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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

都教委要請(2021.1.21)国際人権プロジェクトチーム

2021年01月26日 | 日の丸・君が代関連ニュース
東京都教育委員会 教育長 藤田祐司 殿

◎ 国際人権に関する質問

 昨年の当会の質問に対する貴委員会の回答及びその回答に対する外務省及び文科省の見解を添えて、昨年に引き続き国際人権に関する質問をいたします。

 1.東京・教育の自由裁判をすすめる会は、先月11日に文科省に要請する機会を持ちました。その中で「地方公共団体の条約遵守義務」についての要請と確認を行いましたが、その件について文科省から都教委に何か連絡はありましたか。あったら、その内容を教えて下さい。
 2.東京都教育委員会には、自由権規約などの国際人権諸条約を遵守する義務がありますか。昨年この質問に対して、「都教育委員会は、締約国の地方公共団体として国際人権規約について答える立場にありません」(添付資料1)との回答でした。しかし、その件について外務省(添付資料2)と文科省(添付資3)は各々、「東京都教育委員会には条約遵守義務があります」と答えています。
 東京都教育委員会は「答える立場」にあることは間違いないので、改めて貴委員会には自由権規約を遵守する義務があるかないか、明快にお答えください。
 3.外務省が「東京都教育委員会等の地方公共団体は、自由権規約が規定する内容を遵守する義務を有しています」(添付資料2[事前質問に対する外務省回答])、「条約の中味は、地方公共団体も責任持っていただきたい」(添付資料2[質疑応答」])と言っていることについて、都教委の見解を示して下さい。
 4.文科省が「東京都教育委員会など地方公共団体における活動も含めて義務を履行されるべき責務を負っていると承知している」(添付資料3[質疑応答」])と言っていることについて、都教委の見解を示して下さい。
 5.貴委員会に条約の遵守義務があるとお認めになるなら、自由権規約委員会からList of Issues パラグラフ26で問われている「2003年に東京都教育委員会によって発出された10・23通達を教員や生徒に対して実施するためにとられた措置の自由権規約との適合性」に関して、10・23通達は規約18条に適合しているのか適合していないのか、もし規約18条3項の「厳しい条件」に適合しているとするならどの条件にどのように適合していると判断されているのか、都教委としての見解を示して下さい。
 2021年1月21日
東京・教育の自由裁判をすすめる会 国際人権プロジェクトチーム
<連絡先> 花輪紅一郎 h516@jcom.zaq.ne.jp(略)
<回答期限> 2021年2月18日(木)


 <添付資料1>
≪2020年1月27日当会の質問に対する、令和2年2月21日貴委員会回答≫
31教総情要第92号の2
令和2年2月21日
 1 東京都教育委員会は、締約国の地方公共団体として国連自由権規約の遵守義務があるかどうか、明確に答えられたい。資料として、外務省及び文科省の見解と過去の都教委要請時の回答も添付するが、これまでの「答える立場にない」などの回答を訂正する必要があれば理由を付して訂正されたい【参考資料1参照】。
 (回答)
 都教育委員会は、締約国の地方公共団体として国際人権規約について答える立場にありません。(所管:総務部教育政策課
 【参考資料1】 (2)<各省庁への質問と回答から>(2019年12月6日)
 [外務省総合外交政策局人権人道課 宮川光國主査]
 Q:東京都教育委員会に、自由権規約遵守義務があるかないか、明確に答えられたい。
 A:ご質問について簡単に伝えれば、東京都教育委員会は、自由権規約を遵守する義務があります。
 [文科省初等中等局財務課教育公務員係 吉田欧太専門職]
 Q:都教委には国際条約を守る義務はないのか。
 A:外務省でも話されたと思うが、国際法上の権利の主体が日本国であるということは、日本国家の統治機構全体として、東京都教育委員会など地方公共団体における活動も含めて日本国内において義務を履行されるべき責任を負っているものと承知している。
 <添付資料2>
≪2020年12月11日 国際人権活動日本委員会主催の外務省要請の記録から≫
外務省担当者 宮川光國 総合外交政策局人権人道課主査
(下線は引用者)

