◆ 靖国神社での中学体験学習に、日本キリスト教協議会が質問と要請
皆様
おはようございます。増田です。これはBCCで送信しています。重複・また、事柄の性質上、超長文になりますが、ご容赦を!
本件、私は東京新聞を購読していないので、坂内宗男NCC靖国神社問題委員会委員長からのメールで初めて知りました。
ボーゼンとしますね…いったい、教員(校長も含め)は何を考えていたんでしょうか? この二つの学校の教員たちは靖国神社という神社が宗教機関である上にも非常に特殊な宗教機関である、という認識が全く欠落しているのでしょうね…
この生徒たちの保護者は靖国関係(「日本会議」関係?)の方の感じがしますけど、世田谷区立太子堂中や練馬区立練馬東中の教員たちは、生徒・保護者が希望さえすれば、何ひとつ考えず「いいですよぉ…どこの職場だろうと『体験学習』、O.K!」なんでしょうねぇ…
都教委は「防災訓練」の名の下に「自衛隊駐屯地で隊内宿泊生活訓練」をやらせていましたし…今のところは抗議の成果か、やめているようですけど…
それにしても、イマドキの中学校って、生徒の「職場体験」に3日間も与えているんですね…
坂内委員長は、今後、世田谷区教委にも申し入れをなさる予定だそうです。教職員組合はどうするのでしょうか?
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練馬区教育委員会 御中
拝啓
晩秋の候、ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。
私ども日本キリスト教協議会(NCC)は、日本のプロテスタント教界の並列的なつながりと海外の教会との窓口として1948年5月に設立されました。また、靖国神社問題委員会は、「靖国神社法案」作成の準備がなされていた40年前に結成され、政教分離や靖国神社に関しての活動をしています。
さて、宗教法人靖国神社が発行している社報『靖国』の2017年11月1日発行第748号4ページに、「都内中学生が職場体験学習に来社」とする記事が掲載されました。
ご承知の通り、靖国神社は、明治維新前後からアジア・太平洋戦争までの戦争死没者約246万人余を祭神として祀っており、国家護持や首相・閣僚の参拝、あるいは靖国神社付属遊就館の展示に関してはA級戦犯や戦争責任の扱い方で、様々な議論があります。
1985年から始まった中曽根首相の公式参拝問題は、その後、小泉首相、安倍首相就任の際にも問題にされ、マスコミでも大きく取り上げられました。その結果、憲法を守る立場の方々から、司法に訴えるケースが多くあり、以下のように確定しています。
・1992年2月、福岡高裁は、中曾根首相の靖国参拝を、継続なら違憲と判示しました。
・1992年7月、大阪高裁は、中曾根首相の靖国参拝を、違憲の疑いありと判示しました。
・1997年4月、最高裁は、愛媛県が靖国神社・護国神社に公金支出した玉串料は、香典など社会的儀礼としての支出とは異なり、靖国神社・護国神社という特定の宗教団体に対して玉串料を奉納するもので援助・助長・促進になるとして憲法20条3項の政教分離と同89条に違反するとしました。
さて、教育基本法第15条(宗教教育)には、「国及び地方公共団体が設置する学校は、特定の宗教のための宗教教育その他宗教的活動をしてはならない」とあります。
また、「靖国」の2017年11月号には、職場体験学習に関して、「自ら当神社での体験を希望し」「神札授与所での参拝者対応を始め、禊行など神社業務・神道について学んだ」とあります。
以下、質問及び要請をいたします。
◆ 靖国神社で中学体験学習 「宗教行為は問題だ」
キリスト教系団体練馬区教委に質問書
都内の区立中学校二校が学校行事の一環として、生徒を靖国神社(千代田区)での職場体験学習に参加させていたことが分かり、日本キリスト教協議会靖国神社問題委員会(坂内宗男委員長)は二十日、練馬区教育委員会に「宗教行為を学校行事の中で行ったのは問題だ」などと申し入れた。
同委員会や靖国神社によると、同神社で職場体験をしたのは、練馬と世田谷の区立中学校の二年の生徒それぞれ一人。九月中旬、練馬の生徒が二日間、世田谷の生徒は三日間、靖国神社でお札の頒布などの神社業務のほか、身を清めて神事に臨む禊行や朝拝、拝礼作法などを体験した。
職場体験先は、学校側がリストアップした事業所などから、生徒に選ばせるのが一般的。両校は「体験先を生徒自身に選ばせるのも社会性を養う教育の一環」として生徒・保護者の希望を優先させたとしている。
同委員会は「中学校の行事として、一宗教法人であり、議論の多い靖国神社を選んだのは適切だったか」など七項目の質問書を練馬区教委に提出。これに対し同区教委は同日、「検討のうえ、正式に回答したい」とした。
元都公立中教員で都歴史教育者協議会会長の東海林次男さんは「宗教法人で禊行などの宗教行為や神道を学ぶことは、職場体験の趣旨から逸脱している。生徒・保護者の要望があったとしても、学校は生徒の成長にとって適切なのかどうかを判断し、ふさわしくない場合はその理由を説明し、理解を得ることも大事な教育活動だ」と話している。
(編集委員・吉原康和)
『東京新聞』(2017.11.21)
皆様
おはようございます。増田です。これはBCCで送信しています。重複・また、事柄の性質上、超長文になりますが、ご容赦を!
