絶版プラモデルやじ馬考古学・ボックスアート美術館(なつかしき50~60年代アメリカプラモの世界)

古き良き時代の絶版プラモを発掘する、インターネット考古学。現在、・ボックスアート美術館にてエレール特別展を開催中!

なつかしのオーロラ・インスト集

2010年08月15日 | プラモデル








BaGoGoGoGoooooooom!!!!!

つづく

なつかしのオーロラ・インスト集

プラモが、ドドッと登場するこの手の広告は、
にぎやかで見ていて楽しいし、購買意欲も高まる。
F90やニセモノMIG19、XFV-1など、現在のメーカーでは
とても手を出さないようなアイテムもあり、興味は尽きない。




パイロットと機体が一体成形されているのが、時代を感じさせるが、
パイロットを省略しなかったのは、ある意味リアリズムに徹していた
ということだろう。
このパイロット・機体一体成形というのはオーロラばかりでなく、
50年代後半のプラモメーカーでは、普通にやられていた手法ではある。
あのレベルでも、B47はこのやり方だ。
ただ、大型機をあの手頃なサイズにまとめたものだから、まち針の頭風の
ものが、機体からニョキッと飛び出しているにすぎない。
最初に見たときは、バリかと思ったゾ(笑)。



スタンドのデザインが一新されている。
この図ではよくわからないが、スタンドベースには北米大陸を
描き、「世界に冠たるアメリカ」を演出していたのは、いかにも
熱烈愛国的メーカー・オーロラらしい。




大型モデルでもないのに、脚を省略せずシッカリ再現しているのは、
これもリアリズム追求の現れか。
レベルは、脚なしのデスクトップモデルで発売していた。



こちらもレベルとのガチンコ勝負となったが、B36と同様にレベルは脚なしデスクトップモデル、オーロラは脚付きと対照的だ。
ただ、当時のレベルのキットはX15というオマケがあったので、話題性や購買意欲を
高めるという点では、レベルの勝利と言わざるを得ない。




センチュリーシリーズの中で、SFっぽいスタイルで
知られているのが、このF-107。
脚なしのスタンド専用プラモだが、その方が
特異なスタイルを充分堪能できて良い。




デカールの貼り方を説明した図は、日本でも模倣された。
昭和40~50年代の国産プラモのデカールシート裏側には
星マークを日の丸に変えただけの図が、よく印刷されていた。
オーロラのパクリだったんだネ。


アメリカ海軍の初級ジェット練習機だが、おそらく日本ではほとんど
知られていないだろう。
プラモを見て、初めて存在を知ったという人も多いのでは…
1959年に15機が生産されただけだから当然なのだが、メーカー
自体は、あのアメリカの巨大企業だったリング・テムコ・ボ-ト社の
一翼を担う存在だった。









これまでのインストを見て、何か変化があるのにお気づきだろうか。
初期のインストに掲載されているイラストは、普通の線画なのだが
途中から水墨画風になっている。
イラストにインクの濃淡で陰影をつける手法は、ともすると単調に
なりがちなインスト図に立体感を与え、見ていて楽しい。

そういえば、他メーカーでも水墨画風イラストがあった。
60年代のレベルでも、同じようにこの手のインストが多く
見られた。ある意味、水墨画風イラスト付インストは当時の
アメリカプラモの特徴であったといっても、過言ではない。

オーロラとレベルの水墨画風イラストの作者は、作風から判断すると
同一人物のような気がする。
もし、そうであるなら当時アメリカのインスト・イラストレーター(実際
こんな名称があるのか知らないけれど)では、第一人者だったと
いえるだろう。

参考資料 レベル・ラクロスのインスト


次回の更新は、8月31日夜の予定です。