豆本三昧我褸芥(がるぁくた)ノート & 美人画あれこれ

日本の名作文芸と東西の名画の自作豆本の内容紹介のほか、その資料として集めている東西の美人画をいろいろ紹介しています。 

江戸城内を描いた画集の豆本

2010年04月21日 | 豆本
  

  

  

 この豆本は、橋本(揚州)周延の「千代田の御表」「千代田の大奥」二作品を纏めたもので、御表は明治30年、大奥は明治27年から29年にかけて出されたものである。江戸城内の行事・風俗生活を表側の男性の世界、大奥の女性の世界として三枚の続き絵(五枚続きと六枚続きが一作品ずつある)として描いたものである。
 特に大奥に関するものは、江戸時代には、記録もなく語られること憚られていたので、もとは武士であったという周延でも直接見たことではないはずだから、これがどのくらい正確なものかは問題もあろう。ただ明治になって、幕府時代の記録を残す機運が高まって、旧幕臣や奥女中の聞き取りから、「千代田城大奥」(明治25年)などの書が出版され、これらは貴重な資料となっているそうである。多分こういった書をもとに描かれたものとするなら、まったくの空想ではないだろうが、そんな理屈抜きに楽しませてくれるものである。

 元の絵は一枚の絵が三ページになっていて見づらいので豆本では、参考画像のように三枚の画像を合成して一ページに収めてある。

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