本件、私は東京新聞を購読していないので、坂内宗男NCC靖国神社問題委員会委員長からのメールで初めて知りました。
ボーゼンとしますね…いったい、教員(校長も含め)は何を考えていたんでしょうか? この二つの学校の教員たちは靖国神社という神社が宗教機関である上にも非常に特殊な宗教機関である、という認識が全く欠落しているのでしょうね…
この生徒たちの保護者は靖国関係(「日本会議」関係?)の方の感じがしますけど、世田谷区立太子堂中や練馬区立練馬東中の教員たちは、生徒・保護者が希望さえすれば、何ひとつ考えず「いいですよぉ…どこの職場だろうと『体験学習』、O.K!」なんでしょうねぇ…
都教委は「防災訓練」の名の下に「自衛隊駐屯地で隊内宿泊生活訓練」をやらせていましたし…今のところは抗議の成果か、やめているようですけど…
それにしても、イマドキの中学校って、生徒の「職場体験」に3日間も与えているんですね…
坂内委員長は、今後、世田谷区教委にも申し入れをなさる予定だそうです。教職員組合はどうするのでしょうか?
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練馬区教育委員会 御中
日本キリスト教協議会(NCC)靖国神社問題委員会
委員長 坂内宗男
委員長 坂内宗男
拝啓
晩秋の候、ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。
私ども日本キリスト教協議会(NCC)は、日本のプロテスタント教界の並列的なつながりと海外の教会との窓口として1948年5月に設立されました。また、靖国神社問題委員会は、「靖国神社法案」作成の準備がなされていた40年前に結成され、政教分離や靖国神社に関しての活動をしています。
さて、宗教法人靖国神社が発行している社報『靖国』の2017年11月1日発行第748号4ページに、「都内中学生が職場体験学習に来社」とする記事が掲載されました。
ご承知の通り、靖国神社は、明治維新前後からアジア・太平洋戦争までの戦争死没者約246万人余を祭神として祀っており、国家護持や首相・閣僚の参拝、あるいは靖国神社付属遊就館の展示に関してはA級戦犯や戦争責任の扱い方で、様々な議論があります。
1985年から始まった中曽根首相の公式参拝問題は、その後、小泉首相、安倍首相就任の際にも問題にされ、マスコミでも大きく取り上げられました。その結果、憲法を守る立場の方々から、司法に訴えるケースが多くあり、以下のように確定しています。
・1992年2月、福岡高裁は、中曾根首相の靖国参拝を、継続なら違憲と判示しました。
・1992年7月、大阪高裁は、中曾根首相の靖国参拝を、違憲の疑いありと判示しました。
・1997年4月、最高裁は、愛媛県が靖国神社・護国神社に公金支出した玉串料は、香典など社会的儀礼としての支出とは異なり、靖国神社・護国神社という特定の宗教団体に対して玉串料を奉納するもので援助・助長・促進になるとして憲法20条3項の政教分離と同89条に違反するとしました。
さて、教育基本法第15条(宗教教育)には、「国及び地方公共団体が設置する学校は、特定の宗教のための宗教教育その他宗教的活動をしてはならない」とあります。
また、「靖国」の2017年11月号には、職場体験学習に関して、「自ら当神社での体験を希望し」「神札授与所での参拝者対応を始め、禊行など神社業務・神道について学んだ」とあります。
以下、質問及び要請をいたします。
(1)靖国神社を選んだ過程に、担任など、学校側の働きかけがあったのでしょうか。敬具
