猛禽類は高い枯れ枝にとまるという。
これは猛禽類じゃないけど、鷹や鷲、ハヤブサなどはぽつんと白骨のように立った高い枯れた木にとまっている。その姿は哲学者のようで、凛とした孤高の存在のように写る。それだけの思考力があるのかは知らないし、ひょっとしたら見やすいところにとまって餌を探しているだけのことなのかも知れない。でもそう感じるのは、人間が姿・外見から中身を推し量ろうとする性の故か。
植物も同じ。青い葉しかない山道で一つだけ花咲いていると、なぜあなたはここにいるの、誰も見る人もいないのに、いま何を考えているのと問いたくなる。
花に思考力があるわけはない、何か考えているわけはない。そうは思うが、本当は私たちよりも高貴な存在かも知れないなとも思う。人間みたいにぐだぐだ言わないもんな、あななたちは。