豆本三昧我褸芥(がるぁくた)ノート & 美人画あれこれ

日本の名作文芸と東西の名画の自作豆本の内容紹介のほか、その資料として集めている東西の美人画をいろいろ紹介しています。 

「北斎漫画 全編」という豆本

2011年03月15日 | 豆本











 最新の作品である。といってももちろん大地震前のはなしである。全部で15編あるものを3編ずつの5巻に纏めてある。冊子なので見開きの左右ページが別々の場合と左右が連続している場合がある関係から、開いた2ページを一つにして横長にした。こうすると左右に分断された絵を繋げて見やすく出来ることと、全体ページを半分にすることが出来る。なにしろ「北斎漫画」は膨大な作品なのでこれはまた大変な作業となる。結果として下のような細かい絵を沢山描いてあるページは小さくなりすぎたうらみが残るのはいたしかたない。ただこんな理由から「北斎漫画」を豆本で刊行することはまずないだろうから、この豆本が「北斎漫画」最小の豆本と称してはいけないだろうか。
なお、左上の箱は五巻収納の夫婦箱、上に貼ってあるタイトルは、北斎漫画の扉部分を手直し利用している。
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井上安治「東京真画名所図解」という豆本

2011年03月08日 | 豆本








 井上安治は明治前半の絵師で、以前に述べた小林清親の一番弟子である。二人の描いた東京の風景は明治前半の東京の姿を知る貴重な資料とされている。
 ただ清親の後を受けて明治14年ごろから描き続けた安治の絵の中には、師の絵に倣った作品もあって見分けにくいものがある。ほとんど変わらないもの、構図は同じでも点景の人物が異なるもの、季節が違うものなどいろいろある。
 上は清親、下は安治の作品。
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小林清親の豆本

2011年03月07日 | 豆本


 小林清親は明治の絵師で、近世から近代への絵画の流れを体現した絵描きとして注目されている。「光線画」と称して西洋的画風をとりこんだ新しい錦絵による「東京名所図」のシリーズで人気を博した。
 また別シリーズ「武蔵百景」、そして彼の弟子井上安治の「東京真景名所図解」の風景画は、明治前半の東京の姿を知る貴重な資料となっている。

 豆本は、「名所図」と「百景」を組み合わせたもので、写真は「東京名所図」中の「増上寺」と「富士見の渡し」のページである。

( 10年6月の記事移動)
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広重「大江戸賞景 集成」という豆本

2011年03月03日 | 豆本


 これは新作ではなく前出の「大江戸賞景」全四巻の完成版で、四冊を収納する箱を作ってタイトルをそれらしくつけたものである。もっともこのタイトルは「北斎漫画」の扉を借用し、文字を置き換えたものに過ぎないのだが・・・
 そういうことはともかく、ここに集まっている江戸の名所絵だけでも350点は有るはずだから、豆本化した広重の名所絵は正確に数えていないが、横長版の物だけでも1000点は越えると思う。ただし東海道五十三次などは55点というような計算をしてである。画像主体の豆本の手初めとして、この五十三次(と富嶽三十六景)を豆本にしてみたいと思ったことが、こうした錦絵豆本の制作にのめりこむきっかけだったのだが、いつのまにか、錦絵画像のコレクションにもなってきている。錦絵に限らず西欧の絵画にしても、パソコンそして豆本の世界に入らなければ知らずに終わったはずの美の世界である。なんともったいことであったろうか。
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