「失礼ですが、体型の割にはとても健康ですね。どこにも問題はありません。」
昨日は、家内と二人で毎年受けている精密がん検診でした。
冒頭のセリフは、最後に担当医から検査データーの説明時に言われた言葉です。
『体型の割には』は余計ですが、癌はもちろん、コレステロール値、糖、その他すべて問題ないそうです。
コレステロールが少ないデブって何なんでしょうかね。
なんか、情けなくなるほどに健康なんですな。
私って。
それはいいんですけどね。
今年は家内がオプションで『物忘れ検診』なる物を入れやがってたんです。
バカにしやがって。
俺は八十のジーサンか。まったく。
「はい、ご主人はこちらの方で、質問にお答え下さい。」
ヘンだ。
そんなの、ちょちょいのちょいだ。
「桜、猫、電車。はい、今言った単語を繰り返して下さい。」
「（おのれ、そこまでバカにするか。）桜、猫、電車！」
それからいくつか質問が続いた後、
「はい、では先ほど言った三つの単語をここでもう一度言って下さい。」
「え！えーと、桜・・・猫・・・・・（何だったっけ）・・・あ、そうだ。電車だ、電車。」
なかなか、油断できません。
「では、続いて、１００引く７は？」
「九十三！」
「９３ひく７は？」
「え！えーと・・・はちじゅう・・・・・はち。あ、いやウソウソ。えーと、はちじゅう・・・」
「ここにある品物五つを・・・」
タイムショック並の、容赦ない冷酷非情の進行です。
「はい、終わりでーす。それでは、脳のCTを撮りますので、こちらへ。」
はふん
で、
冒頭へ続きます。
「えーと、先生。健康なのは分かりましたが、脳の方はどうでしょう。縮んでませんか？」
ずいぶんと弱気になったもんです。
「それは、これから色々検討して、後日データを送りますから。」
もったいつけやがるなあ。
・・・ほんとに不安になってきた。
お袋がそうですからね。
私がその因子を持ってる可能性は排除できません。
滅茶苦茶健康な事が、むしろ悲劇になりかねません。
しかもデブだし。
ケアする方にとって、こんなに面倒なヤツはいないでしょうからね。
・・・どうしよう。
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