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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

東京都教育委員会への1008「要請書」<全国ネットワーク(仮称・準備会)>

2014年10月12日 | 日の丸・君が代関連ニュース
許すな!「日の丸・君が代」強制 止めよう!安倍政権の改憲・教育破壊 全国ネットワーク
連絡先:「全国ネット」世話人・小野政美(○○○)

要 請 書

 東京都教育委員会に対し、以下のことを強く要請する。本要請書に対する回答を「全国ネットワーク」連絡先宛に求めるものである。
 ① 東京都教育委員会は、10月17日に予定されている田中聡史さんへの人権侵害の「服務事故再発防止研修」を即時中止すること。
 ② 東京都の教員である井黒豊さん、田中聡史さん、STさん、SAさんに対し都教委が行ってきた、日本国憲法で保障された「思想・信条・良心の自由」違反、自由権の国際人権規約違反であり、自分で考えずに指示に従う子どもや教職員をつくることに繋がる「日の丸・君が代」強制、「君が代」不起立処分、「君が代処分」に関わる「服務事故再発防止研修」を、今後一切中止すること
 ③ 2013年度卒業式・2014年度入学式の「君が代」斉唱に関わる、井黒豊さん・田中聡史さん、都立工芸高校のSTさん、調布市立第三中学校のSAさんへの不当処分を一刻も早く撤回すること
 ④ 東京都教育委員会と東京都立板橋特別支援学校長は、官公署の責任者としての責務を果たし、憲法に保障された市民の正当な権利行使である要請に応えること。また、警察力を導入したり、門扉を閉ざし敷地に入れさせないなどの人権侵害の対応を決して行わないこと。さらに、このような、官公署の責任者としての責務を果たさず、憲法に保障された権利を踏みにじり、要請者を排除したことを、要請当事者に謝罪すること。
 ★ 東京都教育委員会への要請の理由について

(1)東京都教育委員会は、卒業式処分・入学式処分に関する東京都研修センターでの「服務事故再発防止研修」を強行し続けている。これまでに、都立工芸高校のSTさん、調布市立第三中学校のSAさん、都立高校教員井黒豊さんへの「研修」強行を終了し、田中聡史さんには、10月17日にも東京都教職員研修センターでの「服務事故再発防止研修」を強行しようとしている。
 私たちは、東京都教育委員会が、来る10月17日に予定している人権侵害の「東京都教職員研修センター」における「服務事故再発防止研修」を即時中止すること、そして、自分で考えずに指示に従う子どもや教職員にすることに繋がる「君が代」処分と「服務事故再発防止研修」の中止を強く求めるものである。
 さらに、「全国ネットワーク」として行った8月26日付東京都教委への要請書に対する「平成26年9月25日、東京都教育庁総務部教育情報課長・上野正之」氏の名による(回答:1から3)「個別の人事に関する事項については、お答えできません。なお、都教育委員会は、懲戒処分の原因となった服務事故の再発を防止するため、関係規定に基づき、懲戒処分を受けた者に対し、服務事故再発防止研修を実施します。当該研修については、静ひつな環境の下で、適切に実施される必要があると考えます。都教育委員会は、今後とも当該研修の適切な運営に努めていきます」という無責任な回答を撤回し、東京都の教員・市民を含む教員・市民の正当な権利行使である要請に東京都教育委員会が耳を傾けるよう申し入れるものである。
