◆ 今こそ少人数学級を
「あれもこれも」の学校 (週刊新社会)
閉鎖が明けた学校現場で、学習の遅れや感染予防に追われる教員たちが悲鳴を上げている。
朝一番で教室の窓を開け、登校してくる児童・生徒が家庭で検温してきたかをチェック。忘れた子どもが毎日数十人は列をつくり、学校で検温する。
消毒や給食の配膳といった業務も増大する。
当初、「『クラス全員分、担任が配膳せよ』との教育委員会の指示、児童のお代わりも教員がよそうことになっているので、食べる時間もない。給食は5分間でかきこみ、午後の授業へ。休憩時間は座席の列ごとにトイレに行かせ、手を洗ったかを確認。自身がトイレに行く時間はなく、午前中は水を飲まないようにしている。放課後は消毒作業。机、いす、掃除道具、ドアなどを丁寧に拭いて回るが「どの程度やれば滅菌できるのかも分からない」。
教室はクーラーがあるが廊下にはなく、その上、マスクをしながら大きな声で授業をするのでくたくたになる。
職員室に戻ると午後4時すぎ。翌日の授業進備に取り掛かる。家庭訪問を行う日もある。
「授業で小テストを実施すれば、採点しているうちに時間はあっという間になくなる」。
帰宅しても夕食を準備する体力も気力もなく、最近は弁当ばかり。夫も仕事をしており、家事育児を終えて就寝できるのは午前1時すぎ。
子どもの夜泣きで起こされる日も。「耐えるしかない。早くコロナ前の状況に戻ってほしい」。
綱渡りのような日々が続く。(東京都内の小学校教員)
新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、学校現場は授業計画や登校予定の度重なる変更にも振り回されてきた。
文部科学省や各教育委員会は、学習支援や消毒作業などに従事する人員を新たに配置し、教職員の負担軽減を図っているとするが、このような多忙化の中、東京都教委や校長が強制しているのは”君が代”だ。
高校は入学式そのものをやらなかった学校が多いが、卒業式は都教委が2月28日、起立させた上で生徒に”斉唱”を強制する事務連絡を2度も出した。(東京都内の高校教員)
しかし、前進の芽もある。コロナ禍の中で、児童生徒一人ひとりに目が行き届きやすく、大半の教員にとって長年の悲願だった「少人数学級」。
新型コロナウイルス対策で密を避けられる利点もあり、実現への期待がさらに高まっている。独自に実践する自治体では、限られた財源でのやりくりに知恵を絞る。
だが、国の予算が不十分な状況では、教員や教室の確保など課題が多い。
『週刊新社会』(2020年9月22日)
「あれもこれも」の学校 (週刊新社会)
閉鎖が明けた学校現場で、学習の遅れや感染予防に追われる教員たちが悲鳴を上げている。
朝一番で教室の窓を開け、登校してくる児童・生徒が家庭で検温してきたかをチェック。忘れた子どもが毎日数十人は列をつくり、学校で検温する。
消毒や給食の配膳といった業務も増大する。
当初、「『クラス全員分、担任が配膳せよ』との教育委員会の指示、児童のお代わりも教員がよそうことになっているので、食べる時間もない。給食は5分間でかきこみ、午後の授業へ。休憩時間は座席の列ごとにトイレに行かせ、手を洗ったかを確認。自身がトイレに行く時間はなく、午前中は水を飲まないようにしている。放課後は消毒作業。机、いす、掃除道具、ドアなどを丁寧に拭いて回るが「どの程度やれば滅菌できるのかも分からない」。
教室はクーラーがあるが廊下にはなく、その上、マスクをしながら大きな声で授業をするのでくたくたになる。
職員室に戻ると午後4時すぎ。翌日の授業進備に取り掛かる。家庭訪問を行う日もある。
「授業で小テストを実施すれば、採点しているうちに時間はあっという間になくなる」。
帰宅しても夕食を準備する体力も気力もなく、最近は弁当ばかり。夫も仕事をしており、家事育児を終えて就寝できるのは午前1時すぎ。
子どもの夜泣きで起こされる日も。「耐えるしかない。早くコロナ前の状況に戻ってほしい」。
綱渡りのような日々が続く。(東京都内の小学校教員)
新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、学校現場は授業計画や登校予定の度重なる変更にも振り回されてきた。
文部科学省や各教育委員会は、学習支援や消毒作業などに従事する人員を新たに配置し、教職員の負担軽減を図っているとするが、このような多忙化の中、東京都教委や校長が強制しているのは”君が代”だ。
高校は入学式そのものをやらなかった学校が多いが、卒業式は都教委が2月28日、起立させた上で生徒に”斉唱”を強制する事務連絡を2度も出した。(東京都内の高校教員)
しかし、前進の芽もある。コロナ禍の中で、児童生徒一人ひとりに目が行き届きやすく、大半の教員にとって長年の悲願だった「少人数学級」。
新型コロナウイルス対策で密を避けられる利点もあり、実現への期待がさらに高まっている。独自に実践する自治体では、限られた財源でのやりくりに知恵を絞る。
だが、国の予算が不十分な状況では、教員や教室の確保など課題が多い。
『週刊新社会』(2020年9月22日)
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