米SAG賞、「英国王のスピーチ」が最高賞受賞
米映画俳優組合員賞(SAG賞)の授賞式が30日、ロサンゼルスで開催され、エリザベス英女王の父ジョージ6世を主人公にした「英国王のスピーチ」が、最高賞のアンサンブル演技賞を受賞した。
同作品に主演した英俳優コリン・ファースが主演男優賞を獲得。主演女優賞には、バレエの世界を舞台にした心理スリラー「ブラック・スワン」で精神的に不安定なバレリーナを演じたナタリー・ポートマンが選ばれた。
また助演男優賞と助演女優賞は、ボクサーの伝記映画「ザ・ファイター」のクリスチャン・ベールとメリッサ・レオがそれぞれ受賞した。
映画科学芸術アカデミーの会員のうち最も多くを占めるのが俳優であることから、SAG賞は米アカデミー賞の行方を占う重要な指標とされる。アカデミー賞の授賞式は2月27日に行われる。
2. 東映、1,000円均一で劇場公開…2作品ですが
東映は29日、同社配給の「デンデラ」(6月25日公開)と「大鹿村騒動記」(7月16日公開)の2作品を、それぞれ入場料金1000円均一で劇場公開すると発表した。
通常料金と比べると、一般(1800円)と大学生・高校生(同1500円)にとっては値下げになる。
「デンデラ」は食いぶちを減らすため山に捨てられた老いた女性たちの物語で、浅丘ルリ子さんが主演。「大鹿村騒動記」は長野県の山村を舞台に描かれる群像喜劇で原田芳雄さんが主演する。
同社は、2作品の料金設定について「両作品とも、名優たちの演技が堪能できる大人向けの作品。60歳以上のシニア層はもちろん、30~50代の大人の観客にも楽しんでもらうためのサービス」としている。
映画料金をめぐっては、シネコン大手のTOHOシネマズが見直しを検討中だが、この1000円興行は2作品限定という。
3. 3D人気の陰で苦境…オトナのための映画館事情「本当のファンが減った」
映画の業界団体、日本映画製作者連盟(映連)が取りまとめた2010年の映画興行収入は前年比7・1%増の約2207億円を記録して過去最高を記録。入場者数も過去最多となった。映画界はウハウハ-かと思いきや、映画館は厳冬の時代を迎えている。(夕刊フジ)
「3Dを乱用すると飽きられる」(東宝の高井英幸社長)。「3Dが興行収入のけん引力になるのは数年間だ。一般化してくれば違うだろう」(日本映画製作者連盟の大谷信義会長)。27日にあった年間興行収入の記者発表。3D作品の今後の見通しについて、映画業界トップの発言には、期待と不安が交錯した。
「アバター」156億円、「アリス・イン・ワンダーランド」118億円、「トイ・ストーリー3」108億円。ずばぬけた興行収入を挙げた3D映画の公開は昨年前半。後半は10月公開の「怪盗グルーの月泥棒 3D」が12億円などと、ブームは一段落した感がある。
大作に観客が集中する陰で、芸術性の高い外国映画などの小品は不振だ。多くのスクリーンを持つシネコンが全盛で、良い作品を上映する映画館を探し回るようなファンは年々減っている。角川書店(角川映画)の椎名保専務は「話題作中心へと市場は変化した。映画に詳しい人はオタクととらえられ、映画離れにつながっている」と嘆く。
いま瀬戸際なのがミニシアターだ。
2月27日には「シネセゾン渋谷」が閉館する。1985年11月にフェデリコ・フェリーニ監督の「そして船は行く」で華々しく開館。過去に、リュック・ベッソン監督の「レオン/完全版」「グラン・ブルー」や、ペドロ・アルモドバル監督の「オール・アバウト・マイ・マザー」など、映画ファンおなじみの名作を上映してヒットを飛ばしたが、経営会社が渋谷の別の映画館に経営資源を注ぐため閉館となった。