(2)卒業式・入学式で「君が代」起立を拒否した教職員に対し、処分をしないことを求めるという都教委に対する私たちの要請を踏みにじり、東京都教育委員会は、2014年4月30日、2014年度入学式での「君が代」不起立に関して、都立高校教員の井黒豊さんへの「減給十分の一、六ケ月」処分、都立板橋特別支援学校教員の田中聡史さんへの「減給十分の一、一ケ月」処分を行った。私たちは、これらの処分の即時撤回することを求めるものである。同時に、都教委が、2014年3月31日、2013年度卒業式での「君が代」不起立に対して行った、都立工芸高校のSTさんと調布市立第三中学校のSAさんへの戒告処分、都立板橋特別支援学校教員の田中聡史さんへの「減給十分の一、一ケ月」処分を即時撤回することを、ここに改めて求めるものである。
(3)卒業式・入学式ともに「君が代」不起立をし、減給1ヶ月処分を受けた田中聡史さん(板橋特別支援学校教員)に対しては、4月に始まり10月17日まで25回にも及ぶ「服務事故再発防止研修」を強行している。このような「研修」は、田中聡史さんのみならず、井黒豊さん、STさん、SAさんに対しても同様に行ってきた。その度に、田中さん・井黒さんたちは、日本国憲法で保障された思想及び良心の自由・表現の自由・教育の自由を侵害されて、「反省」を求められているということに他ならない。
 東京都の学校で「日の丸・君が代」強制が始まったのは2003年であり、それに抗してこれまで多くの教員が不起立をしてきたが、都教委の不当な処分攻撃により、ここ数年はその数も激減し、2014年の入学式は田中聡史さん(減給1月)と井黒豊さん(減給6月)の二人だけになった。
 都教委は、例年不起立教員を処分すると共に「再発防止研修」と称して、思想転向の「研修」を強要してきたが、それも、2012年の累積加重処分を原則違法とした最高裁判決までは年に1~2回だった。しかし、2012年3月に「再発防止研修」の要綱を改定し、今年、田中さんに対しては、研修センターでの研修が3回、研修センターや経営支援センター(ともに都教委の出先機関)の統括指導主事が学校に出向いての「訪問研修」が4回、さらに学校長の研修が毎週1回(通産20回程度)と、6ヶ月間に計25回にも及ぶ「研修」が課せられた。その内容も、今までは「地方公務員法(服務規律)について」だけだったが、「再発防止研修」の要綱改定後は、「教育における国旗掲揚及び国家斉唱の意義と教育者の責務について」が加わり、思想転向をさらに強要するものになっている。
 この「研修」は、また、都教委が、不起立を続ける田中聡史さん、井黒豊さんたち4名に対し、「『反省』の機会を与えたのに『反省』がなく、職務命令違反を繰り返した」と、すなわち、「不起立前後の態度」がよくないとして、さらに重い処分をするために「再発防止研修」を行っているとも考えられる。最高裁判決は、不起立を繰り返すだけでは「懲戒を超える重い処分は違法」としたところ、都教委は2013年以降、田中聡史さんに対し、最高裁判決が違法とした「減給十分の一、一ケ月」処分を発令していることを見れば、それは明白である。また、井黒豊さんに対し行った「減給十分の一、六ケ月」処分を発令したことは、「再発防止研修」とは関係ないが、「不起立前後の態度等」を悪用したものであり、許すことのできないことをここに改めて表明する。
(4)2014年9月24日(水曜)午後4時から5時まで、東京都教育委員会指導主事等3名による板橋特別支援学校における「訪問研修」が行われた。そこでの「研修内容」は、「これまでの訪問研修のまとめ」と称し、「服務事故再発防止研修」の「研修を通して理解できた内容について記述せよ」という脅しと都教委が求める「模範解答」を強制誘導する「研修」という名の憲法違反の「思想転向」強制以外の何ものでもなかった。
 都教委指導主事による「設問」は、以下の①から⑧までの8点にわたるものであった。
 ①「地方公務員として上司の職務命令に従って職務を遂行しなければならないことについて」
 ②「適正な教育課程の実施にむけて関連法令や学習指導要領に基づいた教育活動を行わなければならないことについて」
 ③「小中高の各段階における学習指導要領の国旗国歌の指導に関する記述について」
 ④「国歌起立斉唱命令に関する最高裁の判決について」
