“米国版ドリカム”ぶっちぎり大ブレークのワケ
女1人と男2人。2010年、米国に突如現れた初期のドリカムのような3人組、レディ・アンテベラムがぶっちぎりで売れている。
1月26日に発売されたアルバム「ニード・ユー・ナウ~いま君を愛してる」は、全米チャートで16週連続トップ5以内をキープ。CD、ダウンロード配信を合わせ、昨年2位のスーザン・ボイル(310万枚)に迫る267万枚を突破し、急きょ日本でも国内盤が発売された。
いったい、何がウケているのか。
「男女の掛け合いで歌う歌詞の内容は『深夜の1時15分にひとりきり』『電話しないって決めてたのに』『ちょっと飲んだら会いたくなって』と、かつてのトレンディ・ドラマのような赤面モノ。それが40~50代の男女の胸を強く打った。彼らの歌を聴いて、別れた彼氏とヨリを戻した…といった恋愛成就伝説まで起きている」(在米音楽ライター)
背景には“泣きのメロディーの宝庫”と呼ばれる80年代ポップスへの回帰現象がある。表のように80年代に活躍したアーティストの来日ラッシュが続いている。
「まだ若手だが、しっかりカントリーの土台がある。世代を超えたアメリカン王道ポップス。ラジオで聞いて号泣したという声も聴きます。大人の洋楽として売っていきたい」と発売元のEMIミュージックも鼻息を荒くしている。
◆今年は80年代アーティストの来日ラッシュ
2月=ホイットニー・ヒューストン(さいたまスーパーアリーナ)
4月=ハワード・ジョーンズ(プロモーション来日)
リック・スプリングフィールド(東京・ビルボードライブ)
ゲイリー・ムーア(東京・JCBホールほか)
5月=ベリンダ・カーライル(東京・ビルボードライブ)
6月=レベル42(東京・ビルボードライブ)
7月=シーナ・イーストン(東京・ビルボードライブ)
9月=シンプリー・レッド(東京国際フォーラム ホールA)
2. “視聴率”BS、CS牽引 多様化する視聴者の嗜好反映 「その他」好調
NHK、民放キー局など地上波以外の「その他」の視聴率が上がっている。5月第3週(17~23日)の平均は、ゴールデン、プライムで7%の大台を初めて突破し、一部キー局の視聴率を上回った。BS放送やCS放送を受信できるテレビが普及し、多様化する視聴者の趣向が反映されているようだ。
テレビ視聴率の調査区分には、各キー局のほかに「その他」があり、NHKのBS1、BS2、民放のBS、CS局、UHF局などが含まれる。これまでは、全日(午前6時~深夜0時)の週平均視聴率は3%台が普通だった。
ところが、この「その他」の視聴率が、5月第3週にゴールデン(午後7~10時)で7.4%、プライム(同7~11時)で7.1%となり、5月に行われたテレビ各局の記者会見で話題になった。ともに初めての7%超えで、しかも「午後8時台は8%、深夜の占拠率はほとんど2ケタ」(テレビ朝日・早河洋社長)という。
各局の社長や役員が指摘するのは、BS放送、CS放送の躍進だ。今月1日に発表された民放BS局の「接触率」の週平均は、4月19~25日のゴールデンで15.4%と、2月調査の11.6%から大幅に増加。CSも「接触率が平成19年10月から今年4月までで1.2倍になった」(衛星テレビ広告協議会の須藤修司メディアデータ委員長)と、各局の分析を裏付ける。
特に、プロ野球がシーズンに入り、BS、CSのキラーコンテンツぶりを発揮しているようだ。日本テレビの舛方勝宏専務は「巨人戦の時間帯で『その他』が地上波を上回ることもある。『野球はBS』というブランドが定着しつつある」と分析。CSのチャンネルを抱えるスカパーJSATも「シーズンになると契約数が伸びる傾向」と話す。
来年7月の地上デジタル化完全移行を前に、BSやCS対応テレビが普及していることも、こうした動きを後押しする。総務省の3月調査では「BSを視聴できない」とする回答は27%と、昨年9月の前回調査の31.7%と比べ、着実に減っている。
学習院大学の遠藤薫教授は「BSやCSには専門性の高い番組が多く、嗜好(しこう)がはっきりした視聴者に受けている。チューナー内蔵のテレビが普及し、心理的なハードルも低くなった。番組宣伝のための番組などが増えた地上波の優位性は小さくなっており、『その他』視聴は今後も拡大していくだろう」と話している。
