道草あつめ

日常思いついた由無し事を、気ままに拾い集めています。

下妻物語

2006-07-31 04:21:58 | その他雑記
友人の部屋で『下妻物語』を観た。

以前テレビでも放送されていたので、多くの人がすでに観ているとは思うが、
私は全部を観たのは今回が初めてであった。

まず、設定がムチャクチャ。
それから、登場人物はもっとムチャクチャ。
一番ムチャクチャなのは主人公。
こんな三重苦ならぬ三無茶な映画で、終始荒唐無稽で笑わせてくれるが、
しかしそれだけでなく、何か人に訴えるものもある。

人によって、この作品から感じ取ったテーマは異なると思う。
親、友人、生き様、幸福などなど、様々な要素が中にこめられている。
その中で、私が最も強く感じたのは、
人が、人間として生きていくためには、誰かに必要とされることが大切だということである。

人は、他人に物質的あるいは精神的に頼って生きているのであるが、
しかし、他人に頼られることこそ、生きるための強い動機になるのではないか。
つまり、「頼られる」ことに頼っているわけである。
そして、誰かに頼っている人間というのは、
相手には「頼られている」ことを頼られているという点で、
実は「頼る」ことによって頼られているのである。

逆説的ではあるが、助けを求めることによって相手を助ける、とでも言おうか。
そんな、人と人との不思議な関係を描いた作品ではないだろうか。