絶版プラモデルやじ馬考古学・ボックスアート美術館(なつかしき50~60年代アメリカプラモの世界)

古き良き時代の絶版プラモを発掘する、インターネット考古学。現在、・ボックスアート美術館にてエレール特別展を開催中!

野次馬アラカルト 参考文献紹介・脱線編 アドルフおじさんの誕生日

2007年02月26日 | プラモデル

                                                                
野次馬アラカルト

                                                                                                                         
                                                                                                            

  プラモデル野次馬考古学脱線編

      アドルフおじさんの誕生日


ハードカバーの表紙を見ると、軽快に疾走する2両の2号戦車の姿があります。
でも、タミヤのMMシリーズでおなじみの、あの「2号戦車」とはチョッとイメージが
違うようです。とくに、左側の車両の足回りを見てください。
モロに1号戦車のものですよ!
ごく初期の生産型なんでしょうね。貴重です、このショットは。

あんまり関係ないけれど、
ヤッパ、2号戦車といえばタミヤのMMシリーズでおなじみのF/G型ですよ。
ボックスアートに描かれた2号戦車と突撃するアフリカ軍団兵士、
この2者の組み合わせにシビレタ方々も多いのではないでしょうか。
大西画伯の傑作のひとつといっても、過言ではありません。


すみません。
話が脱線しました。
さて、今回取り上げる文献は‥‥

『PARADES OF THE WEHRMACHT Berlin 1934-1940 』

Horst Scheibert  著

SCHIFFER  PUBLISHING  LTD   80頁
 
これは、1934年から1940年にかけてベルリンで行なわれた総統誕生日
記念式典の模様を記録した写真集です。

左頁の写真を、ご覧ください。ビシッ!とキメた軍服。長身でスマートな兵士。
これこそ、ゲルマンの戦士です。
人類史上、これだけのカッコよさを備えた軍隊があったでしょうか!


左頁は、パレードの先頭を飾る栄光の軍旗。
右頁は、サイドカー部隊の大群。後方が、かすんで見えないほどの数。スゴイ!
写真ではわかりにくいかもしれませんが、先頭右側のサイドカー(側車のみ写さ
れている)の将校さんが後方を振り返って、隊形を最終チェックしています。
これから総統の閲兵を受けるわけですから、失礼があってはいけないですし、
部隊の恥をさらしてもいけない、万一チョンボがあればクビがとぶから、指揮官
は責任重大です。


総統の閲兵を受けるべく、疾走する機甲部隊。
2号戦車を先頭に、1号戦車の集団が続きます。
どうでもいいことですが、路面は石畳ではなく土の
ようです。キャタピラの跡がしっかり残っています。


後方に見えるドーム状の建物は、ウイルヘルム記念教会。
当時のベルリンは、パリに匹敵するほどの美しい都市だったことがわかります。
しかし、この教会もWWⅡ末のソ連軍との攻防戦によって、見るも無残な廃墟に
なってしまいました。現在、この廃墟はWWⅡのモニュメントとして保存されている
そうです(廃墟の写真をベルリンの観光ガイドブックで見たことがあります)。




総統誕生日記念パレードの概要を知るには、よい文献です。


裏表紙はドイツ空軍の精鋭、降下猟兵。
帝政ドイツの伝統的な軍服とは一線を画すスタイルが、降下猟兵をよりいっそう
際立たせます。アレ?彼らの足元を見てください。普段は履かない長靴を履いて
の行進です。やはり、この日は特別な日なんですね。
オマケ                              

総統の誕生日パーティをビデオで、シッカリ見るには‥
やっぱり、コレですよ。

NTERNATIONAL HISTORIC FILMS

『HITLER'S 1939 BIRTHDAY PARADE』(VHS)



ドイツ軍独特の「ガチョウの行進」がタップリ堪能できますよ。



当時、ドイツの国家的行事であった総統誕生日当日の模様を記録した貴重な
映像です。
SS軍楽隊によるお祝いの演奏(当然、曲はマーチです)から始まり、お祝いに
駆けつけた国民に総統官邸が一般開放されるシーンが続きます。
いつもはコワモテの警備の兵士らも、この日だけはチョッピリ優しいオジサン、
オニイサンに変身。

