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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

根津公子の都教委傍聴記・2013年12月19日

2013年12月26日 | ノンジャンル
 ◆ きょうも都教委への批判にはダンマリを決め込んだ委員たち
 2005,2006年に「君が代」不起立で減給以上の処分を受け、9月の最高裁判決で「重きに失する」として処分取消しとなった人のうち、現職にある7人について17日、都教委は戒告処分を発令し直しました。「退職するまでは処分の対象となる」(都教委担当者の弁 東京新聞)というのです。これについての怒りから定例会を傍聴した人も多く、きょうの傍聴者は17人。都教委を監視する目的での傍聴者がほとんどでした。きょうも私たちは、「誓約書」に従うことを求められ、背面監視をされる中での傍聴でした。
 都教委HPの告示には非公開議題の一つに「校長の解職について」とあり、傍聴者の何人もが「いったい何事?」と言葉を交わしていたところ、傍聴者に配られた議題では、「校長の異動について」に変わっていました。帰宅後、HPを見ると議題の「訂正」が掲載されていました。校長職を解職して、他部署に異動させた事案、だったのでしょうか。
 公開議題は①「請願処理規則」の一部改正を求める請願に対する回答について ②4~9月の都民の声(教育・文化)についてほか、3件ありました。
 ①:2002年以降、都民が提出した請願は、担当の所管に回すだけで、教育委員会では検討されません
 夏の教科書採択に当たり、実教出版「高校日本史」を選定しないよう都教委が「見解」を出したことに、たくさんの団体個人が抗議の声をあげました。
 それとともに、教育委員会へ提出された請願のすべてについて、教育委員会の会議の場で教育委員によって検討することを求める請願書が、64団体1名から出されていました。①はその請願についての都教委の回答でした。
 「請願の迅速な処理及び会議の効率化の観点から見直しを行った」が「変更する必要」はない、との回答の報告。どのような見直しを行ったか、具体的には一切なし。
 「本年6月以降は、すべての請願について、その件数及び内容について年に2回、定期的に教育委員会で報告を受けている」からいいのだと居直っています。
 半年後に報告されても時機すでに遅し、しかも、報告では②に示すように、検討はされません。求めているのは検討です。教育委員会制度を自ら否定するものです。
 ②:「都民の声」は2271件。これを性質別に見ると、「苦情」が1775件、「要望」が272件、「意見」が125件。「苦情」は前年度同期と比べ、928件の増加。
 「苦情」の主なものは、「教育委員への意見について」が360件、「体罰・不適切な指導について」が339件、「生徒のWEBへの不適切な書き込みについて」が59件、「都立高校日本史教科書採択について」が54件。「教育委員への意見について」の360件とは、乙武委員がイタリアン入店拒否されたことをツイッターで叩いた件でした。
 声を分野別に見ると、「教職員」に関するものが最多で965件あり、そのうち、「体罰・不適切な指導について」が338件、「国旗掲揚・国歌斉唱と教員の処分について」が71件ということでした。
 「請願」は113件。そのうち、「都立高校日本史教科書採択について」が107件、「教員の労務管理について」が1件ほか。
 「陳情」は86件。うち、「都立高校日本史教科書採択について」が35件、「国旗掲揚・国歌斉唱と教員の処分について」が11件。いずれも都教委に「止めろ」と求めるものです。
 この報告が終わるのを待っていたかのように乙武委員は「ア.言いたいこともあるのですが、・・・イ.深く反省し、お詫びします」と発言。謝って、けりをつけたいとしか思えませんでした。本当に反省しているならば、この議題が上がる以前の反省した時点で、自ら謝罪発言をしていたはずですから。
 「請願」の「教員の労務管理について」(労基法と学校関係法令を遵守した学校経営を求める趣旨)に関し竹花委員は、「一部の教員、校長、副校長の働き方がブラック企業化している。労基法の基準が頭にない。管理者の意識変革が必要だ。検討をすべき」と発言しました。
 発言自体はまっとうなものでした。しかし、まるで評論家その責任の大半が都教委に、教育委員の会議(=定例会)にあることには気づかない様子。都教委が教育に介入し、意味のない書類作成を課すことが教員たちを多忙にしている現実を、都教委及び教育委員は認識し、反省すべきです。
 普段の定例会では「活発」に発言をする教育委員ですが、これら都教委を批判する声や請願等に対しては、前述した竹花発言以外には何の発言もありませんでした。
 見たくないものには目をつぶり、無視するおごった態度に怒りが湧きます。「都教委への批判にこそ、意見を述べなさい」と言いたい。
 議事が終わったところで竹花委員が発言しました。12月13日に「今後の地方教育行政の在り方についての答申(中教審)」が出たことについて、「都教委の考えと異なった答申だ。教育の中立性、専門性等、長いスパンで考える問題だ。いまの教育行政は、分権化して一極集中を防ぐ仕組みで成り立っている。しかるに、教育委員会をなくすかどうかだけの問題にしている。いま教育委員会があることによって何かまずいことがあるのか、なぜ変えるのか、変えたら利点があるのかを出して議論すべき。都教委としても議論したい」と。
 傍聴者の大半は、今の都教委の強権的な教育行政に強く反対する人たちです。ですから、竹花委員の発言に黙ってはいません。「何が中立だ」「君が代・再処分を撤回しろ」「自衛隊宿泊訓練を止めろ「定例会を非公開にするな」などなど、一斉に、しばらくの間、声をあげ、「静かに」を連発する木村委員長の声もかき消されていました。委員長は今さら、「不規則発言、退場!」とも言えず。
 「都民の声」もそうですが、傍聴者の声を真摯に受け止め、教育委員会のあり方を論議できる教育委員がいないのが、悲劇です。
『レイバーネット日本』(2013/12/23)
http://www.labornetjp.org/news/2013/1219nezu
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