(2)教員や保育士を希望する生徒が、職場体験学習の場として、学校や幼稚園、保育園を選ぶ例はあるでしょう。その中には、特定の宗教を背景に持つ学校や幼稚園、保育園もあると思いますが、運営する団体は、学校法人や社会福祉法人であり、靖国神社という宗教法人は、非常に稀なケースであろうかと思います。中学校の行事として、一宗教法人であり、しかも議論の多い靖国神社が適切であったのでしょうか。
(3)職場体験の目的の一つは、現場の方に教わりながら一緒に働くことであろうかと思います。靖国神社は宗教施設ですから、働いている方は神職であり、その労働は宗教行為です。神札授与所での、破魔矢などの物品販売ならともかく、禊行などの宗教行為を、学校行事の中で行ったのは問題ではないでしょうか。
(4)中学校は、事前に具体的なプログラムの内容を把握されていたのでしょうか。
(5)職場体験学習の報告などを勘案して、靖国神社は相応しかったと判断されているのでしょうか。
(6)学校名及び本人の名前と写真の公表は、学校として了解していたのでしょうか。
(7)社報『靖国』の頒布部数は、数万部と聞いております。靖国神社の宣伝に、練馬区立の中学校と生徒が使われたことは問題であると思います。靖国神社に対して、事実関係の確認を行ったのでしょうか。また、抗議を行う予定はありますか。
(8)生徒の保護者の職業は把握されていますか。
(9)保護者の職業が、今回靖国神社を選択させたことに影響があったと、教育委員会は把握されているのですか。
(10)今回の生徒の行為は、学校行事で宗教行事を行ったことですから、憲法及び教育基本法に抵触するのではありませんか。しないのであれば、理由を教えて下さい。
(11)学校での行事が、宗教行事として憲法及び教育基本法に抵触するとすれば、どのような例が考えられますか。
(12)次回からは、靖国神社での職場体験を認めないとするなら、その理由はなんですか。
(13)再発防止のために、教育委員会はどのような行動をするのですか。
◆ 靖国神社で中学体験学習 「宗教行為は問題だ」
キリスト教系団体練馬区教委に質問書
都内の区立中学校二校が学校行事の一環として、生徒を靖国神社(千代田区)での職場体験学習に参加させていたことが分かり、日本キリスト教協議会靖国神社問題委員会(坂内宗男委員長)は二十日、練馬区教育委員会に「宗教行為を学校行事の中で行ったのは問題だ」などと申し入れた。
同委員会や靖国神社によると、同神社で職場体験をしたのは、練馬と世田谷の区立中学校の二年の生徒それぞれ一人。九月中旬、練馬の生徒が二日間、世田谷の生徒は三日間、靖国神社でお札の頒布などの神社業務のほか、身を清めて神事に臨む禊行や朝拝、拝礼作法などを体験した。
職場体験先は、学校側がリストアップした事業所などから、生徒に選ばせるのが一般的。両校は「体験先を生徒自身に選ばせるのも社会性を養う教育の一環」として生徒・保護者の希望を優先させたとしている。
同委員会は「中学校の行事として、一宗教法人であり、議論の多い靖国神社を選んだのは適切だったか」など七項目の質問書を練馬区教委に提出。これに対し同区教委は同日、「検討のうえ、正式に回答したい」とした。
元都公立中教員で都歴史教育者協議会会長の東海林次男さんは「宗教法人で禊行などの宗教行為や神道を学ぶことは、職場体験の趣旨から逸脱している。生徒・保護者の要望があったとしても、学校は生徒の成長にとって適切なのかどうかを判断し、ふさわしくない場合はその理由を説明し、理解を得ることも大事な教育活動だ」と話している。
(編集委員・吉原康和)
『東京新聞』(2017.11.21)
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