豆本三昧我褸芥(がるぁくた)ノート & 美人画あれこれ

日本の名作文芸と東西の名画の自作豆本の内容紹介のほか、その資料として集めている東西の美人画をいろいろ紹介しています。 

河鍋暁斎「絵本鷹かがみ」という豆本

2011年04月30日 | 豆本


 華やかな美人画が続いた後は、ぐっと渋くなって鷹狩に関するイラストを纏めた暁斎の「鷹かがみ」。
 下掲のように、内容も絵も無彩色のそっけないもの。
 要するに、珍しいが身上の豆本。





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中原淳一の豆本

2011年04月28日 | 豆本

 


 今回もまた独特の大きな目の美女・美少女で知られる中原淳一作品集である。
 戦後混乱がまだ色濃い昭和21年にすでに「それいゆ」は発刊されたという。それ以来モダンな女性誌として少女誌「ひまわり」「じゅにあそれいゆ」などと共に人気を博すことになる。

 もちろん私などは家人の購読していたものを当時散見した程度であったが、戦争中、軍に睨まれていたというこの人が下掲のような絵ハガキをものしていたとは意外であった。
 それにしても「つぎはぎ  あるものでまにあわせませう。新しく布地を買ふ事は見あわせませう。美しい色調で幾種かの布をはぎ合わせて楽しいきものを作りませう。」という解説文はいかにも戦時的でなんとも可笑しい。

 
 
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小林かいちの「豆本」

2011年04月21日 | 豆本


 

 小林かいちは、大正後期から昭和初期にかけて絵ハガキ・絵封筒のデザインで一時期人気のあった人であったが、久しく忘れらていて最近になって再び見直され、竹久夢二と並べられて展示会がおこなわれたり、作品集が出されたりしている。その斬新なデザインは現在も通用するものとして高く評価されている。

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「ダンテ・神曲」の豆本

2011年04月18日 | 豆本






 この一カ月はまことに騒然たる日々であった。否、「あった」という過去形は不適切で、現在進行形、そして未来形で語るべきであろう。幸いにして直接の被害はないものの様々な影響は受けている。先行きも暗澹たる状況である。
 そんな中で「豆本三昧」もあったものではないのだが、かといって一人考え込んでいたところでどうなることでもないのでせめてこんな小さな世界に逃避して、ひっそり息をひそめていようと思う。

 さてそこで、まずは「神曲」である。もちろんこれは「神曲」本文の豆本ではなく、ギュスターブ・ドレによる挿絵集である。ドレは以前「新約聖書」を豆本にしたが、その二段目ということになる。「地獄篇」と「煉獄篇・天国篇」の二冊構成。
 豆本写真は地獄篇の扉部分と煉獄篇のページ、挿絵は地獄の最底にいる悪魔ルチフェロと天国の恒星天の天使たちを描いた部分である。ただドレの画は、非常に緻密な銅版画なので豆本にした場合に細部が再現出来ないことと、もうひとつモアレの現象が起きて斑な縞模様がでてしまうので、作品の出来は芳しくない失敗作である。
 ただ今回の災害は正しく地獄篇そのものであろうし、我々はさらに奥底まで落とされるのか、すでに煉獄の世界での試練が始まっているのか、そしてその先には天国が開かれるのであろうか、そう考えてあえてここに載せた次第である。
 

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