豆本三昧我褸芥(がるぁくた)ノート & 美人画あれこれ

日本の名作文芸と東西の名画の自作豆本の内容紹介のほか、その資料として集めている東西の美人画をいろいろ紹介しています。 

縦長と横長の豆本

2010年04月08日 | 豆本


 文章が中心の書物はほとんどが縦長の本だが、画集とか写真集のようなものは横長のものも多くなるのは当然のことであって、豆本とて同じである。
 写真は縦長・横長それぞれのゲラ刷りで裏も同様である。これを八つ折りにして綴じたのち、裁断して一丁16ページとなる。もちろん縦長と横長とで折り方は異なるが、2段目(と4段目)は上下が逆になっている。

 ところで、木目のように紙にも繊維の流れの紙の目があって、普通は長辺に平行して流れがある。そして本を作る場合には、流れが本の背と平行になるようにするのが原則であるといわれる。従って縦長本・横長本に関係なく紙目は縦にならなくてはいけないのだが、私の豆本の場合、縦長本は横目となって失格である。
 しかしこれを原則通りに作るとなると、あり合わせの用紙を用いた場合には自分で裁断し直さなければならぬうえにかなりの無駄も出る。しかも版も新たに作らねばならない。さもなければ紙の専門店に横目の紙を特注して裁断してもらうということになる。それも普通紙ならともかく、両面スーパーファイ紙では無理である。

 というわけで縦長本の場合、私は欠陥本をあえて作っている次第である。
もっとも縦長本がすべて欠陥なのではなく、用紙を半分にしてサイズを一つ下げれば、OKなのではあるが・・・。
 
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我褸芥書房の豆本

2010年04月06日 | 豆本
 サイトを開いている者にとって「サイト解析システム」はなかなか面白い。自分のサイトにアクセスした人がどこの国の人か、どんな単語をキーワードにして、自分のサイトを見つけたのかなどが判る。
 最近、アメリカ合衆国の人がグーグルを使って「日本古典文学十選」のキーワードで私の「豆本」サイトにアクセスしてきた。こんな表題の本は他にもありそうだから、偶然私のサイトがヒットしたのだろうと思っていた。
 ところがその後、また別のアメリカの人が「我褸芥書房」のキーワードでアクセスしてきた。「我楽多」と名付けた人物・事柄は多いが「我褸芥」は私ぐらいだと思う。実際検索してみるとそれがわかる。となれば、私の「古典文学」や「東海道五拾三次」などの豆本を見た人が、その奥付から「我褸芥書房」の語を知って検索したとしか考えられない。そしてアメリカで私の豆本を見たとすれば、以前書いたように、寄贈したはずのニューヨークかボストン、あるいはハーバード大の図書館ではないか。そうだとすれば、私の豆本の「古典文学十選」や北斎や広重は、展示されてるのかどうかはともかく、これら図書館のいずれかで見られるに違いない、ということになろう。それで入手可能かどうかを知るために、検索したのではないだろうか。
 その詳細はともかく、少なくとも私の豆本がアメリカの図書館に届いていることの証明になると、推量しているのだが・・・

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鳥獣戯画・折り本豆本

2010年04月05日 | 豆本


 折り本を作ってはみたものの、これが意外に難しい。写真では分らないが、折り重なった本体が、プロの作った扇や経本のようにきっちり揃わないのである。
 折ってある紙を何枚か重ねて貼り合わせていくやり方の折り本ならば、化粧裁ちをすることも出来るからいいのだが、この鳥獣戯画のような場合にはそのやりかたは出来ない。

 ロールペーパーのような長い紙に連続して印刷するわけにはいかないから、まず何枚かに分れたものを継ぎ合わせて一続きの画にするわけだが、この場合機械的に繋いでいくのではなく図柄に影響のないようなところを選んで継ぎ目をめだたないようにする。たとえば顔の真ん中に継ぎ目が来ないようにするわけである。
 出来上がった長い絵は巻物なら問題ないが、これを折り本にする場合、型紙をあてて一定の長さで蛇腹折りにするのだが、これがうまくゆかないのである。かなり丁寧慎重におっても継ぎ目の貼り合わせ部分の厚い所に折り目が当ったりして、折り目がそろわないからだらしない形に折れてしまうのである。単に白紙を折ったようなものなら、水などを含ませて修正などできるようだが、印刷されたものではそれは出来ない。もちろん化粧裁ちもできないから、そのまま表紙を付けるしかない。
 これが折り本を作る際の、ネックになつている。
 
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二冊で一冊 ( 一冊で二冊 ) の豆本

2010年04月03日 | 豆本
 ある豆本のコレクションのサイトで見たものを試作したものである。
裏表紙を共有することで2冊分が1冊の形になっている。

 

 豆本を作る工程の中で、最大の難関は裁断・化粧裁ちであろう。もちろん、裁断機を用いずに、カッターナイフで行う場合である。(もっとも、裁断機でも小さな本の場合は歪みが出やすいとも聞くが、裁断機を持たない私自身は未経験。) 要は一つ、垂直に裁断するのが難しいのである。薄くて大きいものならたいしたことはない問題だが、小さく分厚いものはなかなか思い通りにいかずに歪んでしまう。そうなると削り取るようにして修正しするがこれが容易でない。そのあと紙ヤスリなどで調整しても、スッパリと切った切り口にはならない。本の厚みがそれほどなければ割とうまくゆくし、歪んでも誤差が小さくて済み、めだたない。したがって、どうしてもページ数の多くなるものは、2分冊にせざるをえない。

 そこで今回の豆本の話に戻って、このような形の本にすれば分厚い本を裁断する悩みを少しは和らげられないかということなのである。それに僅かながらも裏表紙一枚分の節約にもなる。
 そんなことよりも、普通の本では見られない自由な装丁の一つとして豆本製本の面白さが発揮されたものと考えられよう。
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ケース付き豆本

2010年04月02日 | 豆本


 「馬子にも衣裳」というが、豆本といえどもケースがあると、ますます本格ぽい感じになって貫禄が出る。写真はいずれも宮田雅之作品だが、上段中央の「竹取物語」はケースなしである。並べてみてどうだろうか。
 もっともいつもいうことなのだが、豆本は写真で見ていてもなかなか実感に乏しくてやはり現物を手にしないと、その面白みが分りにくいとは思うが・・・。
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