 ⑤「高等部学習指導要領特活の編成の取り扱いの内容についてあなたは教員としてどのように指導を行うべきか」
 ⑥「今年の卒入学式でなぜ地方公務員としての行動がとれなかったか」
 ⑦「学習指導要領をふまえ、あなたはどのように国旗国歌を指導しなければならなかったか」
 ⑧「これまでの研修を通して、理解が深まったこと及び所感を記述せよ」。

 都教委指導主事による①から⑧までの8点にわたる「設問」に「模範解答」を書かされるということは、まるで戦前の特高の「取り調べ」という名の「転向」強制と同じく重大な人権蹂躙である。都教委が「研修」という名で行っているこの「取り調べ」が、「研修」を受けさせられる当事者の人間の尊厳と人権を根底から奪う暴挙であり、私たちは決して許すことができない。
 「日の丸・君が代」強制、「日の丸・君が代」不起立処分、そして「日の丸・君が代」転向強制研修を3点セットにした東京都教育委員会による権力的行為が、人間の尊厳を奪い、「思想・信条・良心・教育の自由」を全面的に破壊し、「都教委という権力の命令・行為にひとりの不服従者も許さない」という暴挙に対し心からの怒りを覚えるものである。
 私たちは、東京都教育委員会に対し、一刻も早く、これまでの「日の丸・君が代」強制、「日の丸・君が代」不起立処分、そして「日の丸・君が代」転向強制研修を全面的に反省し、当事者に対する謝罪とともに、「日の丸・君が代」強制・処分・研修を中止することを求めるものである。
(5)2014年4月、勤務する東京都立板橋特別支援学校の入学式で「君が代」不起立をした田中聡史さんは、7月の「センター研修」の最後に、「今後は二度と服務事故(不起立のこと)をおこさない」というチェック項目があったが、それはできないと断った。わたしの「君が代」不起立は、思想・良心の自由、教育の自由に基づいて行ったものなので、服務事故に問われるようなものではないと確信している」と「研修」後に語っている。
 私たちは、ここに改めて、東京都の教員である田中聡史さんや井黒豊さんたちが、人間の尊厳を否定し、憲法違反である東京都教育委員会による「転向強制研修」に対し毅然として対処し、怯むことなく、屈することなく、諦めることなく、人間としての尊厳を掛けた抵抗を続けていることに心から連帯し、敬意を表するものである。私たちは、このような都教委による暴挙が、いつの日か必ず歴史に裁かれることを確信している。
(6)なお、再発防止研修に関しては、2004年7月、不起立・不伴奏者対象に初めて再発防止研修が行われる直前の執行停止申立に対して東京地裁・須藤裁判官は、7月23日、本件研修が未実施であることから現段階では却下と決定したものの、実際に実施される研修が「例えば、研修の意義、目的、内容等を理解しつつ、自己の思想、信条に反すると表明する者に対して、何度も繰り返し同一内容の研修を受けさせ、自己の非を認めさせようとするなど、公務員個人の内心の自由に踏み込み、著しい精神的苦痛を与える程度に至るものであれば、そのような研修や研修命令は合理的に許容されている範囲を超えるものとして違憲違法の問題を生ずる可能性があるといわなければならない」として、やり方によっては「違憲・違法」の問題が生ずることを指摘していたことを改めて確認しなければならない。
(7)東京地裁須藤決定直後の7月27日に行われた当時の再発防止研修では、「地方公務員法を中心とする解説がなされたに過ぎず」、「『受講報告書』は、受けた研修の内容及びその所感について記載させるものに過ぎず、原告らが主張するような『反省の実質を有する文書』でもない」(研修命令取消訴訟における都教委代理人の主張)として、須藤決定の範囲に留まることを意識したような内容で行われ、以降このやり方が継承されていた。
