豆本三昧我褸芥(がるぁくた)ノート & 美人画あれこれ

日本の名作文芸と東西の名画の自作豆本の内容紹介のほか、その資料として集めている東西の美人画をいろいろ紹介しています。 

北斎 「大江戸勝景」という豆本

2011年02月13日 | 豆本






 北斎には「大江戸勝景」なる作品はなく、これは北斎の江戸の景勝地を描いた作品を寄せ集めた作品集として、広重の時と同様に私が勝手に命名したものである。

 上の、本になった画像の絵は、普通の浮世絵版画の体裁であるが、下二枚の画はかなり異質な感じの画である。西洋オランダの銅版画の風を出そうとした作品のということである。中の作品は画はともかく輪郭が特に目立っているが、下の画にはさらに凝った趣向があって、「くだんうしがふち」というひらがなのタイトルが横に倒して続けて書かれ、アルファベットの筆記体で書かれているかのような感じにしてある。一見、司馬江漢風の絵となっていて、「富嶽三十六景」とは異なった風である。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

北斎の江戸名所を描いた三つの画本による豆本

2011年02月10日 | 豆本






 この豆本は「絵本隅田川一覧」「東都勝景一覧」「画本東都遊び」という三冊をひとまとめにしたものである。 
 このころの画集の冊子は、いずれも横長の一つの画が見開きの左右のページに半分ずつになっていることが普通なので、私が豆本にする場合は、それぞれを合わせて一枚絵とした横長本に作るのを通例としている。ただ合成は真ん中に線が残ったり、合わせ目がずれたりとなかなかうまくゆかない。

 特に今回の最初の「隅田川両岸一覧」は三図を除いて、さらに次々と連続していて、ちょうど絵巻物を折り本にしたようになっているのだ。したがって一番上のように横長本にしても当然左右は繋がり、右の画は前のページと、左は次のページと連続している。しかし空間的には連続していても、時間的には独立していて雪の景、桜の景、紅葉の景などがならんでいるといった面白い構成になっている。

 下の二枚はそれぞれの画本から、「飛鳥山」を並べてみた。同じ飛鳥山が全体的、部分的と対照的な絵になっている。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

広重「富士三十六景・富士見百図」という豆本

2011年02月06日 | 豆本


 



 広重には前回の「不二三十六景」あと、結局死後の刊行になってしまった「富士三十六景」というシリーズもあって、こちらは竪絵の富士シリーズである。入手した画像のせいかもしれないが、全体にやわらかな明るい印象を受ける。
 ところでここにあげた「相模川」は、ゴッホの「タンギー爺さん」(図はその一部)の背景になっているといわれているが、どうなのであろうか。

 広重にはもう一つ富士のシリーズ「絵本 富士見百図」という冊子がある。ただし広重が急逝したために、初編二十図だけの未完成である。北斎の「富嶽百景」に対する意欲作だったようで、まことに残念、惜しいことである。
 図は「東海道 大森縄手」、冊子のため左右二枚に分れているものを合成したものである。  
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

北斎・広重 二人の三十六景の豆本

2011年02月03日 | 豆本






 以前にも少し書いたことがあるが、「富士の画」といえば真っ先に北斎「富嶽三十六景」である。
 私が北斎のこのシリーズを豆本にするのは、各一枚ごとの解説付きの作品、解説なしの作品、和綴じ用作品に続き、今回で四作目である。
 今回の作品は、広重の富士代表作「不二三十六景」の画像が揃ったので、同じ横長版なので並べてみたのである。
 北斎の富士があまりにも有名でありすぎて、すっかり影が薄れてしまっているが、もちろん広重を楽しむのに十分な作品で、もっととりあげられてよい作品であろう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

広重「大江戸賞景 巻四」という豆本

2011年02月01日 | 豆本




 巻四には「江戸名所」「江戸名所之内」というメインタイトルの作品74図のほか、三枚続きのもの14図を収める。
「東都名所」についで多いのが「江戸名所」だが、特に二つのシリーズに特色はないようである。三枚組みのものは、一つのシリーズとして纏まっているものではなく、巻三の鳥瞰図的なものと違って、もっと低い視点で描かれたり、むしろ美人絵的なものなどいろいろである。

 図は「上野の花見」と「不忍池雪の景」。

 これで広重の横長版江戸名所絵350余図を収録した豆本が完成したということになる。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

プログ村

にほんブログ村 ハンドメイドブログ 豆本へにほんブログ村