古今の著名な女性を柳亭種彦の解説付きで描いた作品。著名と言っても現代人とっては無名の市井の女性も混ざった34枚の作品。
この34という数は中途半端な数で もしかしたら36枚あたりの欠けたものかもしれない。 考えようによっては36だって中途半端な数と言うかもしれないが、36は2の二乗の4、3の二乗の9を掛け合わせた数で、しかも自身も6の二乗数という特殊な数と言える。
作者豊国は厄介な人で、初代豊国の弟子で師の死後二代目を名乗る。しかし初代には豊重という養子がいて二代目を襲名していたが、なぜか兄弟子の国貞が、「国貞改め二代目豊国」と署名するようになる。世襲と実力差という後継者問題のごたごたが豊国一門にあったようである。
現在は「三代目豊国」としており「香蝶楼・豊国」とあればこの国貞、「一陽斎・豊国」なら初代豊国ということになる。
また国貞は似顔絵・美人絵、国芳は武者絵、広重は名所絵として並称されていた。
静御前 巴御前 小式部内侍
板額女 清少納言 小野小町
常盤御前 更科 松島局
始め二組は何の女王か、当ててください。回答は最後に在ります。
A
B
酔っ払いクィーン
食い過ぎクィーン クエーン
正体不明のクィーン
解答 A 四季の女王 冬、夏、春、秋の順
麦と鎌は夏、葡萄の秋。花と小鳥の春、肩掛けの冬
B 神話の女神 ミネルヴァ ケレス、ヴィーナス、ジュノー
こちらは難しく、最初の肩のフクロウとメドゥサの顔のついた楯でミネルヴァ以外は当て推量です。
西洋の絵画で「麦」を手にした女性は、大地・豊穣の女神ケレス(デメテル)か、「夏」の意味でつかわれます。他に聖書のルツという女性
の場合もあります。ルツについては以前あつかっております。二枚目左右中央は麦の穂と見た訳です。
ヴィーナスは全くのヤマ勘。
ジュノー手に持つ杖は「ケリュケイオンの杖」といってマーキュリー(ヘルメス)の持ち物のはずですが、マーキュリーはジュピターに目を掛けられ伝令の神として側近という存在でしたから、女神の中では一番彼に接しやすいのでちょいと借りたというこじつけ解釈です。
乗馬のクィーンも珍しいものではないか。
記名のもの
無記名で上下非対称
馬は馬でもチェスの馬
トランプではないクィーン。クロス・ステッチ作品
始め、クロスステッチをペースにしたカードかと思ったが上下が異種スートなのでカードには使えない。
下はいずれも不揃いで、どれもカードではないと思う。
左端は一番カードらしいのだが、それなら外側の輪郭線までステッチの必要はないはず。
あまり見かけないもの。
円形トランプは紹介済みだが、あれはトランプのイメージから離れ過ぎていた感じであった。
煙草のおまけカードだが、全部の札があるようなので実際に使用出来たようである。
写真に彩色してスートを描きこんだもの。
ノッペラボー
※ 下のように目鼻を消したり残したりなどは、簡単に出来るが、上は私がいたずらしたものではなく、絵札は全部ノッペラボーである。
ただなんでこんな製品が作られるのかが解らない。自分で好みの顔を描きこむのだろうか。
※ 右は二枚しか入手出来なかったがやはり絵札は全部後ろ姿のようである。
着想は奇抜だが私としたら片方は前姿のままの前後両方のよいように思った。
タイトル変えた新装開店の「四人の女王」だが、一人四役やら「人」以外も登場で「四人」とは限らないということで・・・
まずは今朝の新聞の両陛下と、パースケ旧作の「立雛」の枕から。トランプでは、「女王、皇后、王妃」など一括ですよね。
クィーン集めが病み付きになって、370組ほどになった。ただ似たようなものも多いので、選ぶのが厄介になっただけ。
標準的なタイプに次いで多く見られるタイプ。
貴族女性名が添えられているもの。
フランス革命に関わる女性。左端のアントワネット以外は革命派・
若きパリジェンヌたち。それも上流階級の令嬢たちか。
上と似ているが左下に名前が入れられいる。社交界の著名人だが小説のヒロインもいるようである。
