豆本三昧我褸芥(がるぁくた)ノート & 美人画あれこれ

日本の名作文芸と東西の名画の自作豆本の内容紹介のほか、その資料として集めている東西の美人画をいろいろ紹介しています。 

一葉記念館の講習会で作った豆本

2010年03月31日 | 豆本

 

樋口一葉記念館で豆本購入の要望が多いということから、「豆本作りの講習会をやったら希望者がいるでしょうか」と言ったところ、記念館の方が乗り気になったので、とりあえず職員の方数人に講習を受けて検討してしてもらって、実現することになった。
 拙作の一葉作品の豆本では「十三夜」あたりとも考えたが、「歌人樋口夏子」という企画展に合わせて、一葉の恋の歌から選んで新たに編集したものになった。タイトルは「恋歌」というが、もちろん一葉には「恋歌」という作品はない。このタイトル、初め「一葉恋歌」とつけたところ、石川さゆりに同タイトルの演歌があるからとクレームがついたので、こちらの方が本家元祖の「一葉恋歌」とは主張したものの、結局「恋歌」に落ち着いた。
 写真の右の奥付には、一葉記念館に並べて、当「我褸芥書房」の名も入れさせてもらってある。
 
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非売品になった豆本

2010年03月30日 | 豆本


 上掲写真は、東京の樋口一葉記念館内に展示されている拙作の一葉作品豆本。
 「たけくらべ」「にごりえ」「大つごもり」「十三夜」「わかれ道」の五作品で、五千円紙幣発行の際に、参考までに送ったところ、かく扱ってくれた次第である。
 展示といってももちろん、見る通り一葉女史の資料と並列されているわけではなくて、販売品の一葉グッズのショーケースのアクセサリーとしてである。それだって、一葉女史と同じ屋根の下にあるとなれば、作り手としてはまことに光栄きわまりない思いである。
 ところで、これが見学者の目に触れるとみえて、豆本購入を希望する人がけっこう多いということである。そのたびに説明してお断りしているのだが、それがたいへんというわけで、とうとう「非売品」の表示をわざわざ付けるにいたったそうである。

  

 作者としては実に恐縮至極というところだが、一方それだけ多くの人目に触れているという証拠なので、まことに嬉しいことである。
  
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日本最西端の豆本

2010年03月27日 | 豆本


 画像は長崎五島列島のカンパーナホテルに飾ってある豆本で、私の豆本としては日本の最も西に行っているものである。五島に旅行した際、ホテルの食卓に置かれた和風のランチョンマットがよかったので無心を言って何枚か貰い受け、それで装丁した豆本を送ったところかく飾ってくれたというわけである。
 大はA8版の「万葉恋歌」--これはホテルの食事場所が「万葉」と名付けられているのにちなんだものーー、小のA9版は「小倉百人一首」、この後さらに半分サイズのA10版「百人一首」をおくったので、今は3冊が並べられていることだろう。
 右上の折り鶴も、ホテルの用紙を用いた連鶴である。
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芥川作品の豆本

2010年03月24日 | 豆本
   


 文芸作品を豆本にするとすれば、芥川龍之介の諸作品がよいと思う。しっかりと纏まっており、適当な長さのものがいろいろあって、単独でも、あるいはまた二、三作組み合わせることもできる。
 リーブルの製本セットでは「杜子春・蜘蛛の糸」があり、他にも販売されたもので「鼻」や「藪の中」などが作られている。
 私も「羅生門・鼻・蜜柑」「杜子春・魔術」「芋粥・蜘蛛の糸」「藪の中・枯野抄」「地獄変」と作っているが、「地獄変」は結構厚くなる。また「杜子春・蜘蛛の糸」も作ったがこれは、リーブルの海賊版ではなく、自分で編集したものである。

 ところで豆本のサイズを変えた場合、紙の厚さやページの数まで変わるわけではないから本の厚さはすべて同じである。したがってハードカバーの豆本の場合、短い作品は薄っぺらな感じになり、小さいものだとずんぐりとした分厚い感じになる。画像は大小の「羅生門・鼻」を主として並べたものだが、写真だとそのあたりはわかりにくい。
 
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最初の自作豆本

2010年03月23日 | 豆本
     

 自作豆本という場合、三通りの意味がある。
1 本文・画像などの内容もオリジナルの創作豆本
2 著名作家や画家の文芸作品や絵画・写真などを自分で編集して豆本としたもの
3 単に、自分で製本したという豆本。

 講習会などでは、通常 3 の意味でただ白紙を本の形にするようなものも自作に含めるようだし、製本工房リーブルの豆本材料セットを購入して作っているのでは 3 にすぎない。
 私の場合、1 は創作する才能は無いとして、せめて 2 の豆本を作ろうとした訳である。

