豆本三昧我褸芥(がるぁくた)ノート & 美人画あれこれ

日本の名作文芸と東西の名画の自作豆本の内容紹介のほか、その資料として集めている東西の美人画をいろいろ紹介しています。 

葛飾北斎「東海道五十三次」と「富嶽百景」の豆本

2010年04月17日 | 豆本


 この標題は間違いではない。
 「東海道五十三次」といえば広重、北斎といえば「富嶽三十六景」がすぐに考えられるが、北斎には標題の作品もあって、写真は開いてあるのが東海道、手前が百景である。

        
 
上は、左が北斎、右が広重の「鞠子」の宿の光景である。風景画としたらどちらを選ぶだろうか。北斎の「東海道」は全部上下に赤い源氏雲が描かれていて、これがかえって邪魔になるような気がする。彫りや刷りも広重の方が繊細で緻密、高度のように思う。
 こんなことだけの理由ではなかろうが、いかに北斎の作品とはいえ、さすがに「東海道」なら広重とならざるをえなかろう。

 一方広重にも、「富士三十六景」という作品がある。
   

 説明の必要はないと思うが これをくらべれば当然「富嶽三十六景」なら北斎である。
因みに、北斎でも「百景」の方はスケッチ風の画帖で、これまた「富嶽三十六景」である。
 下の絵は見開き2ページを合わせたもので、スキャンの関係から富士の稜線に合わせたため枠線がずれてしまっている。 また、枠線から富士山頂が突き出ているのは富士の高さを強調する描法で、広重などにも見られる。


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