皮肉なことに、シネセゾン渋谷がメーン劇場となって上映中の「キック・アス」が、ミニシアター業界では久々の大ヒット、興行収入1億円到達が確実視されている。しかし、閉館の予定は変わらない。
渋谷地区では昨年、シネマ・アンジェリカ、渋谷シアターTSUTAYAが相次ぎ閉館。恵比寿ガーデンシネマも今月29日で休館した。
映画会社直営の従来型の映画館も苦しい。この16日には、大阪・梅田の松竹直営映画館「梅田ピカデリー」が31年の歴史にピリオドを打った。
おしゃれなデートには欠かせなかったミニシアターだが、「若いカップルは滅多にいない。来てくださるのは常連のシニアばかり」(渋谷のミニシアター従業員)。
映画ジャーナリストの田中宏子氏は「大型ショッピングセンターが駅前商店街をシャッター通りにしたように、シネコン隆盛がミニシアターを追い込んだ。今のシネコンはミニシアター系の作品も普通に上映する」と説明する。
中小の映画会社には大打撃だ。ゼアリズ・エンタープライズ(東京・銀座)は昨年末に業務を停止。
「ミニシアターの閑古鳥が映画会社の破たんを招き、新作が減ってさらに劇場がガラガラになる」(独立系映画会社役員)という負のスパイラルが猛威を振るう。
打開策はないのか。田中氏は「劇場も映画会社も、大胆で挑戦的な作品や企画を手がけるべき」という。
独立系の映画会社「リベロ」では、今月から2月にかけ「デッドクリフ」「イップ・マン」「ブローン・アパート」「リセット」と4週連続、新作を公開する。同社は「リスキーだが特色ある作品には必ずファンが集まる」と意気込む。
シネコン側も対策に乗り出した。TOHOシネマズが栃木、広島など6カ所で大人料金を1500円に引き下げることで集客力アップを図り、冬の時代を乗り切ろうとしている。不況に強い-といわれる映画業界の奮闘に期待-。
米映画俳優組合員賞(SAG賞)の授賞式が30日、ロサンゼルスで開催され、エリザベス英女王の父ジョージ6世を主人公にした「英国王のスピーチ」が、最高賞のアンサンブル演技賞を受賞した。
同作品に主演した英俳優コリン・ファースが主演男優賞を獲得。主演女優賞には、バレエの世界を舞台にした心理スリラー「ブラック・スワン」で精神的に不安定なバレリーナを演じたナタリー・ポートマンが選ばれた。
また助演男優賞と助演女優賞は、ボクサーの伝記映画「ザ・ファイター」のクリスチャン・ベールとメリッサ・レオがそれぞれ受賞した。
映画科学芸術アカデミーの会員のうち最も多くを占めるのが俳優であることから、SAG賞は米アカデミー賞の行方を占う重要な指標とされる。アカデミー賞の授賞式は2月27日に行われる。
2. 東映、1,000円均一で劇場公開…2作品ですが
東映は29日、同社配給の「デンデラ」(6月25日公開)と「大鹿村騒動記」(7月16日公開)の2作品を、それぞれ入場料金1000円均一で劇場公開すると発表した。
通常料金と比べると、一般(1800円)と大学生・高校生(同1500円)にとっては値下げになる。
「デンデラ」は食いぶちを減らすため山に捨てられた老いた女性たちの物語で、浅丘ルリ子さんが主演。「大鹿村騒動記」は長野県の山村を舞台に描かれる群像喜劇で原田芳雄さんが主演する。
同社は、2作品の料金設定について「両作品とも、名優たちの演技が堪能できる大人向けの作品。60歳以上のシニア層はもちろん、30~50代の大人の観客にも楽しんでもらうためのサービス」としている。
映画料金をめぐっては、シネコン大手のTOHOシネマズが見直しを検討中だが、この1000円興行は2作品限定という。
3. 3D人気の陰で苦境…オトナのための映画館事情「本当のファンが減った」
