バレエ・メソッド アンサンブル・ド・ミューズ スタイル

クラシック・バレエの実際のレッスンをモデルとして、正確に無理なく美しく動き踊るためのヒントやアドバイスをお伝えします。

バー・レッスン vol.4 バットマン・デガージェ(パ・ドゥ・シュヴァル)

2010-10-25 11:35:13 | 日記
前回練習したバットマン・デガージェバットマン・フォンデュを組み合わせた部分はスムーズにシャープに脚を動かせるようになりましたか?
今回練習するのはパ・ドゥ・シュヴァルです。シュヴァル=chevalの意味は《馬》
走り出す前の馬が前脚で地面を掻く、あの足掻きを真似た膝下の動きですよ。
この動きはドゥヴァン、ア・ラ・スゴンド、デリエールのすべての方向で行いますが、膝から下の動きをしっかり理解するために、まずはアンサンブル・ド・ミューズのレッスンで採り入れているア・ラ・スゴンドのパ・ドゥ・シュヴァルから練習を始めましょう。
まず、動きの基本を分解してご説明します。
左手バー、右脚前5番ポジシオン、アームスはアン・バ。
→8 プレパラシオン⇒1 右脚ドゥミ・ポワント→2 フル・ポワント→3 デヴロッペ‐ア・ラ・スゴンド→4 右後ろ5番ポジシオン⇒5 右脚ドゥミ・ポワント→6 フル・ポワント→7 デヴロッペ‐ア・ラ・スゴンド→8 右前5番ポジシオン⇒…
動きが理解出来たら、テンポを速くして
→8 プレパラシオン⇒1 ドゥミ・ポワント→フル・ポワント→デヴロッペ→2 右後ろ5番⇒3 ドゥミ・ポワント→フル・ポワント→デヴロッペ→4 右前5番⇒5 ドゥミ・ポワント→フル・ポワント→デヴロッペ→6 右後ろ5番⇒7 ドゥミ・ポワント→フル・ポワント→デヴロッペ→8 右前5番⇒
となり、さらに
→8 プレパラシオン⇒パ・ドゥ・シュヴァル→1 右後ろ5番ポジシオン⇒パ・ドゥ・シュヴァル→2 右前5番⇒パ・ドゥ・シュヴァル→3 右後ろ5番⇒パ・ドゥ・シュヴァル→4 右前5番⇒…
となって、本来のパ・ドゥ・シュヴァルのテンポになるのです。
始めのドゥミ・ポワントは、5番ポジシオンの爪先の位置を動かさないでカカトをしっかり押し上げ、次のフル・ポワントは足指の裏で床をなぞるように足を押し上げます。爪先を床に押し付けてはいけません
デヴロッペで脚を伸ばす高さは、低めのデガージェです。あまり脚を上げすぎては、美しいパ・ドゥ・シュヴァルになりませんからね
デヴロッペに脚を伸ばすときに、バットマン・フラッペで脚を伸ばした瞬間のように、脚の動きを停めてはいけません。デヴロッペをして脚が伸びきった瞬間から、5番ポジシオンへの引き戻しを始めます。
アンサンブル・ド・ミューズのレッスンでは、『ミルクを舐める“ネコの舌”のように滑らかに』脚を、特に膝から下を動かすように、とアドバイスしています
膝から下を滑らかに動かすためには、股関節のターン・アウトをしっかり守って、腿から膝がグラグラと動かないようにコントロールすることが大切です 内腿でお腹に向かって膝をしっかり吊り上げておきましょう。
パ・ドゥ・シュヴァルの特徴は、デヴロッペをして伸ばした脚の爪先で地面を掻き寄せるような動き、とイメージしてもいいでしょうね。
動きのテンポが速くなったら、デヴロッペをして引き寄せた脚が5番ポジシオンに戻った瞬間から、カカトを押し上げて次のパ・ドゥ・シュヴァルに繋がります
動きのテンポが速くなっても、デヴロッペをして引き寄せたあとの5番ポジシオンが浅く中途半端になってはいけません
では次回、ドゥヴァンとデリエールのパ・ドゥ・シュヴァルを練習することにしましょうね。

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