◎ かくして「ジュピターとカリスト」は正しいタイトルになった。
しかしこの神話は単にダイアナに化身したジュピターが首尾よくカリストをものにしただけの話ではなく、物語はこれが始まりなのである。
カリストという美女はダイアナに仕えるニンフであったから、ダイアナにならって身持ちを堅く守るよう厳命されていた。
だからジュピターが言い寄っても簡単には靡かない。そこでダイアナに姿を変えて近づいたというわけである。
カリストはアルカディアの王女という話もあって、絵によっては従者のニンフより王女とする方がいいように思うものもあるが、それはともかく、このあとおよそ三通りに話は展開してゆくのである。
不詳 Nicolaes Berchem
Berthe Morisot Jean-Simon Berthelemy
Jean-Baptiste Marie Pierre Johann Heinrich Tischbein
Jacopo Giacomo Amigoni 二点
※ 足元の仮面に注目
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ダイアナとカリストの抱擁の作品は沢山あって著名画家も描いているが、やはりタイトルがジュビターとダイアナとが混在している。
その謎を解くために絵をよく見てみるとダイアナの足元や背後などに黒っぽい鳥がいる。これは鷲で、鷲はジュピター(ゼウス)の聖鳥である。ダイアナは鳥ではなく牝鹿または猟犬が聖獣である。
さて、結論からいえば、昨日今日の作品のダイアナはジュピターの化けた偽物で、「ジュピターとカリスト」はむしろこちらの方が正しいわけである。三段目左のボエティウス(と発音するのか)の左のチビが仮面を見せているのは「偽者」を暗示しているようである。
Peter Paul Rubens Angelica Kauffmann
Anthonis van Dyck Christmas Halle
Caesar van Everdingen Boetius Pietro Liberi
◎ 以下ブーシェ描く ダイアナことジュピターとカリストの五作品。
Francois Boucher
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まず一段目の絵とその下のタイトルを見てもらうと「ジュピター と カリスト」となっていて二人の女性が居るだけでジュピターの姿は見当たらない。この女性の一人はカリストという美しいニンフで、もう一人はダイアナで中央の絵では三日月の髪飾りがはっきりしている。
これらは 題名の間違いなのだろうか。
以下は 「ジュピターとカリスト」「ダイアナとカリスト」とタイトルが混在しているがいずれも二人の女性の愛し合う姿を描いている。それはまわりに愛のチビ天使たちがいることからもわかる。
では、ダイアナはレズビアンなのだろうか。
Giuseppe Bossi Karel Philips Spierincks
Caspar Netscher Augustin Terwesten
Federico Cervelli Jacob de Wit
Jean Honore Fragonard
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これらは 題名の間違いなのだろうか。
以下は 「ジュピターとカリスト」「ダイアナとカリスト」とタイトルが混在しているがいずれも二人の女性の愛し合う姿を描いている。それはまわりに愛のチビ天使たちがいることからもわかる。
では、ダイアナはレズビアンなのだろうか。
Giuseppe Bossi Karel Philips Spierincks
Caspar Netscher Augustin Terwesten
Federico Cervelli Jacob de Wit
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約五十作品をこれまでに紹介し、まだ三十作品ほどあるがとりあえずエンデュミオンに関するものはここまでにする。
これからはダイアナを別な角度から扱うことになる。
Jean Restout Parmigianino Giovanni Antonio Burrini
Pierre Subleyrase Henri Gervex
Pier Francesco Mola Gabriel Blanchard Giovanni Antonio Pellegrini
van Schuppen Sebastiano Ricci
Paolo Veronese George Frederic Watts
T.van Gieson Johann Michael Rottmayr
Jacques-Louis David Robert van Gieson
Walter Crane 不 詳
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Peter Paul Rubens Luca Giordano
Frans Christoph Janneck Andrei Ivanovich Moritz Ludwig von Schwind
Benedetto Gennari Annibale Caracci
Filippo Lauri Jean Baptiste Van Loo Hugh Douglas Hamilton
Carl Bertling Francesco Solimena
Angelica Kauffmann Louis Lagrenee
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ダイアナに纏わる男の話として有名なのはエンデュミオンである。
彼は、不運なアクタイオンとは正反対にダイアナに見染められて愛される誠にラッキーな男である。
羊飼いの美青年エンデュミオンが眠っている姿を空を通りかかったダイアナが目にして、さすがの処女神ダイアナも一目ぼれ、天下って彼に接吻してずっと彼を見守っていた、ハイ、おしまい、というような面白くもないな話である。
もう少し色を付けた話も有って、ダイアナは彼の夢の中に入り込み、誰もが想像するようなことがあったのだろう、彼はその楽しい夢が長く続くようジュピターに願った。その願いは叶えられ、彼は永遠の若さを与えられた。女神は毎晩のように彼の夢の中に訪れて、その結果、50人もの娘が生まれたという、べらぼうな話。
エンデュミオンは過去に扱っているが絵も少なかったので今回は大盤振る舞い。
ただし、絵はどうしても同一場面にならざるを得ない。
扇面 マイセン人形
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