昨日の新聞が一斉に報じた。
「中国重慶市の週刊紙「重慶青年報」が3日最新号の公共広告欄で、「日本が再び戦争を望むようになった」と題し、広島と長崎への原爆投下を連想させるイラストを掲載したことが8日分かった。批判の声が多く電子版からは7日までに削除された。
全面を使った広告には日本地図が描かれ、広島と長崎の地名を書いた上で、キノコ雲が描かれていた。社説は、日本の安倍内閣が集団的自衛権の行使を認める閣議決定をしたことを論じ、「我々は日本に対し友好的すぎたのでは?」と主張している。中国版ツイッター「微博」では、広告そのものには批判的なコメントが目立っている。(朝日新聞)
私は、最近の日本政府の動き、特に集団的自衛権を巡る政府の動きは、「日本が再び戦争を望むようになった」と取られても当然だと思います。多くの日本人がこのような動きに反対しているのも当然のことです。この意味で私は中国の人たちの危惧に共感します。
しかし、広島、長崎のキノコ雲には賛成できません。賛成できないだけでなく怒りさえ覚えます。
日本はちゅうごくや朝鮮、さらにアジアの国々を侵略して多大な被害を与えました。
一方アメリカはどうだったのでしょうか。アメリカは中国やアジアの国々を援助して、日本からの解放に尽くしました。この功績は大きいと思います。しかし、だからと言って戦争中アメリカがやったことのすべてが正しかったとはいえないのではないでしょうか。東京をはじめとする日本の都市を焼き払った爆撃は正しかったのでしょうか。主として非戦闘員を殺すために計画された焼夷弾による絨毯爆撃、大量虐殺は正しかったのでしょうか。都市に対する無差別爆撃は国際法違反であり、許されるものではありません。まして原爆の使用は絶対に許されないことです。
この記事はたとえその意図が、日本の軍事化を防ぐためであったとしても、この構成をみる限り、日本国民に対する挑発としか受け取れません。
今回この記事を載せた週刊紙「重慶青年報」は、重慶の青年共産同盟の機関紙だそうです。私の想像では、日本の週刊誌とは違って、共産党が青年を指導するための雑誌でしょう。このような雑誌がこのような記事を載せ、挑発を行った事に抗議します。
中国の青年たちが、軍事的手段に頼ることなく、日本の国民とともに、平和な世界を作るよう努力してほしいものです。
これは、安倍内閣の改憲に反対する日本人の率直な気持ちです。また、長崎出身の日本人、親族を原爆で失った日本人の気持です。