プラムフィールドからのお便り

プラムフィールドでの出来事などを紹介していきます。                            

愚か者よ(むか~し、昔)

2009-06-04 | 社長のつぶやき
ここに一枚の写真があります。


これが誰かという詮索はおいといて、これは私の高校の卒業アルバムからの写真です。
ついでに説明を加えますと、解りづらいと思いますが、右目の上に絆創膏が貼られていますが、その事はここでの話とは関係ありません。

仮に彼の事をここではエッシャと呼ぶことにします。
それでは彼にまつわる、ある話に入りたいと思います。


「土曜日は、オールナイトで朝まで映画がありよるげな。」
デブッチョのオンがエッシャになにやら悪巧みを持ちかけています。

「ポルノば見に行くぞ。」
「ポッ、ポルノーッ!夜通しでや!」

さっそく彼らはこの様なすばらしい計画(どこが!)を2人占めする手はなく、他の数人と示しあわせてある土曜日の深夜、久留米の繁華街の六ツ門まで、自転車で行く事になったのでした。
彼らの中でエッシャとオンなんぞは柔道部なんかに在籍していたようで、この時期現役の身ですので丸刈りです。どう見ても18歳以上には見えません。
しかし自分らの悪巧みに興奮しきっている彼らは、自分らが人にどう見られるかなんて頭の片隅にもありません。
「よっよし、はいるぞ。」
「おー!。」

暗い館内は悩ましい女性のあえぎ声が響き渡っています。適当な席に彼らは座りさっそく、
「うはー、すごかー。」
「うひょひょ、あんな事まで・・・」
愚か者とはこういう奴らにこそ冠せられるべき言葉でしょう。
しかし、そのうち彼らは段々と口数が減り出し
「・・・・・・・・(ごくり)・・・・。」
彼らの目は画面に釘付けです。まったく色気づいた小僧らほど、見ていて恥ずかしいものはないですね。

しばらくしてオンの様子がおかしいのにエッシャは気付きます。
「どうした?」
「シッ!、・・・ ・・・ ・・・。」
あれを見ろとオンの指が前の席の初老(と思える)の人物の後頭部を指しています。
(▲■×▽たい!)
彼らが在籍する高校の教師であり、柔道部の顧問でもある先生の名前を小声で囁くではありませんか。


「オイ、帰るぞ。」
「何でや、まだ入ったばっかりじゃんか。」
「よかけん帰るぞ!」
不審がる他の連中を無理やり外に連れ出し、彼らの深夜の映画鑑賞は忽然と幕を閉じたのでした。

それにしても、エッシャ達もこの時のこの先生の年齢に近づいています。その先生がなんで1人で家庭を抜け出し、あの時間、あのような場所にいたのかはわかりません。しかしエッシャにとって、この事で高校3年間を通じて、最も愛すべき先生であった事(大変可愛がってもらったようです)は、いささかも変わりません。
それよりなにより、あの時の事を気付いていたのか聞いてみたいのですが、それももうかないません。

因みに彼ら達はこの事に懲りて、二度と深夜の映画鑑賞をしない・・・・・はずはなく、つぶらな瞳を何度もスクリーンに釘付けに行った事は言うまでもありません。