豆本三昧我褸芥(がるぁくた)ノート & 美人画あれこれ

日本の名作文芸と東西の名画の自作豆本の内容紹介のほか、その資料として集めている東西の美人画をいろいろ紹介しています。 

二冊で一冊 ( 一冊で二冊 ) の豆本

2010年04月03日 | 豆本
 ある豆本のコレクションのサイトで見たものを試作したものである。
裏表紙を共有することで2冊分が1冊の形になっている。

 

 豆本を作る工程の中で、最大の難関は裁断・化粧裁ちであろう。もちろん、裁断機を用いずに、カッターナイフで行う場合である。(もっとも、裁断機でも小さな本の場合は歪みが出やすいとも聞くが、裁断機を持たない私自身は未経験。) 要は一つ、垂直に裁断するのが難しいのである。薄くて大きいものならたいしたことはない問題だが、小さく分厚いものはなかなか思い通りにいかずに歪んでしまう。そうなると削り取るようにして修正しするがこれが容易でない。そのあと紙ヤスリなどで調整しても、スッパリと切った切り口にはならない。本の厚みがそれほどなければ割とうまくゆくし、歪んでも誤差が小さくて済み、めだたない。したがって、どうしてもページ数の多くなるものは、2分冊にせざるをえない。

 そこで今回の豆本の話に戻って、このような形の本にすれば分厚い本を裁断する悩みを少しは和らげられないかということなのである。それに僅かながらも裏表紙一枚分の節約にもなる。
 そんなことよりも、普通の本では見られない自由な装丁の一つとして豆本製本の面白さが発揮されたものと考えられよう。
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