 かくして最初に作ったのが、宮沢賢治の「永訣の朝・夜鷹の星」そして「小倉百人一首」であった。ただ、賢治作品は我ながら不完全といわざるをえないものだが、「百人一首」の方は狩野探幽の画などもはいったまあまあの出来ということで、人様に差し上げても馬鹿にされないものだと、自分だけは思っている。
 
 画像は 「百人一首」A8版からB11版まで。
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自作の豆本

2010年03月22日 | 豆本
 リーブル豆本の海賊版も、少し経つと作品数も限られサイズも変えられないのでやがて飽きて、もっとほかの作品とか、もっと小さな豆本を作ってみたくなる。そのためには自分で中身の版下を作らねばならない。
 まだパソコンを始めたばかりのころなので、悪戦苦闘、難渋苦渋の末になんとか、さまざまの作品をいろいろなサイズでつくれるようになった。
 写真はさまざまのサイズ、縦版や横長版、和綴じ版などで、最大B8版、最小A11版である。A11とB11 の間にあるのは郵便切手である。

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海賊版 豆本

2010年03月21日 | 豆本
 製本工房リーブルの豆本製作セットは、製本の基礎を取得するには好都合で、出来上がった作品も満足出来る。しかし出来上がったら終わりということで、なんとなく物足らない。それは本体内容からサイズ・装丁など全部お仕着せだからだろう。もっと作りたくても、結構高額だから、考えてしまう。
 先述の「野菊の墓」は一冊合本用と二冊分冊用と二種類の表紙が用意されているが、本体は一点分なのでどちらかが不要になる。そこで誰もが思いつくのは、肝心の中身本体はコピーして作るということだ。ところがこれがそう簡単なことではない。本体はB5一枚の紙に豆本16ページ分が裏表に印刷されていて、裏表の二面がずれていてはならない。しかるにリーブルの本体はB5よりも少し小さいので単に裏返しただけではかなりのズレが生ずる。
 とにかくあれこれ試行錯誤のすえ、全10作品のコピーをとり、作ったのが写真の海賊版豆本の一部なのである。布に裏打ちをしてクロスとし、箔押しのタイトルなどは出来ないから、小さく印刷した紙を張っただけである。こんなものでも、一応中身は本物の芥川であり、漱石であり、鷗外なので差し上げた人にはそれなりに評価してもらえた。  

   
     

  上段左から 「野菊の墓 上下」「にごりえ」「尾崎放哉句集」
  下段左から 「あひびき」「高瀬舟」「悲しき玩具」「風の又三郎」
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最初の豆本

2010年03月19日 | 豆本
   
   

 この豆本「高瀬舟」は、製本工房リーブルの豆本製作セット10作品のうちの一冊である。これが私の作った最初の豆本で、今から20 年ほど前である。購入したのはさらにずっと以前、東京の丸善、セット全部欲しかったのだが、何しろそのころの私には高額で一冊しか買えなかった。だから簡単に作るのが惜しくて蔵っておいたまま忘れていたが、たまたま豆本の展覧会を見たのがきっかけで、思い出して作ったものである。
 そして残りの9作品も買い足して、全10作が揃った。

    
 10作品なのに12冊あるのは「野菊の墓」が一巻本と、上下2巻本の二種類あるからで、右端の三冊がそれである。
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豆本作り

2010年03月18日 | 豆本
 最近豆本ブームだといわれている。以前にも豆本が流行ったことがあったらしいが、これは好事家やプロの製作したものをコレクションするということだったようだ。
 これに対し近頃のブームは、パソコンの普及による豆本の自作、そしてインターネットを通して販売するということに狙いがあるようである。ある豆本プロの文章タイトルに「豆本の作り方、売り方」とあるからそれははっきりしている。

 私の豆本作りは最近のブームと一線を画しているつもりで、まずこんなブームになる以前から始めたものだし、また当初も今も販売することは考えていない。自分のくだらない文章やら下手なイラストなど本に作る考えなどもともと無かったし、ましてや、他人に「売る」などとはとんでもない話、あくまでも、「大作家の名作を自分の手で小さな本に仕立てる」ことが主眼で、「もしかしたらこの作家のこの作品の最も小さな本を最初に作ったのはこの私」という、他人からみればばかばかしい理由で次々に豆本を作ってきたのである。だから素人の手作りの粗末なものでも、中身は本物の名作ばかりだから、差し上げても喜んで、大事にしてもらっている。
 そしてごく最近では、文芸作品より浮世絵や西欧名画の豆本作りに熱中し、豆本はそのまま北斎や広重、ダ・ヴィンチやラファエロなどの画集のコレクションになってきている。
 そしてそれらのいくつかは、多分日本(あるいは世界で)最初・最小の豆本画集ではないかと思っている。


 画像はもちろん、ダヴィンチの豆本。正確にはダヴィンチとミケランジェロの作品集で、B8版の、私の自作豆本では最大のもの。
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