映画の業界団体、日本映画製作者連盟(映連)が取りまとめた2010年の映画興行収入は前年比7・1%増の約2207億円を記録して過去最高を記録。入場者数も過去最多となった。映画界はウハウハ-かと思いきや、映画館は厳冬の時代を迎えている。(夕刊フジ)
「3Dを乱用すると飽きられる」(東宝の高井英幸社長)。「3Dが興行収入のけん引力になるのは数年間だ。一般化してくれば違うだろう」(日本映画製作者連盟の大谷信義会長)。27日にあった年間興行収入の記者発表。3D作品の今後の見通しについて、映画業界トップの発言には、期待と不安が交錯した。
「アバター」156億円、「アリス・イン・ワンダーランド」118億円、「トイ・ストーリー3」108億円。ずばぬけた興行収入を挙げた3D映画の公開は昨年前半。後半は10月公開の「怪盗グルーの月泥棒 3D」が12億円などと、ブームは一段落した感がある。
大作に観客が集中する陰で、芸術性の高い外国映画などの小品は不振だ。多くのスクリーンを持つシネコンが全盛で、良い作品を上映する映画館を探し回るようなファンは年々減っている。角川書店(角川映画)の椎名保専務は「話題作中心へと市場は変化した。映画に詳しい人はオタクととらえられ、映画離れにつながっている」と嘆く。
いま瀬戸際なのがミニシアターだ。
2月27日には「シネセゾン渋谷」が閉館する。1985年11月にフェデリコ・フェリーニ監督の「そして船は行く」で華々しく開館。過去に、リュック・ベッソン監督の「レオン/完全版」「グラン・ブルー」や、ペドロ・アルモドバル監督の「オール・アバウト・マイ・マザー」など、映画ファンおなじみの名作を上映してヒットを飛ばしたが、経営会社が渋谷の別の映画館に経営資源を注ぐため閉館となった。
皮肉なことに、シネセゾン渋谷がメーン劇場となって上映中の「キック・アス」が、ミニシアター業界では久々の大ヒット、興行収入1億円到達が確実視されている。しかし、閉館の予定は変わらない。
渋谷地区では昨年、シネマ・アンジェリカ、渋谷シアターTSUTAYAが相次ぎ閉館。恵比寿ガーデンシネマも今月29日で休館した。
映画会社直営の従来型の映画館も苦しい。この16日には、大阪・梅田の松竹直営映画館「梅田ピカデリー」が31年の歴史にピリオドを打った。
おしゃれなデートには欠かせなかったミニシアターだが、「若いカップルは滅多にいない。来てくださるのは常連のシニアばかり」(渋谷のミニシアター従業員)。
映画ジャーナリストの田中宏子氏は「大型ショッピングセンターが駅前商店街をシャッター通りにしたように、シネコン隆盛がミニシアターを追い込んだ。今のシネコンはミニシアター系の作品も普通に上映する」と説明する。
中小の映画会社には大打撃だ。ゼアリズ・エンタープライズ(東京・銀座)は昨年末に業務を停止。
「ミニシアターの閑古鳥が映画会社の破たんを招き、新作が減ってさらに劇場がガラガラになる」(独立系映画会社役員)という負のスパイラルが猛威を振るう。
打開策はないのか。田中氏は「劇場も映画会社も、大胆で挑戦的な作品や企画を手がけるべき」という。
独立系の映画会社「リベロ」では、今月から2月にかけ「デッドクリフ」「イップ・マン」「ブローン・アパート」「リセット」と4週連続、新作を公開する。同社は「リスキーだが特色ある作品には必ずファンが集まる」と意気込む。
シネコン側も対策に乗り出した。TOHOシネマズが栃木、広島など6カ所で大人料金を1500円に引き下げることで集客力アップを図り、冬の時代を乗り切ろうとしている。不況に強い-といわれる映画業界の奮闘に期待-。