるからだ。

　だが、男にはちんこがある。女にはまんこがある。それが最後の救いであると信じたい。キリストの言う愛は軽薄すぎるが、仏陀の愛は悲しすぎる。

ふたたび駄目です

　俺はもう駄目です。もう落ちました。正直、彼女が欲しいです。下さい。俺は俺であるべき。センズリ。SEX。マンコ。おにぎり。ビッケ。こうさぎ。おいし。職務質問。無灯火。腐女子。女の子。
　
　彼女が欲しい。ただそれが望みだ。待て、本当か？本当に彼女が欲しいのか？じゃあ、やらせてくれたらそれで終わりでいいか？わかんない。いや違う。俺は何が欲しくてこんな真似をしているのだ？そもそも俺って何者だ？

　煮物はうまいもんはうまいが、まずいもんはまずい。

　彼女に嫌われたくないって？そもそも好かれてんのか？あの告白が白昼夢でなかったと誰が言い切れるのだ。
　俺はほんとにここにいるのか？郵便は本当にとどいているのか？お前は誰だ？

もつことの不安

　なにも持ってなけりゃ、人間なんにも不安がない。なにもない人間には不安となるべき材料がなにもないんだから当然の当たり前のこんこんちきだ。もちろんこれは俺らの様に衣食住の最低ラインが整っていての話だ。食うもんすらない連中にとり、なにもないということは死の恐怖に他ならないだろう。残念ながら、俺は入院してた時以外に２日以上、飯をぬいた事がないので、その恐怖は今のところわからない。
　
　持つ事により俺の不安はかえって増幅される。将来の不安や持ち得た物が失われる事に恐怖する。これが仏教で言うところの愛である。キリストの愛と仏陀の愛は違うのだ。
　ま、んなこたぁどーでもいい。俺は馬鹿なのだ。これ以上知った風な口ききゃボロが出る一方だ。俺はただ吠えてりゃいいだけなのだ。すでに馬鹿である時点で負け犬なのだから、よけいな事は言わぬが花だ。吠えてりゃいいんだ。きゃんきゃんと。

　俺には分不相応の彼女という他人が、俺の目の前に現れた。まさに光臨である。ひれ伏すしかない。現在の男にとりゃ、「彼女」こそ神様で信仰の対象である。
　信仰者にとり神の喪失こそ、もっとも忌むべき出来事だ。だから、俺も彼女がいなくなる事を異常に怖れる。
　ただ、メールに返事がこなかっただけで、俺は彼女に嫌われたのかとうろたえ、狼狽する。

　だが、俺は一人でいる期間が長過ぎた。別に神も彼女もいなくても、生きてはいける事を知っている。神が失せろと言うなら失せよう。俺は俺がいればすでに十分であると知っている。それ以上を望み、手に入れれば不安のみが増幅する事も学習した。

好き

　どうしても人を好きになれないでいる冷めた自分を発見してしまう。やはり、俺には盲目的に人を好きになることができないらしい。

　あなたが好きと言うなら俺も好きだ。これが俺の基本姿勢らしい。俺の感情なんて鏡のようなものだ。彼女と会うようになり、それがはっきりわかった。
　彼女がうれしいからうれしいだけなのだ。彼女が切ないから、俺も切ないだけなのだ。彼女が俺を好きだから俺も好きなだけらしい。こんなの映画でも見てんのと一緒だ。

　俺の感情はどこにあるのだ。

　俺には自己保身に必要な感情以外はないらしい。俺の中にある感情は怒りと自己憐憫だけだ。あとはない。
　ただ、これは俺だけなのかという疑問もわく。
　人は行為しか愛せない生き物なんではなかろうか。SEXや遊び、趣味や恋愛。
　愛せてせいぜいモノどまりだ。モノは他者の身体であったり、本当の物であったりいろいろだ。

　あなたは人を本気で好きになった事がありますか？あるならそれは自己憐憫がもたらす偽りの感情ではないと言い切れますか？