豆本三昧我褸芥(がるぁくた)ノート & 美人画あれこれ

日本の名作文芸と東西の名画の自作豆本の内容紹介のほか、その資料として集めている東西の美人画をいろいろ紹介しています。 

Procris & Cephalus 3  プロクリスの死

2018年05月31日 | 今日の美女

 二人の仲はもどったものの、プロクリスはケパロスと女神の関係が続いているという疑念は捨てきれなかった。
 ある日、狩りに疲れ休息していたケパロスが言った独り言を通りがかりの者が聞きつけて密会していと思って、その旨をブロクリスに告げ口した。プロクリスは次の日彼の後をつけて行き、茂みに隠れて様子を覗っていた。

                        Peter Paul Rubens                     Peter Simons 模写?
    


 その気配を感じたケパロスはてっきり獲物がいると勘違いして槍を投げた。必ず獲物をしとめる槍はプロクリスに命中して・・・
 以下の如き愁嘆場となったのであった。

                                              Alexander Macco
  

    Luca Giordano                   Andreas Nesselthaler                Abraham Janssens van Nuyssen
      

    Louis Boullogne the Elder                       Angelica Kauffmann
  

    Henrietta Rae                                       Paulo Veronese
  

     Jean-Honore Fragonard






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Procris & Cephalus 2

2018年05月30日 | 今日の美女
 昨日の続き、惚れてくれた女神を振り切って逃げ帰る男の風上にはおけないケパロスだが、ちょいと道草を食うことにしてまずは下の四作品をご覧あれ。いずれも横たわる若者に女神が思いを寄せている図だがタイトルがそれぞれ違っている。
 上段二枚は昨日に出したものだが、実は右の絵は別タイトルでも広く知られていてすでに当ブログでも登場済みなのである。そして下段左も一緒に登場している。最後のダイアナのカップルも扱っているがこの絵は取り上げていない。つまりまったく同じような絵なのに三組のカップルがあるというわけである。そして二枚目のように二つの名前でしられていたりするとどのタイトルが正しいものか見当がつかない。見分ける方法があるのだろうかということになる。すべの絵がはっきり区別できるわけではないが、いくらかの手がかりがある。まず最後のダイアナは額の三日月によって間違いない。多くのダイアナの絵ではこの三日月の髪飾りが見られる。それとエンデミオンは羊飼いということで武器ではなく杖を手にしている。
 

   Aurora & Cephalus                             Aurora & Cephalus or Venus & Adonis
  

  Venus & Adonis                                     Diana & Endymion
  

※ 上掲一段目左と昨日も出ていた作品だが頭上に星が描かれている。それと一段目右の作も髪飾りのように星がある。これらが三日月ならダイアナだが、星で示される女神はだれかといえば、それは金星のヴィーナスである。
 つまりこれらの女神はエオス・アウロラではなく、男はアドニスと考えるのがただしいのではなかろうか。

  


※ 神話の中のアウロラは翼を持っているとされるので下のような姿で描かれるはずなのに、なぜか翼の無い姿の作品が多い。

    


 ヒロインが 登場した所で話を戻す。
 エオスは立ち去ろうとするケパロスの外見を変えて、プロクリスの誠実さを試すように促す。ケパロスの行方不明を心配していたプロクリスは現れた見知らぬこの男に親しと魅力を感じて愛を受け入れてしまう。するとすぐに元の姿に戻ったケパロスはその不実を責める。打撃を受けた彼女は森に逃げ込み狩りの女神ダイアナの侍女になる。プロクリスがお気に召したダイアナは彼女に必ず命中する投げ槍と獲物を逃さない猟犬を与える。その後プロクリスはこれらをケパロスに贈り二人の仲は戻った。
 で、めでたしめでたしと終わるはずだったのだが・・・・

                                              Alessandro Turchi
  

                             Louis Boullogne the Elder                  Gerard Hoet
    

   Philippe de Champaigne
  

   Louis Boullogne the Elder
    

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Procris & Cephalus 1

2018年05月29日 | 今日の美女

Procris プロクリスというヒロインは本日は出番はなく、相手役 Cephalus ケパロスと 曙の女神エオス(アウロラ)である。

 ケパロスは狩りの大好きな美青年であった。或る時彼の姿を見たエオスは一目見て気に入ってしまった。それというのもエオスには嫉妬ゆえのアフロディテの呪いを受けて人間しか相手に出来なくなっていたのである。
ケパロスは無理やりエオスに連れ去られてしまったのだった。