 [当会からの事前質問] (条約の自動執行力と地方公共団体の条約遵守義務について)
 昨年この場で、人権人道課主査宮川光國氏は、事前質問に対して「東京都教育委員会は、自由権規約を遵守する義務があります」と答えられた一方で、「東京都教育委員会等地方公共団体は、国内法に定めた内容に従って事務を行う義務を負っているので、国内法におとしこんだものに従って運用しなければなりません」と、あたかも国内法に何らかの改定がなされるまでは遵守義務が生じないかのような説明をされた。
 しかし、自由権規約に「自動執行力」があることは、元自由権規約委員長の岩沢雄司氏が『条約の国内適用可能性―いわゆる“Self-executing”な条約に関する一考察』(有斐閣1985年)で解説しており、国内法の改定を待たずして適用可能なのが定説ではないか。特に東京都教育委員会が問題にされているのは規約18条・19条に関してであるが、この条項に自動執行力はないというのが、外務省の公式見解なのかどうか教えていただきたい。
 [事前質問に対する外務省回答]
 まず去年私が申し上げたことは、自由権規約の定めに関し、国際法上の権利義務の主体となるのは日本国であり、国家の統治機関全体として、東京都教育委員会などの地方公共団体を含め、日本国内において自由権規約が定める義務が履行される状況を確保する責任を有している。その上で、国際約束の締結に対しては、国際約束を国内で履行するため、また国際約束と国内法令の内容が矛盾することのないよう必要に応じて立法措置や法改正を行っており、東京都教育委員会などの地方公共団体はそうした法律に従って事務を行う義務を持っていると言うことを昨年は申し上げました。
 誤解のないようにさらに敷衍すれば、このような必要に応じて行われる立法措置や法改正は、条約締結前に行われることであり、また条約の締結の後に条約に規定された内容は、日本国内における効力が発生します。そして各条約が規定する内容に対応する国内法がなければ、日本国内における効力が生じないというわけではありません。
 すなわち現時点において、東京都教育委員会等の地方公共団体は、自由権規約が規定する内容を遵守する義務を有しています。なお、自由権規約の18条・19条につきましては、憲法19条・20条・21条・23条で保障され、日本国内における実施が担保されています。
 [質疑応答] (都教委の条約遵守義務について)
 Q:すると、当然東京都など地方自治体もその権利を、都民に保障しなければいけないことになる。そこで、今日持参した追加資料(注:令和2年2月21日都教委回答)をご覧いただきたい。昨年12月宮川様から回答をいただき、1月に都教委に質問をぶつけた時の回答である。具体例があった方が良いと思って持参した。
 都教委は「都教育委員会は、締約国の地方公共団体として国際人権規約について答える立場にありません」と、答をはぐらかしている。都民の人権を保障する立場にある都教委が「答える立場にありません」と、あたかも関係がないかのごとく答えるのは、人権保障を放棄しているように聞こえてしまう。こういう回答は、締約国の地方公共団体の態度としてとして適切なのか、外務省の回答と矛盾していないのか。
 A:個人的な回答になるが、地方公共団体の条約遵守義務はある、ただ条約そのものについて多分、解釈する権限は外務省にあるので、そういう意味で、「国際人権規約について答える立場にはない」と言ったのかも知れない。いずれにしろ条約の中味は、地方公共団体も責任持っていただきたいし、我々政府もそういう立場で、法務省とか通して啓発しているし、自由権規約云々の前に、憲法19、20、21、23条は地方公共団体としてそれは国内法だから、知らないはずはなくてそれは当然ちゃんと遵守していただいているという話だと思う。
 Q:こういう地方自治体の対応を放置しておいて良いのか。啓発して徹底させていくのは、政府の責任じゃないのか。
 A:外務省から文科省に伝えておくので、今日この後文科省に行かれた時には、文科省から都教育委員会に条約遵守義務があることを申し上げていただければと思う。啓発等は間接的に行っているが、われわれが文科省を飛び越えて、直接都教育委員会に話すわけにいかないので。
 Q:文科省から、条約を遵守するようにと、伝えてもらった方が良いと言うことか。はい分かった。
 <添付資料3>
≪2020年12月11日 国際人権活動日本委員会主催の文科省要請の記録から≫

外務省担当者 竹野健太 初等中等教育局初等中等教育企画課教育公務員係専門職
(下線は引用者)

 [質疑応答] (都教委の条約遵守義務に関する答が、文科省の見解と異なる件について)
 Q:時間がないので、もう一件追加でお渡しした資料について質問する。なぜこの外務省宛の資料をここに持ってきたかというと、午前中に外務省でこれを見せたところ、この都教委の回答は明らかに外務省の見解、それから昨年はこの場に吉田専門職が来ておられたがその回答とも異なる内容である。そこで外務省に対して、国として条約遵守義務をちゃんと各地方自治体に伝えるべきではないかと言ったところ、教育委員会には外務省からは直接モノを言うことができない、言うとしたら文科省からだ、と言われた。そこで、改めてお願いだが、国が批准した条約について、都教委は正面から答えていないのをおわかりいただけると思う。締約国の自治体が、条約を遵守する、すなわち都民の権利を国際水準で保障するというのは義務のはずだ。文科省の方から、きちんと国際水準の人権保障をするようにと、都の方に伝えていただきたいのだが、いかがか。
 A:こちらの回答については、昨年の吉田専門職(注:吉田氏は竹野氏の前任者)と同じになってしまうが、やはり東京都教育委員会など地方公共団体における活動も含めて義務を履行されるべき責務を負っていると承知しているので、ご意見として承っておく。
 Q:東京都教育委員会のこの回答は、不適切ではないか。
 A:必ずしも、われわれの方もこれが事実関係も含めて確認はまだしていないところだが、いずれにせよ義務を履行すべき責任を負っていると承知しているのでそこについては担当の方が対応する。
 Q:じゃお願いします。


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