お引っ越しも2週間経ちました。
だいぶ片付いて少しは歩くスペースも出来ました。
最初は林立する段ボールの荷物が摩天楼のように立ちはだかり、何から手を付けてよいやら呆然としていましたが、整理が進むにつれ余裕が出てまいりました。
徐々に生活の用品も収まるところに収まってどうにか日常に戻りつつあります。
片付かないのは、不用品のゴミ出しで、市の指定日の定めに従って少しずつ小出しにします。
しかし、わが人生の積み上げて来たものと言っても過言ではない蔵書の始末です。何しろ書斎に仕事場に、湖子庵にと、文字通り汗牛充棟の書籍の数です。どれほど教養として身に着いたかは別として、なんでも座右にあって必要な時、必要な書物が手に取れる安心感のために有ったもので一堂に収まりきらないのは必至でした。
どうするか、引っ越し前から迫られていた決断を下す時が来たのです。
それは、辞書類を除いて、九〇パーセント余を物理的に処分することです。私にとって革命的ともいえる大英断でした。
まず、引っ越し屋さんに三分の一程を引っ越しと同時に処分をお願いして持って行ってもらい、越してから利用価値のある書籍や、全集を市の図書館に寄贈、引き取ってもらいました。
あと、どうしても残しておきたい本を選別し、その他は再び目をつぶり泣く泣く結束して、新聞雑誌同様に古紙として収集日に出すことにいたしました。溶解してパルプになり再生紙として生まれ変わることになるのでしょう。
夫婦二人で一室を、趣味や仕事に使うという新しい住宅事情のなせる業です。別居生活よりはアットホームじゃないの。
鳥の博物館や、手賀沼も至近のことだし、戸外での自然観察も自由だから身軽なことは良いことだ。
今日は、隣の猫が吉天爺の様子を窺いにそっと来ましたさ。