    Francois Boucher                            Jean-Honore Fragonard
  

    Francesco de Mura                                Francois Lemoyne
  

   Pierre Narciss Guerin                Peter Ppaul Rubens
  

    Pierre Claude Francois Delorme                 Charles Joseph Natoire
  

     Agostino Carracci


     Milan Lombardy


    Pietro da Cortona



 しかしケパロスには結婚したばかりの妻プロクリスがいて、どうしても女神の愛は受け入れられなかった。
     Nicolas Poussin
  


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Scylla & Glaucus

2018年05月28日 | 今日の美女
 Glaucus グラウコスはもかつて漁師だったが、たまたま魚を元気にする薬草を発見してポセイドンに気に入られて海神の列に加えられた男である。
 ある時海辺で水浴びをしていた Scylla スキュラを見て恋してしまった。そして言い寄るのだがスキュラは受け入れず逃げてしまう。

                                                               Bartholomaus Spranger
    

     Filippo Lauri
  

    Gerrit-van Bronckhorst
  

    Agostino Carracci



 落胆した彼は、先日取り上げた魔女キルケのもとに相談に行く。キルケはこの男が好きだったので、「去る者は追わず来たる者を受け入れよ」と忠告するがグラウコスはスキュラを諦めきれない。
 嫉妬と怒りのキルケは毒液を作りそれをスキュラがよく水浴びをする入江の水に流しこむ。何も知らないスキュラが水にはいるとたちまち水が泡立ち身の回りに犬や蛇の頭が現れた。そして腰から上は元の美女スキュラながら、下半身は腰から犬や蛇の頭の生えた魚の奇怪な姿で以後人間を捉えて食らう妖怪になってしまったのである。

                           Isaac Briot
  

   Pete Rubens  スキュラの変身
  


  


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Coffee time

2018年05月27日 | 今日の美女

    


    

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Febris

2018年05月26日 | 今日の美女

 フェブリス ローマ神話の「熱」の女神というだけしかわからないし、画像も見当たらない。

  


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Coronis & Apollo

2018年05月25日 | 今日の美女
 昨日のコロニスとは別人で、神話としてはこちらの話の方がメインらしい。

 アポロに愛されたコロニスは彼の子を身籠っていた。しかしながら多忙なアポロはなかなか訪れることができず、カラスを使いに出した。当時のカラスは白色だった。カラスはコロニスが若者と親しげにしている様子を見て、アポロに不倫をしていると報告した。 怒ったアポロはコロニスに向けて矢を放った。絵では近距離から射たように描かれるが、話としては遠距離ミサイルのように遥か離れた目標でも命中させるのが神様のの矢のようである。その後様子を見に来たアポロは死に際のコロニスから一切の事情を知らされるのである。嘆き、そして偽りの報告をしたカラスに「永遠にコロニスのために喪に服せ」と命じ、以来カラスは真っ黒な鳥になったのである。 

    


  


  










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Coronis & Poseidon

2018年05月24日 | 今日の美女
 Coronis コロニスという女性は神話に複数登場するが、そのうちの一人は海神ポセイドンに言い寄られたコロニスである。
 逃げ回つて捉えられそうになったとき、アテネが割って入って鴉に変身させられ助けられたという話である。


  

     4 Domenichino
  

     Giulio Carpioni 二点
  

     Luigi Ademollo


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"Pyrrha" wife of Deucalion

2018年05月23日 | 今日の美女
 この Deucalion デウカリオンの妻 Pyrrha ピュラという女性は、いわば能狂言のシテツレ的存在で神話の中で彼女だけの単独行為が語られることはなくデウカリオンの行動とともに語られるので、絵画もその形で二人一緒に描かれたものばかりである。

 そのデウカリオンは人類に火をもたらしたプロメテウスの息子(子孫)で、旧約聖書のノアと似た話の主人公である。
 人類は黄金の時代の純真さを失って次第に堕落していった。それを怒ったゼウスが弟ポセイドンとともに大洪水をおこし人類を滅亡させる。
 そして信心深い正しい二人だけがやっと生き残っていることを知って洪水を止める指示をだす。それが最初の絵である。

  

 荒れ果てた世界に生き残り途方に暮れた二人は神殿を見付けて祈る。すると「振り向くことなく石を後ろに投げよ」という神託が下る。
 その通りにすると、石は人間に変化して新しい人間が沢山出来ていったのだった。
 何時も述べるように、時間差の有る複数の場面を同一画面に表現している絵が多くあるのに要注意。 
  


  

     Giovanni Benedetto Castiglione                           Giovanni Maria Bottalla
  




     Peter Paul Rubens


 ピュラだけが描かれた画があったが、この絵は横長の右半分だけなのではないか。
  


  
 


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Discordia (Eris)

2018年05月22日 | 今日の美女
 ディスコルディアはローマ神話、エリスはギリシャ神話の名で不和・騒動の女神。
 彼女は兄の軍神マルス(アレス)とともに神々たちの嫌われ者であった。
 それゆえか醜い故か、エリスの姿はアニメ、漫画の類しか見当たらない。