トランプではスペードのエースはスペキュレーションと呼ばれ、最強・最高の切り札として特別な札である。
もともとトランプという語は「切り札」と言う意味なのだから最高のトランプということになる。
ゲームの際にエースは「1」ではなく、「13・キング」より上位に扱われるのが普通である。「七並べ」では単なる「1」にすぎないが。
またスートは、「スペード」が最強で、以下「ハート、ダイヤ、クラブ」とアルファベットの逆順に弱くなる。 最上位に扱われる所以である。
通常のトランプでは、スペードのエースは他のエースと違って特別に大きく、派手に装飾された形で描かれている。
上下に製造会社名などの記されているものも多い。
これはもともとは「税金」に絡んだ話があるようで、なんでも、古くは一番上に置かれるスペードのエースに納税済の検印を押していたが偽造印による脱税が起こるようになったので、複雑なデザインと製造業者などを銘記するようになったとか。いわば書籍の『奥付』のようなものだったらしい。
「死」を意味する札故に不気味な女や骸骨が用いられたものも多いのは当然だと思われる。
トランプクィーンへ行く前にいきなりの脱線で、「学」とも言えぬ豆知識を開陳。
トランプは占いに起源あるので生活に結びついた意味を持っていると言われ、特に暦との関連が深いようである。
○ 「赤と黒」は「昼と夜」を現している。
○ 四つのスートは後述の意味付けとともに「四季」を表す。 クラブ春、ダイヤ夏、ハート秋、スペード冬
○ 4種のAから13の52枚のカードは一年52週間と対応する。
○ 12枚の絵札は一年の12か月を示す。
○ Aから13の札は太陰暦の「閏月」に関連している。
蛇足ながら太陰暦の一年12か月は10日ほど足りなくなり、三年ごとに30日一か月分加えてずれを調整していた。
また、四つの季節毎の週の数という見方もある。
○ 52枚の数字を全部トータルすると、364になる。そこでジョーカー1を加えた365は一年の日数になる。
ところでジョーカーは、エキストラジョーカーというもう一枚があるのが通例である。
このエキストラジョーカーは、うるう年に臨時に現れて366日ということになる。
さて、先述の四種のスートにはそれぞれ、人生に深く関わる特別な意味があることをご存知の方は多いと思う。
クラブ 知識、経験、学問、幸福。 ダイヤ 富、財産、金銭。 ハート 愛情。 スペード 死、不幸。
これらの事柄と人間との関わりを、絵札が示しているということはご存知だろうか。
絵札には「One Eye Card」と呼ばれる真横を向いた一眼の札が三枚、残りは斜め前方を向いた二眼で、真正面は無い。
人物の顔の横に在るスートに対する顔の向き方で、強い関 または強い否定や無関心、関心の程度などが示されている。
若者にとって「愛」は重大事、「死」は遥か彼方にある無縁なもの、金の必要性は認めても学問、経験の必要性はほとんど理解しない。
年とともに知識や愛の必要性は認めながらもそれ以上に金、財産を最重視する。 死にはあくまでも否定的ながら無縁無関心ではいられない。
さて、女性はどう解釈しますかな。何事にも八割程の好奇心があるが100%のめりこむことはしない。死すら無関心ではいられない。
話は違うけれど、女性は全力を使い果たす行動はせず、必ず余力を残しておく。その余力で回復力も早い。これは意図的にズルをしているのではなく、育児という長期戦に対する自然の摂理なのだということを以前耳にしたことがある。そういうことですかねぇ。
日本の大衆雑誌の老舗の「講談倶楽部」は明治末の1911年で「倶楽部もの」の代表といってもよいものだろう。
伊東深水のような画家も表紙を描いているくらいでチャチなものではない。
姉妹誌の婦人クラブも1920年大正期の発刊なのだが、古いところは見当たらなくて左端が戦前の昭和のもので。後は戦後のもの。