 しかし、2012年3月の通知から変更された「再発防止研修」の現在のやり方は、実施時期・回数とその研修内容において「合理的に許容されている範囲を超えるもの」となっている。実施期間が半年の長きに及び実施回数も大幅増したのみならず、内容において「地方公務員法違反」の処分事案にも関わらず、「学習指導要領国旗国歌条項」を持ち出して起立斉唱を強要するやり方は、「起立斉唱命令」が「思想及び良心の自由についての間接的な制約となる面がある」と判示した『最高裁判決』(2011/6/6)にも明らかに抵触するものである。自らの歴史観ないし世界観および教育的信念に基づく不起立者に対して、その行為を禁止したり反省を迫ったり変更を強いるような研修は、思想転向強要の実質を有する憲法違反の人権侵害と言わなければならない。
(8)東京都教育委員会が教育に支配介入し、「10.23通達」を発出して、「君が代」起立を拒否する教職員を処分すること、全教職員が起立する姿を見せることによって、子どもたちに「日の丸・君が代」の尊重を刷り込むことは、「個人の尊厳を重んじ、真理と正義を希求する人間の育成」を目的とする教育条理に反し到底許されるものではない。都教委による教育支配介入が国際社会に通用するものではないことは自明の理である。
(9)「思想・良心・宗教の自由」に対する国際基準に関しては、2014年7月24日に発表された国連・自由権規約委員会の「総括所見」において、「日の丸・君が代」に関して、以下のように表明されていることも確認されなければならない。この見解は、委員会が2条だけでなく、18条・19条にも言及した背景に、学校における「日の丸」掲揚、「君が代」斉唱に抵抗した教員に対する懲戒処分が、思想、良心、宗教の自由を侵害するものであるという主張について考慮された見解である。
 国連・自由権規約18条、19条第3項に該当しない「思想・良心・宗教の自由」に対する制約は、国際規約上許されるものではないので、「10.23通達」及び、「10.23通達」に基づく職務命令は、国際条約違反であり、職務命令違反の処分は全て無効である
 ★「公共の福祉」を理由とした基本的自由の制約

 22 本委員会は、「公共の福祉」の概念はあいまいであり、無制限であるということ、そして、規約(arts. 2, 18 and19)の下で許容されるものを大きく超える制約を許容するかもしれないということへの懸念を改めて表明する。
 本委員会は、以前の最終所見(CCPR/C/JPN/CO/5, para.10)を想起し、第18、19条の第3項における厳しい条件を満たさない限り、思想、良心、宗教の自由や表現の自由の権利に対するいかなる制約をも押し付けることを差し控えるように締約国に要求する。
 Restriction of fundamental freedoms on grounds of “public welfare”

 22.The Committee reiterates its concern that the concept of “public welfare” is vague and open-ended and may permit restrictions exceeding those permissible under the Covenant (arts. 2, 18 and 19).
 The Committee recalls its previous concluding observations (CCPR/C/JPN/CO/5, para. 10) and urges the State party to refrain from imposing any restriction on the rights to freedom of thought, conscience and religion or freedom of expression unless they fulfil the strict conditions set out in paragraph 3 of articles 18 and 19.
