子供のころだった。
親戚の叔父さんが,、竹の皮に包んだ、お肉を牛肉だからと届けてくれた。
普段は、けちんぼの叔父さんが、たまにはおいしいものくれるんだと、よろこんでその日の夜、家族ですき焼きにして、いただいた。
少し、柔らかくて、おいしいが、牛肉などめったに食べないころだったので、こんなものかと思ってすっかり、皆で平らげた。
翌日、やってきた時「どうやった、うまかったか。」
「おいしく頂きましたよ」。
じつは、田圃へ行った時、稲と稲の間に、けだものが、横たわっていた。
山で、猟師に鉄砲で撃たれ、崖下の田圃に転がり落ちて、倒れていた。
撃った猟師は、見失いあきらめて帰ったらしい。
叔父さんが触ってみると、まだ温かいので、家に持ち帰って、さばいて肉と皮に。
食べた肉は、たぬきの肉だった。
さすが、たぬきだけに、上手くだましおったわ。
ここ6年くらいは狸を見ていませんが。
ジビエというのでしょう。野生の獣の肉でしたね。
随分昔の話でした。
一流店や、高級ホテル、デパートなど、軒並みに食品偽装の話が出てる昨今ではないので、笑って済ませました。
牛肉だと置いて行った叔父さんのユーモア、昔だから笑い話になりますね。
しかし、お金を取っての偽装は笑っていられませんね。
高級品には縁がないですからよかったですが、
メニューを信じ切って食した方々は怒り心頭ではないでしょうか。
昔は、かしわ(鳥肉)のすき焼きが、定番のご馳走でした。
庭の鳥小屋で飼っている鶏を、一羽丸ごとお肉屋さんへ持って行って、さばいて貰ったのを、鳥鍋にするのでした。
農家のうちは、自分のうちで、さばいて料理しました。
自分は、ひよこから飼っていためん鳥は、最後まで可愛がっていたので、自然死して、土に埋めました。