絶版プラモデルやじ馬考古学・ボックスアート美術館(なつかしき50~60年代アメリカプラモの世界)

古き良き時代の絶版プラモを発掘する、インターネット考古学。現在、・ボックスアート美術館にてエレール特別展を開催中!

フロッグ・枢軸国機ボックスアートギャラリー

2010年09月15日 | プラモデル

フロッグ・枢軸国機
ボックスアートギャラリー


私のブログを見てくださっている方から、フロッグを
取り上げてほしいというリクエストがありました。
ありがとうございます。
うれしい反響です。

ケロケロケロヨーン、初期のトレードマーク。
ホントにカエルが描かれている!
FROGという文字に、いつわりはなかった。
絵がリアルで、チョッとキモい。


逃げろ、逃げろ!
突然の敵機襲来で、逃げまどう整備員たち。
彼らの表情には恐怖があふれる。。
確かに戦争絵画として見れば秀逸だが、ボックスアートでは
はたして…
「ドイツ憎し」が満ち満ちている。
でも、イギリス側から見てJu88は斬られ役なんだ、と割り切ってしまえば、
オモシロい絵ではある。
どうせ買うのはイギリス人なんだし、ドイツは敵なんだ、
敵がやられるボックスアートのどこがイカンのだ、という声が聞こえてきそうだ。


これも、「逃げろ、逃げろ!」的ボックスアート。
突如爆撃を受け、滑走路に閃光が走る。
その中で、He219の機首が浮き上がるという構図は
なんとも印象的だ。
このような構図は、非常に珍しい。
お客さんに強いインパクトを与えるのは確実だ。
優れたイラストレーターだと思う。


別バージョンのボックスアート。
こちらの方が、機体の存在が強調されていて相当インパクトのある絵に
仕上がっている。


夕焼け(日の出?)を背景に飛行するメッサー。
地上や空が、イイ感じに表現されている秀逸な絵だ。
明るい背景の中に、機体が浮き出るように描いて
あり、これまた印象的だ。


イギリス製でありながら、デカールにカギ十字が
シッカリ入っている。
カギ十字を排除しているエアフィックスとは、きわめて
対照的だ。
ナチスに対する憎悪はあるのだろうが、それはそれで
歴史的事実と割り切っているのだろうか。


あの「アフリカの星」マルセイユ機を、優れた構図で
描ききっている。
不時着する敵機と、その上空を飛行するメッサー。
敗者と勝者を象徴的に表現しており、マルセイユ伝説を
強烈にアピールしている。

しかも、不時着したという事実から敵機のパイロットは負傷は
していても、死んではいないだろう。
あまり殺伐とした雰囲気がしないのも、いいところだ。

※「敗者」と「勝者」参考資料

画像では見にくいが、不時着した敵機の機首近くにパイロットが
立ち、フォッカーを見上げる。
フォッカーのパイロットは、敵機のパイロットを無言で見下ろす。
このまま手を振り挨拶を交わして、飛び去るのだろうか。
いまでは消滅した「騎士道精神」を見るようだ、
この構図がすばらしい。
ボックスアートの域を超え、戦争絵画の雰囲気をかもし出している。
Leynnwood先生の傑作のひとつだ。


小林源文先生の戦争劇画を彷彿させるイイ絵だ。
もっとも、やられているのがソ連軍だからこれだけの
絵が描けた…といえなくもない。


同じ絵をトリミングしているが、こちらの方が迫力がある。













本来はスピットファイアーのオマケであるV1だが、発売当時V1の
まともなキットはホークの1/48しかなく、それとて入手困難だったので、
貴重な存在だった。ハセガワ・フロッグ提携品が発売されたときは、
メチャ喜んでしまった。
映画「クロスボー作戦」の冒頭、V1のテスト飛行場面があり、
カタパルトからモーレツな白煙(本当は水蒸気なんだろうけど…)を
巻き上げ、打ち出されるV1にシビレテしまったゾ。






次回もフロッグをやっちゃいます。9月30日夜更新予定。
※「ドイツ軍によるボックスアート輸送大作戦」は、9月は
 お休み。別にネタ切れというわけではないゾ。