ちょっとピンぼけ/倉敷界隈

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今日の見もの(モーツァルト・ピアノ協奏曲第20番)

2011年06月20日 08時00分18秒 | 見もの

モーツァルト ピアノ協奏曲全集 アルフレッド・ブレンデル

以前に書いたが、NHKBSプレミアムの名曲探偵アマデウスが気に入っている。あれっていつでもやっているわけではなく、しばらく放送してなかった。今回のがモーツァルトのピアノ協奏曲第20番で、久しぶりにこの箱を引っ張り出してみた。

この箱はかなり前に買ったものだ。とても高かった。日本版だが、当時は同じものの輸入盤が数分の一~10分の一で手に入るなんて知らなかったし、そもそもあの頃に輸入盤を簡単に手に入れられたかどうかも知れない。いきおい選択肢は日本語版しかなかったわけで、それもブレンデルのは全集しか手に入らなかったので仕方なく購入したのを思いだした。これにはあるきっかけがあった。

10数年前、今とは別の仕事をしていて、当時流行りつつあったMP3を仕事に使えないかと研究(と言うほどのことではないが)していた。そこで色々なジャンルのCDを持って来て試していたのだが、近所のTSUTAYAでクラシックを借りた1枚がブレンデルの戴冠式だった。私はそれを非常に気に入り、是非自分でも買いたいと探した。しかし廃盤なのか手に入れることが出来なかった。数年後、ふとネットで検索したら、1枚もののCDはヒットしなかったが、全集が見つかった。私はひどく悩んだ。それは値段だ。1万以上、ひょっとしたら2万円近かっただろうか、とにかくお金に悩んだが、昔の思慕を振り払いがたく買う決心をした。欲しかったのは戴冠式なので、他のは余り聴かず26番ばかり聴いていた。アマデウスでは20番だったので、じっくり聴いていようと思って探し出したのだ。

この曲、今の自分の状況を音譜に載せたようで非常にタイムリー。第1楽章は不安で心を揺さぶられるような音、第2楽章は落ち着いた安らぎ、第3楽章はまた不安な旋律ながら、もっと前向きな音が流れてくる。

アマデウスによると、当時のピアノ協奏曲は貴族たちのダンスの際に演奏したりして華やかな曲調にするものだったが、この20番は全く違う。革新的ではあるが、「悪魔的」とも言われる曲だそうだ。それにしても第2楽章のあの安らぎは何? あの曲だけ演奏したCDもあるが、アマデウスを見てからは、モーツァルトのためには全部を演奏しないとダメだろうと感じている。一部だけとっても彼の意図はわからないだろう。まぁ2楽章だけをオムニバスCDに入れる気持ちもわかるけどね。

さて、ブレンデルのCDがいいかどうかはわからないけど、20番は一度通して聴いてみて欲しいと思う。全集が欲しい人はHMVで輸入盤を検索したら安くて手に入るだろう。私は、早く「戴冠式を聴く華やかな気分」になりたいものだと思っている。あれを聴くと気持ちが高揚して嬉しく華やいだ気分になる。ああいう心持ちで過ごすのがいいだろう。あと少しだけ気になることが決着したらそうなるに違いない。その時は全集を通して全部聴いてみようか。最後に戴冠式を聴くことにしよう。

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