ウィトゲンシュタイン的日々

日常生活での出来事、登山・本などについての雑感。

生駒山寶山寺

2017-08-10 07:09:09 | 旅・おでかけ

薬師寺を後にしたのが11時過ぎ。
さて、どこに行こうか。
いろいろと考えを巡らせて、結果、生駒山の寶山寺に行ってみることに。
これまでも生駒山に行ってみたいと思いつつ、なかなかその機会がなかったのだ。
京都駅に戻る途中、西大寺駅から近鉄で生駒駅に出て、生駒ケーブルでわずか1駅。
生駒ケーブルも20分に1本運行されているので、帰りも安心だ。
ところが、西ノ京駅から西大寺駅に向かう途中で雨が降り始めて、西大寺駅では土砂降り。

うひょ~
これじゃ生駒山どころじゃないな
じゃあ、どうするよ
いっそのこと京都で時間を潰すか?
いやいや、京都だって雨が降っているかもしれないし
六波羅蜜寺と六道珍皇寺には行きたいが、ちょっと時間が足りないか?

などと西大寺駅のホームで思案に暮れていたのも束の間、気がつけば雨がやんでいた。

よっしゃ~
目指すは生駒山や~


西大寺駅から生駒ケーブルへの案内矢印にしたがい、陸橋を渡って鳥居前駅へ。
すずらん号に揺られること6分で、宝山寺駅に到着。

駅前を進むと、「聖天通り」とでかでかと掲げられた看板をくぐり、石段の続く旅館街へ。
こう言っては申し訳ないが、温泉もないのに旅館が林立しているのも不思議だし
それにしてはどこもかしこもかなりの寂れっぷり。
雰囲気も怪しげで、花街だったのかも。

杉木立に囲まれ、燈籠が並ぶ表参道の先には、注連縄が張られた鳥居が見える。
ここにも神仏習合時代の名残りがあった。

「生駒の聖天さん」で知られる歓喜天は本尊ではないが(本尊は不動明王)
現世利益を求める人々の信仰を集めたのである。
惣門を入ると、すぐ左手には地蔵堂があり、お地蔵様や観音様が並んでいるかと思えば
右手には七福神がズラリ。

ん?なんだかこの雰囲気、信貴山と似ていないか?


中門をくぐると、左手に水屋があり、右手には岩山を背にして堂宇が並んでいる。
お不動様の石像の隣が天神様のお社。
その隣の瓦屋根の堂宇が本堂で、その奥の檜皮葺の屋根が聖天堂の拝殿である。
歓喜天のおわす聖天堂は、拝殿奥で隠れて見えない。
どちらのお堂も仏様にはお目にかかれない。
聖天堂の拝殿前から伸びる石段を上がる。

規模は小さいが、やはり信貴山朝護孫子寺の雰囲気と似ている。
境内のあちらこちらに堂宇が建っていて、それぞれに祀られている仏様や神様がいらして
ぐるぐると巡りながらお参りするも、行けども行けども拝観料を払う場所が現れない。
結局、境内を参拝して歩くだけなら、拝観料を支払わずに済んでしまうのも共通点だ。

寶山寺の景観で目を奪われるのは、なんといっても背後に控えた岩山だろう。
この岩山は「般若窟」と呼ばれ、役小角が梵本の般若経を納めた場所であるといわれている。
現在は落石やハチの巣などを理由に、立ち入りが禁止されている。

般若窟から進んだ高台に建つ多宝塔。
1957年に建てられ、開山湛海律師自作の愛染明王像が祀られているそうだ。

多宝塔が建つ高台から、境内を見下ろす。

多宝塔から奥の院本堂までさほどかからないようなので、石段を登り始めると…
奥から外国人観光客が歓声とも悲鳴ともつかぬ声を上げながら走ってくるではないか。
どうしたのかと行く手を見ると、スズメバチが数匹旋回している。
これはまずい
大声を挙げながら走って逃げてくるなんて、スズメバチの攻撃対象になるようなものだ。
すかさずその場を離れるぴすけ。
残念ながら奥の院本堂はおあずけとなってしまった。

だらだらと石段を下り、境内を見回すと、写真のような石碑がたくさん並んでいる。
たくさん、などという言葉が陳腐に感じるくらい、もうそれは
ズラーッと、ダダダダーッと(←こっちの方が陳腐?)並んでいるのだ。
しかも、1000万円なんてざらで、ご覧のとおり一億円という奉納金額も珍しくない。
こりゃすごい
ある所にはあるって言うけれど、本当なんだな。
石碑に刻まれている「浴油」とは何かと思って調べてみると
歓喜天を祀る寺院では、「浴油供」とか「浴油祈祷」と呼ばれる行法が毎晩行われており
そこで用いる油代を奉納した方々が建てた石碑ということらしい。


なんだか最後は驚くばかりで、3日間の旅を締めくくったのだった。
この後京都駅に戻り、帰りの新幹線を繰り上げて早めに帰宅。
帰ってきた埼玉も、猛烈に暑かった



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