(10)東京都教育委員会と田中聡史さんの所属する東京都立板橋特別支援学校・真下智校長は、「研修」中止を求める要請書を手渡そうと真下校長に面会を申し入れようとした人々に対し、対応した副校長は話を聞くこともせずに6・7月には警察を導入し、訪ねた市民を排除した。また、8月9月の要請では、真下智校長は、都教委職員を監視役に要請し、学校の門扉を固く閉ざして、要請に訪れた人々を1歩も敷地に入れさせない対応に出ている。さらに、副校長と主幹2人は、午前から勤務終了時までビデオカメラ等も用いた監視に携わっていたと報告されている。
 憲法16条及び請願法は、国民からの要請に対しては差別待遇することなく「これを受理し誠実に処理」すべきとされているにもかかわらず、それに違反し、憲法に保障された市民の正当な権利行使を侵害したのである。このことは、官公署の責任者としての責務不履行であり、ここにあらためて強く抗議する。
(11)私たちは、東京都教育委員会による「日の丸・君が代」強制、「日の丸・君が代」不起立処分、そして「日の丸・君が代」転向強制研修をセットにした東京都教育委員会による権力的行為が、人間の尊厳を奪い、「思想・信条・良心・教育の自由」を全面的に破壊するとともに、「都教委という権力の命令・行為にひとりの不服従者も許さない」「もの言わぬ教員」づくりであり、それらの暴挙が、「新たなる戦前」に向かう日本の「軍国主義教育」の新たなる始まりと繋がっていることも重視している。
 東京・大阪等の地方首長の教育介入、「競争」「強制」の教育、道徳の「教科化」、道徳副読本『わたしたちの道徳』使用強制や道徳教育強化、政府見解押し付け等の教科書検定基準改悪、学習指導要領の改訂、教科書検定制度の改悪、教科用図書検定規則実施細則の改定、文科省・各自治体の教科書採択制度改悪、「地教行法」・教育委員会制度の全面改悪(2014.6)、大学自治破壊の大学法制度改悪、「改正教科書無償措置法」の成立、「教科書法」制定の動き、高校教科書採択への教育委員会による採択教科書の変更強制、沖縄・八重山の教科書採択への政治的介入、下村博文文部科学大臣による「政府が閣議決定した集団的自衛権の行使容認について学校現場で不適切な解説があった場合、教育委員会を通じて指導する意向」の指示、教員の支配統制のための「教特法」・「教育免許法」等改悪企図。
 教員管理・教員評価制度の実施などの厳しい教育破壊・教職員序列化の学校現場で、精神的疾患や困難な状況に追い込まれる教職員も多くなっている。
 日本の子どもの6人に1人が貧困家庭(「子どもの貧困率」16.7%)と増加し続ける中、子どもたちを「戦争をする国」の担い手にするための新自由主義的教育政策と軍国主義的愛国心教育が同時進行し、「経済的徴兵制」・「貧困徴兵制」への道が進められている。2014年5月に開かれた文科省の有識者会議「学生への経済的支援の在り方に関する検討会」においてメンバーの前原金一経済同友会専務理事は、「(返金滞納者に)1年とか2年とかインターンシップ(自衛隊での就業体験)をやってもらえば」と発言した。検討会が8月29日に提出した報告書には盛り込まれなかったが、これが実行される可能性もある。
 また、子どもの「教育を受ける権利」の侵害、いじめの拡大、子どもたちと学校現場の序列化教育破壊の「全国学力テスト」の悉皆実施や成績公開、「生活指導統一基準」実施がなされ、さらに、愛国心教育・道徳教育の強化、道徳の教科化、『わたし(私)たちの道徳』小中学生全員配布と授業強制、教科「奉仕」「公共」設置、強制的な「奉仕活動」、「防災教育」の名による自衛隊連携教育(体験学習・宿泊研修等)も行われている。東京都の『江戸から東京へ』など自治体による歴史教材や地域教材・道徳教材の発行、『はだしのゲン』の学校図書館からの撤去要請、「ピースおおさか」の加害展示撤去、埼玉県など全国各地の博物館からの戦争加害事実展示の後退など、学校教育・社会教育・マスコミなどの全分野で、地方自治体をも取り込んだ安倍政権による憲法改悪・軍国主義教育が展開されている。
