道草あつめ

日常思いついた由無し事を、気ままに拾い集めています。

まごころあったか?

2007-02-25 19:52:54 | 街中
もはや定かではないが、かなり昔の記憶で、
親が弁当屋で、のり弁を買ってきて、それが非常に美味しかったことがあった。
それ以来、幼い頃の私にとって、弁当屋ののり弁というのは憧れのものであった。
「憧れ」というのは大げさかもしれないが、
幼い子供には、極力家で作った料理を食べさせるというのが母の方針で、
たまに外食することはあっても、弁当屋で弁当を買って帰るということは滅多になかった。
そのため、ごくたまに食べる弁当屋ののり弁当は、幼い私にとってはご馳走であったのだ。

しかし、それ以来、何度か食べたことがあったのだが、
初めて食べた時ほど美味しく感じたことはなかった。
最初に食べたものだって普通のチェーン店のものなのだから、
味にそれほど違いがあったとは思えない。
おそらく、記憶の中で味が美化されてしまったのであろう。

美化された味とのギャップにがっかりし続けたためか、
最近は、自分で買うことができるようになっているのに、
全く食べていない。
それでも、幼い頃から見慣れた弁当屋の前を通りかかると
何となく、のり弁に憧れた頃を思い出す。



先日も、昔からよく見ていた弁当屋の前を通ったのだが、その時、
ポスターの、ある言葉が目についた。

「まごころあったか」

真心が有ったか? いったい何のことであろうか。
よくよく読んで見ると、少し離れたところに、

「おいしい弁当」

と書いてあった。
なんだ、「真心温か、おいしい弁当」か。

しかし、「まごころあったか」で文章を切られたら、
何だか、真心の有無を問われているようである。