これだけの国家的行事なので、ヨーロッパ各国から元首、閣僚クラスの来賓も参列しています。
何年か先には、ドイツに征服され、徹底的な弾圧を受ける国もあります。
チェコスロヴァキア前大統領で、ベーメン・メーレン保護領(チェコにおけるドイツのカイライ国家)
大統領のエミール・ハーハの姿も見えます。
彼にとって、2年後この地に副総督として赴任してくるラインハルト・ハイドリヒが引き起こす恐怖を、
このとき想像できたでしょうか。
嗚呼、歴史とは、なんと皮肉なことか。

「プロイセン閲兵行進曲」が演奏されるなか、オープンカーに乗った総統一行が
総統官邸を出発。この日のパレードのため集結した大部隊を閲兵します。
ものすごい数の兵隊さんがズラリとならび、よくもこれだけ集まったものだと、
ただただ感心するばかり。

総統が御立ち台に到着すると、いよいよパレードの開始。
大空を埋め尽くす大編隊が式典会場上空を飛行するなか、
地上で待機していた大部隊が一斉に動き出します。
数秒間ですが、サイドカーの大群が動く様子はスゴイ!
あたかも、大波が押し寄せるイメージです。

パレードの先頭は、大量の軍旗を誇らしげに掲げた兵士の一団。
続いて歩兵部隊が登場して、ドイツ軍独特の「ガチョウの行進」をシッカリ激写。
一糸乱れぬ行進は、とても素晴らしい。
やはり、「ガチョウの行進」は長身で足が長い欧米人に限ります。
ドイツかぶれの大日本帝国陸軍が、このテの行進を採用しなかったのは
きわめて賢明(?)でした。

その後、空軍や海軍の部隊が行進を行いますが、その中でも降下猟兵部隊
は、ピカイチの存在。
活動的な服装といい、特製のお椀型ヘルメットといい、
いかにも現代的なスタイルは、時代を超越しています。

パレードの華といえば、騎兵部隊。
軍馬の両脇にティンパニーを装備した騎兵が、総統の前で演奏します。
馬を自由自在にあやつり、ティンパニーを打ち鳴らす姿は、これぞ騎兵。
もっとも輝ける瞬間です。

パレードの後半は機械化部隊。トラック部隊の大群です。
車両が総統の前を通過する直前に、総統は右腕をサッと掲げます。
その絶妙なタイミングが、いいですね。カッコよさを意識しての演出
でしょうか。
工兵部隊、砲兵などが続き、ラストはいよいよ機甲部隊(ヤッパ、
戦車はスターなんですね)。
1号、2号、3号、そして4号戦車が続きます。
これでパレードはおしまい。

このビデオは21分の短編です。
時間が短いのが、チョッと残念。




緊急事態だ!

東プロイセン総統大本営「狼の巣」で爆弾テロ事件が発生し、総統が負傷した。
ドイツ全土に戒厳令がしかれ、われわれは犯人逮捕に全力をあげることになった。
よって、第三帝国関連特集は一時中止とする。


軍用バイク関連書籍の紹介は、後日行います。
ゴメンナサイ。

ところで、次回は「ラクロスミサイルwithモービルランチャー」を取り上げます(多分)。



戦術地対地ミサイルの中でも、オネストジョンと並んでけっこうメジャーなラクロスです。
1950年代後半のレベルの世界が、再び始まるぞ!

ジーク・ハイル!


「ようやく、ナチ野郎の特集が
 終わったぜ。ホントに、ホッと
 するぜ。」


「迷えるアメリカ兵よ。
 お前の認識は誤っている。
 われわれは、一時的に姿を消すだけなのだ。
 戦略的にあらかじめ予定されていた行動に
 すぎない。
 なぜなら‥‥」


SHIT!ナチ野郎!! 」

PAPAPAPAPAPAPAM!!