(12)日本国憲法の解釈改憲による集団的自衛権行使の容認の閣議決定がなされた7月1日、全国の高校生に自衛隊募集の「君の決意が国の力に!」の大見出しのパンフレットが送られ、戦車の写真には「平和を、仕事にする」と書かれている。日本全国各地156陸上自衛隊駐屯地で、「総合的学習」としての「職場体験学習」が小中学生に頻繁に行われ、その数は2000年より現在まで累計1万件を超える。戦車や戦闘機に乗り銃を持つ体験、隊員と格闘してゴム製のナイフで殺害する体験も行われている。
 東京都では、教育現場に「銃剣道」が浸透し、銃剣道を普及させるために高校生も出場させられている。競技での突く場所は喉と左胸(心臓)、命にかかわる部位である。半強制の「宿泊防災訓練」に名を借りた自衛隊体験入隊は、2013年7月、東京都立田無工業高校が朝霞駐屯地で実施したことに始まり、2014年2月、同校が東京スポーツ文化館で実施した際には、迷彩服を着た自衛隊員が生徒たちの前に姿を現した。都教委から16人が参加している。都教委は経費236万2720円支払い、領収書には「生徒食事代」と計上している。東京都教委は2014年度予算として、8300万円の「防災訓練費」を大幅増額計上した。
 2014年度、東京都立大島高校が、11月26日(水)~28日(金)、神奈川県横須賀の自衛隊武山駐屯地で「防災訓練」を予定している。自衛隊連携で防災訓練を実施する学校も多数あり、また、特別支援学校も2014年から「宿泊防災訓練」(学校で)を行っている。
 また、東京都立高校では、2013年度の『防災教育推進校実施に関するガイドライン』により「防災活動支援隊」の組織化が進められている。「支援隊」は、都立高校生徒会やクラス代表などで結成し、自校の災害時の生徒リーダーになることが要請されている。これは、日常的な「生徒組織による指揮命令の確立」であり、「支援隊」は地域での防災活動のリーダーを期待され、東京都教育委員会の金子指導部長は「(災害派遣の)活動は、防衛の際にも求められ、自衛隊の所掌事務である防衛に含まれる」と、「戦争」を前提とした組織であることを述べている。
 東京都教育委員会は、このように、政府の集団的自衛権の行使容認を前提に、戦争準備体制の強化と軍国主義教育の開始とが密接に結びついた事実を積み重ねているのである。
 日本の戦前の教育は国家が教育を全面支配し、学校が、「教育勅語」に基づく教育によって、忠君愛国の精神で天皇のために命を捧げる「少国民」を育成する場として、子どもたちと人々を侵略戦争に動員する上で決定的な役割を果たしたことを、歴史的事実としてだけでなく、現在の話として想起しなければならない。「教室から戦争は始まる」のだ。
(13)東京都教育委員会による「10.23通達」から早や11年が過ぎた。しかし、都教委の「君が代」強制に対し、処分をされ不利益を受けようとも、どのような処分や脅しを以ってしても、「君が代」不起立者はこれからも絶えることはないであろう。それは、「君が代」不起立が、間違った職務命令には従ってはならないという、子どもたちへの直接に教育責任を負う教員としての良心からの行動であり、都教委による憲法違反の「君が代」強制に対する「思想及び良心の自由・表現の自由・教育の自由」に基づく正当な権利行使としての「君が代」不起立だからである。
 私たち、<許すな!「日の丸・君が代」強制 止めよう!安倍政権の改憲・教育破壊 全国ネットワーク>は、全国各地の現職教員や退職教員、保護者、市民、労働者とともに、都教委が、「君が代」不起立への不当処分を撤回する日まで、全国各地で抗議の意思を表明していくものである。また、市民の正当な権利行使である要請に対し、東京都教育委員会が要請にしっかり応えることを繰り返し要請するとともに、今後、東京都教育委員会が、日本国憲法や国連自由権規約で保障された良心の自由・思想の自由・表現の自由、教育の自由を侵害し、自分で考えずに指示に従う子どもや教職員にすることに繋がる「君が代」処分と君が代処分に関わる「服務事故再発防止研修」という名の「思想転向研修」を止める日まで、東京都民・全国の教員・保護者・市民とともに、「君が代」処分に関わる「服務事故再発防止研修」の中止を求め、徹底して抗議行動を行っていくことをここに表明する。
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