道草あつめ

日常思いついた由無し事を、気ままに拾い集めています。

「さて、そろそろ反撃してもいいですか?」

2007-05-10 14:06:11 | 社会一般
4月の契約実績で、ソフトバンクが初めて純増加を達成し、
番号ポータビリティー制導入以来、顧客数が減り続けているのは、
ドコモだけとなった。
http://www.asahi.com/business/update/0509/TKY200705090262.html

そんな中で、ドコモが新たに打ち出したのが、「ドコモ2.0
――「ウェブ2.0」のパクリ、と言ってしまえば身もフタもないが、
要するに、ドコモが進化して、今までの携帯とは根本的に異なる、
ということを強調したいのであろう。

今までのドコモのイメージとは異なるデザインの広告を作り、
特別のホームページを立ち上げて、
TVのCMや、駅にポスターを貼るなど、かなり力が入っているが、
「さて、そろそろ反撃してもいいですか?」
「絶対にマネできないケータイ、遂に完成。(いまのところ)」
といったキャッチコピーは、力が入りすぎて、暴投の感が否めない。

「絶対にマネできない」「(いまのところ)」というのは、
いわゆる「若者っぽさ」を追求したものであろうが、
何となく幼稚な響きがある。
若者言葉の軽い雰囲気を取り入れようとして、
やや軽薄になりすぎてしまったような気もする。

そして、何よりまずいのが、
「さて、そろそろ反撃してもいいですか?」
――負け惜しみというレベルを超えて、何かを見下しているような響きである。
もちろん、負け続けとはいえシェアNo.1であるし、
最も実力がある者が不利に陥りながら、それを後から挽回する、
というのは、古今人気のある筋書きである。
しかし、「さて」「してもいいですか?」という、余裕のある口調、
丁寧な言葉を使うことで、却って謙虚さが感じられなくなり、
どことなく傲慢で、俗悪な後味が残る。
少なくとも、人をして応援する気にはさせられないのではなかろうか。

私は以前からNTTドコモの宣伝力には疑問を持っていたが、
今回、更にまた、その思いを強くした。

どの携帯会社も、契約内容・電波状況・基本的サービスとしては一長一短であるし、
ドコモが特別不利だとは思わない。
しかし、いまいちイメージがよろしくない。
「高い」「電波が悪い」「サービスが微妙」
こういった悪いイメージを払拭すべきであるのに、
効果的な広告を打たないばかりか、
どことなくお高くとまった、逆効果のキャッチフレーズを使ってしまう。

さて、そろそろちゃんと反撃して下さい!