女1人と男2人。2010年、米国に突如現れた初期のドリカムのような3人組、レディ・アンテベラムがぶっちぎりで売れている。
1月26日に発売されたアルバム「ニード・ユー・ナウ~いま君を愛してる」は、全米チャートで16週連続トップ5以内をキープ。CD、ダウンロード配信を合わせ、昨年2位のスーザン・ボイル(310万枚)に迫る267万枚を突破し、急きょ日本でも国内盤が発売された。
いったい、何がウケているのか。
「男女の掛け合いで歌う歌詞の内容は『深夜の1時15分にひとりきり』『電話しないって決めてたのに』『ちょっと飲んだら会いたくなって』と、かつてのトレンディ・ドラマのような赤面モノ。それが40~50代の男女の胸を強く打った。彼らの歌を聴いて、別れた彼氏とヨリを戻した…といった恋愛成就伝説まで起きている」(在米音楽ライター)
背景には“泣きのメロディーの宝庫”と呼ばれる80年代ポップスへの回帰現象がある。表のように80年代に活躍したアーティストの来日ラッシュが続いている。
「まだ若手だが、しっかりカントリーの土台がある。世代を超えたアメリカン王道ポップス。ラジオで聞いて号泣したという声も聴きます。大人の洋楽として売っていきたい」と発売元のEMIミュージックも鼻息を荒くしている。
◆今年は80年代アーティストの来日ラッシュ
2月=ホイットニー・ヒューストン(さいたまスーパーアリーナ)
4月=ハワード・ジョーンズ(プロモーション来日)
リック・スプリングフィールド(東京・ビルボードライブ)
ゲイリー・ムーア(東京・JCBホールほか)
5月=ベリンダ・カーライル(東京・ビルボードライブ)
6月=レベル42(東京・ビルボードライブ)
7月=シーナ・イーストン(東京・ビルボードライブ)
9月=シンプリー・レッド(東京国際フォーラム ホールA)
2. “視聴率”BS、CS牽引 多様化する視聴者の嗜好反映 「その他」好調
NHK、民放キー局など地上波以外の「その他」の視聴率が上がっている。5月第3週(17~23日)の平均は、ゴールデン、プライムで7%の大台を初めて突破し、一部キー局の視聴率を上回った。BS放送やCS放送を受信できるテレビが普及し、多様化する視聴者の趣向が反映されているようだ。
テレビ視聴率の調査区分には、各キー局のほかに「その他」があり、NHKのBS1、BS2、民放のBS、CS局、UHF局などが含まれる。これまでは、全日(午前6時~深夜0時)の週平均視聴率は3%台が普通だった。
ところが、この「その他」の視聴率が、5月第3週にゴールデン(午後7~10時)で7.4%、プライム(同7~11時)で7.1%となり、5月に行われたテレビ各局の記者会見で話題になった。ともに初めての7%超えで、しかも「午後8時台は8%、深夜の占拠率はほとんど2ケタ」(テレビ朝日・早河洋社長)という。
各局の社長や役員が指摘するのは、BS放送、CS放送の躍進だ。今月1日に発表された民放BS局の「接触率」の週平均は、4月19~25日のゴールデンで15.4%と、2月調査の11.6%から大幅に増加。CSも「接触率が平成19年10月から今年4月までで1.2倍になった」(衛星テレビ広告協議会の須藤修司メディアデータ委員長)と、各局の分析を裏付ける。
特に、プロ野球がシーズンに入り、BS、CSのキラーコンテンツぶりを発揮しているようだ。日本テレビの舛方勝宏専務は「巨人戦の時間帯で『その他』が地上波を上回ることもある。『野球はBS』というブランドが定着しつつある」と分析。CSのチャンネルを抱えるスカパーJSATも「シーズンになると契約数が伸びる傾向」と話す。
来年7月の地上デジタル化完全移行を前に、BSやCS対応テレビが普及していることも、こうした動きを後押しする。総務省の3月調査では「BSを視聴できない」とする回答は27%と、昨年9月の前回調査の31.7%と比べ、着実に減っている。
学習院大学の遠藤薫教授は「BSやCSには専門性の高い番組が多く、嗜好(しこう)がはっきりした視聴者に受けている。チューナー内蔵のテレビが普及し、心理的なハードルも低くなった。番組宣伝のための番組などが増えた地上波の優位性は小さくなっており、『その他』視聴は今後も拡大していくだろう」と話している。
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