 しかしトロイ戦争に繋がる神類人類を巻き込んだ大騒動のきっかけから彼女の悪名は今日まで残ることになる。
 
 オリンポス最大といわれるペレウスとテティスの結婚式の祝宴にエリスだけが招かれなかったので、それを恨んだエリスは黄金のリンゴに「最高の美女に」と書いて宴席に投げ込んだ。早速美女コンテスト開始で、ヘラ、アテネ、アフロディテが決勝に残った。判決をゼウスに頼んだが、自分のカミサンとムスメ二人のうちだれが最高美人かなどオヤジが決められるはずがないから「わしゃこの件に関わりたくない」と拒絶、結局第三者機関のトロイの王子バリスの審判となる。
 このへんからの話は過去に取り上げているし、今回のエリスから離れてしまうので割愛する。

    

  リンゴが投げ込まれるにしろ、エリスが描かれているもの(右の絵)は滅多にない。
  

左の絵・左からアテネ、アフロディテ、ヘルメス、ゼウス、ヘラ、新婚夫婦・
右の絵・アフロディテの頭の上、中央奥の黒い服の女がエリスのようである。
   Jacob_Jordaens                                        Abraham Bloemaert
  

    Jan van Balen   The Marriage Feast of Peleus and Thetis       Joachim Wtewael
    

     Peter Paul Rubens                             Guillaume Guillon
    


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Victoria (Nike)

2018年05月21日 | 今日の美女
 ヴィクトリアはローマ神話、ニケはギリシャ神話での名前で、大きな羽を付け金色の「勝利の女神」である。
 ただニケには勝利を授けるほどの力は無く、勝利者の栄光を讃え祝福のために登場する。つまり表彰式にメダルをもって登場するコンパニオン役である。勝敗の決定はもっと強力な運命の女神が担当するので、だからナイキ(=ニケ)の運動靴を履いてるだけじゃ勝利者にはなれない。
 
      


  

 そういうわけで彼女をヒロインにしたような神話はないようである。そのためか絵画もほとんど見当たらなくてもっぱら彫像にされて建築物の装飾のアルバイトをしている。
  ルーブルのサモトラケのニケ
     

 僅かに絵画に登場しても、「何々の勝利」いうタイトルのチョイ役にすぎない。
    Peter Paul Rubens 二点             The Triumph of Victory
  

    Giulio Romano                                 Giovanni Paolo Panini
  

     Paul Emile


この絵はエリザベス一世と一族を寓意的に描いたものようで、ニケも代役である。
      Gerrit van Honthorst   Triumph of the Winter Queen


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Coffee time

2018年05月20日 | 今日の美女

    


    


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Circe 2

2018年05月19日 | 今日の美女
 キルケは多く薬液の入った盃などの器と魔法の細い棒をもって描かれる。
 薬で酔わせ魔法の棒で触れると動物になってしまうという。

      

   Evelyn De Morgan                  Wiliam Waterhouse
    

     Dosso Dossi                                  Wright Barker
  

     Edward Burne Jones                              G.B.Trotti
  


◎ キルケはユリシーズ(オデッセイ)の冒険談に登場する。
 航海中に一つの島を見つける。船員たちに偵察に行かせると彼等は島の主のキルケに豚にされてしまう。
    Parmigianino 二点
    

 ユリシーズが探しにきてヘルメスに出逢い、ヘルメスの助けによって魔力を跳ね返しキルケを負かして船員たちを救いだす。
 ところが今度はユリシーズがキルケの魅力の虜になって島に長く滞在してしまう。
 ただその後、覚醒したユリシーズが島を去るに当たって、途中のサイレンの誘惑に引っかからない方策やその後の予言などを教えて送りだしたのである。
     Annibale Carracci
  

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Circe  1

2018年05月18日 | 今日の美女

「キルケ」は女神と呼べるほどの存在ではない魔女のようである。魔法と薬草の知識にすぐれているが、それらの魔力を借りずとも彼女自身の美貌と美声で十分男達は迷わされてしまうほどであった。そしてキルケは男に飽きるとさまざまな鳥獣に変えペットにしてしまうのだった。


    


    





  


    

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Twelve mythological women

2018年05月17日 | 今日の美女
 「神話の女性12人」という古い絵を見つけた。
 ジュノーとかダフネなどすでに取り上げた女神やニンフから神の部類に入らない人間など12にんで、どういう基準で選んだものかわからないのだが、そんなことはどうでもいいんで、すべて美女なることを信じて眺めてみようと思う。

 で、本日は、原画の番号に沿って顔見せだけ。

   Victoria                       Circe                          Daphne
    

    Eris                         Atalanta                         Juno
    

   Procris                        Scylla                          Coronis
      

   Ceres                         Febris                          Pyrrha
    


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プログ村

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